ぶら・のび

自分のために何か楽しいことやってますか?

Show Windowの前で6

2019年09月23日 | Weblog

Show Windowの前で

Part6


「常務、先日はありがとうございました! きっとご期待に沿えるよう尽力いたします」

「頼みますよ! これで我が社も生産量日本一位となり海外ブランドとも肩を並べる事になる」

「おめでとうございます! 間も無く専務ご昇進・・・・いや、社長ご就任も間近ですね」

「君〜それはちょっと早いよ」

「アハハハハハ・・・・・」


仕事も順調に進むと同時に多忙な日々が続いた

そして同期たちよりも早く出世もし 間も無く役員クラスになろうとしたが

心の中は虚無感にさいなまれたまま

未だ彼女の事を俺はずっと引きずっているのだった

そんな気持ちを癒すため 毎日のように酒を浴び 手当たり次第に女も抱いたが

亡霊のように彼女の事が頭から離れない

そして俺はとうとう・・・・


「ただいま〜」

「お帰り! 何か嬉しそうね」

「そうか? いつもと同じだけど・・・」

「シャワーでも浴びてきたら・・・」

「そうだな・・・どう? 一緒に入らないか・・・・」

「今、貴方の好きなエビフライを揚げているの・・だから一人でゆっくり入ってきて・・・」


「あ〜ん、あ〜ん、いく〜」

「相変わらず貴方元気ね!」

「そうか?」

「そうよ・・・私のあそこ壊れそう・・・」

「だって仕方ないじゃないか・・・君の身体が僕をそうさせるんだから・・・」

「あ〜ん、あ〜ん」


俺はあれ以来、会社も辞めてその日暮らしのホームレスになった

人からは煙たがられ残飯をあさる毎日だ

悔やんでも悔やみきれないあの時の事

まだ未だに俺は引きずったままだ

思い出せばたった一日の出来事なのに一生の幸せを使い果たした感じだ

一種の麻薬のようなものだ

あの快感を忘れられず・・・言い換えればその時の感触が今の俺の命の支えとなっている

俺を惨めに生かし続ける酷い話だ!

でもどこかでけじめをつけなければと・・・・

でもその為にももう一度あの快楽がなければ死んでも死にきれない


今日も食い物をあさりにスーパーの裏口へと向かう

早く行かないと同業者達が我先と鮮度のいい残飯を持ち帰ってしまうからだ

普段俺がよく行くのは白金台にあるスーパーだ

ここは金持ちが多く住む街なので普通のスーパーと並べる品は上等ばかり

だから口のこえた人ばかりだから店も早めに品の入れ替えをするので鮮度もいいものが捨てられるという訳だ

さ〜今日はどんな物が捨てられてるか楽しみだ・・・・


「ね〜貴方、今日は貴方の好きなヘレのステーキでも焼く?」

「もしもし・・・聞いてる?」

「あ〜聞いているよ! 今ね、会議中なんだ! だから後で電話するから・・・」

「あっ! ごめんなさい・・・じゃ〜早く帰ってきてね! チュッ」


「なんだよ〜 チャラチャラしやがって・・・・何がヘレだよ・・・あれ?」



つづく


 





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