ぶら・のび

自分のために何か楽しいことやってますか?

Show Windowの前で最終回

2019年09月24日 | Weblog

Show Windowの前で


最終回



なんだよ〜 チャラチャラしやがって・・・何がヘレステーキだよ!

「あれ?」

なんか見覚えのある女だな・・・・

どこかで見たような?

待てよ・・・・

まさか?

でも髪は短く色も違う・・・そして肌の色も・・・・

う〜ん・・・・・人違い?

それとも思い過ごしかな・・・・

でも確かめるにもこんな格好じゃ店にも入れないし・・・・

でもなんか気にかかる・・・・

自分を納得させる為に店から出た後を付ける事にした


後ろ姿は確かに見覚えのある美人線

ねぶりつきたくなるような綺麗な足首

そしてたまらない腰のくびれ

俺はすぐ頭にピンときた!

間違いない! あの女だ! 

俺の身体が覚えている

絶対に間違いない!


俺は我を忘れ彼女の元へと駆け出しそうになったその瞬間・・・・

俺の横を超スピードでマイバッハが通り過ぎ彼女の横で止まった!


「ただいま〜」

「貴方・・・早かったのね』

「そうか? でも早く君に会いたかったのは間違いまいけどね」

「嬉しい! いいの会社?」

「大丈夫! 後は部下に任せてきたから」

「ヤッホ〜」


「君〜、もうここでいいよ! お疲れ様! もうここから歩いて帰るので、明日またいつもの時間に頼むよ!」


えっ? 前の彼氏とは違うな?  しかも彼女、全然歳をとってないほど綺麗なままだ

そして、幸せそうだ・・・

でも本当は俺が彼女と幸せにならないといけないんだ!

なのに・・・

くそ〜

彼女は俺の女なんだ!

おいつ、人の女を取りやがって・・・・

殺してやる!


もう歯止めが効かなくなり何をやらかすか自分でもわからなくなってきた

俺は一目散に駆け出して男の胸ぐらを掴んでおもいっきり顔面を殴ってやった

「お前! 俺の女に手を出しやっがてどういうつもりだ!」

「何だ急に! 貴様こそ誰だ?」

「俺はな、彼女の彼氏だよ!」

「彼氏?  何を馬鹿げた事を言っているんだ・・・」

「やかましい!」と再度、俺は男の顔を数回殴りつけた

「やめて! 何をするのよ?  警察呼ぶわよ!」

「あ〜呼べるものなら呼んでみろよ!  どうせ捕まるのはこの男なんだからな・・・」

「人の女に手を出したのは、こいつなんだ」

「人の女ですって?」

「何をおかしな事を言っているのよ?」

「今、貴方が馬乗りになっているのは私の夫よ! いい加減な事は言わないで!」

「何を言っているんだ?  お前は俺の女じゃないか? お前は騙されているんだ!」

「智子、早く警察を呼びなさい!」


そして俺は逆上し持っていたナイフで男を滅多刺しにした

「キャ〜何すの・・・人殺し・・・誰か〜、誰か〜」

「こいつが悪いんだ!  俺の女に手を出すからだ・・・俺は当然の事をしたまでだ・・・お前の為にやったんだよ!」

「貴方おかしいわ! 何を考えているの?  どうして?  どうしてなの?」

「俺はあの日以来、ずっとお前を探して生きてきたんだ!

なのにお前は知らぬ存ぜぬ! これだけお前の事を愛しているのにどうして何だよ・・・・」

「愛してるって?  それは貴方が勝手に思っているだけでしょ・・・

女なら誰でもいい・・・女はやるだけの道具にしか考えていない貴方が

よく、愛しているって言葉が言えるものね?」

「確かにお前と出会うまではそう思ってた!  でもお前と会ってからは俺は変わったんだ!

ひたすらお前を求め探し回ってたんだ!」


「人はそんなに簡単に言葉通りには変われないものよ! 

きっとまた同じ繰り返しをするわ・・・・

だからもう私を追わず自分の人生を歩きなさい!

この始末は私が処理してあげますから、早くこの場を立ち去りなさい」

「どうしても駄目なのか?  頼むよ・・・もう一度だけ・・・・」


すると一瞬あたりが真っ暗になり俺は目を閉じた

しばらくすると辺りが明るくなり元の街の騒音が耳に入ってきた

そして俺はゆっくりと目を開けた・・・・


すると目の前にはエルメスのショウウインドウ

そのガラスには真っ青な空と雲が映ってた




おわり




Show Windowの前で6

2019年09月23日 | Weblog

Show Windowの前で

Part6


「常務、先日はありがとうございました! きっとご期待に沿えるよう尽力いたします」

「頼みますよ! これで我が社も生産量日本一位となり海外ブランドとも肩を並べる事になる」

「おめでとうございます! 間も無く専務ご昇進・・・・いや、社長ご就任も間近ですね」

「君〜それはちょっと早いよ」

「アハハハハハ・・・・・」


仕事も順調に進むと同時に多忙な日々が続いた

そして同期たちよりも早く出世もし 間も無く役員クラスになろうとしたが

心の中は虚無感にさいなまれたまま

未だ彼女の事を俺はずっと引きずっているのだった

そんな気持ちを癒すため 毎日のように酒を浴び 手当たり次第に女も抱いたが

亡霊のように彼女の事が頭から離れない

そして俺はとうとう・・・・


「ただいま〜」

「お帰り! 何か嬉しそうね」

「そうか? いつもと同じだけど・・・」

「シャワーでも浴びてきたら・・・」

「そうだな・・・どう? 一緒に入らないか・・・・」

「今、貴方の好きなエビフライを揚げているの・・だから一人でゆっくり入ってきて・・・」


「あ〜ん、あ〜ん、いく〜」

「相変わらず貴方元気ね!」

「そうか?」

「そうよ・・・私のあそこ壊れそう・・・」

「だって仕方ないじゃないか・・・君の身体が僕をそうさせるんだから・・・」

「あ〜ん、あ〜ん」


俺はあれ以来、会社も辞めてその日暮らしのホームレスになった

人からは煙たがられ残飯をあさる毎日だ

悔やんでも悔やみきれないあの時の事

まだ未だに俺は引きずったままだ

思い出せばたった一日の出来事なのに一生の幸せを使い果たした感じだ

一種の麻薬のようなものだ

あの快感を忘れられず・・・言い換えればその時の感触が今の俺の命の支えとなっている

俺を惨めに生かし続ける酷い話だ!

でもどこかでけじめをつけなければと・・・・

でもその為にももう一度あの快楽がなければ死んでも死にきれない


今日も食い物をあさりにスーパーの裏口へと向かう

早く行かないと同業者達が我先と鮮度のいい残飯を持ち帰ってしまうからだ

普段俺がよく行くのは白金台にあるスーパーだ

ここは金持ちが多く住む街なので普通のスーパーと並べる品は上等ばかり

だから口のこえた人ばかりだから店も早めに品の入れ替えをするので鮮度もいいものが捨てられるという訳だ

さ〜今日はどんな物が捨てられてるか楽しみだ・・・・


「ね〜貴方、今日は貴方の好きなヘレのステーキでも焼く?」

「もしもし・・・聞いてる?」

「あ〜聞いているよ! 今ね、会議中なんだ! だから後で電話するから・・・」

「あっ! ごめんなさい・・・じゃ〜早く帰ってきてね! チュッ」


「なんだよ〜 チャラチャラしやがって・・・・何がヘレだよ・・・あれ?」



つづく


 





Show Windowの前で5

2019年09月22日 | Weblog

Show Windowの前で

Part5


「もしもし・・・先日の件ですが・・・明日、彼女と会う約束なんです」

「わかった! ありがとう、遅れないように行く」


「待った〜 ごめんね」

「大丈夫! 僕もさっき来たばかりなんだ」

「じゃ〜この前行けなかった海へ行く?」

「行く! 行く!」

「ちょっとその前に買いたい物があるんだ! ちょっとここで待っててくれる?」

「は〜い! 早くね」

「OK!」


「あまり長く空けると気付かれるんで手短に頼みますよ!」

「わかった! すまないな・・・」


そして俺は彼女が待つエルメスショップへと近づいた・・・

もう頭の中は彼女の事でいっぱい・・・

何とかしてもう一度二人のよりを戻したいと・・・・


「や〜また会ったね!」

「誰れ・・・」

「俺だよ! 本当に忘れたのか?」

彼女は急に怯えながら

「そんな事言われたってごめんなさい・・・本当に貴方の事は知らないんです!」

「君のマンションで朝まで愛し合った事もかい?」

「私が貴方と?  きっとそれは誰かと間違ってるわ! 

だって私、本当に貴方の事なんて知らないんです・・・」

「嘘だ! 本当はわかってるんだろう?」

「本当に知らない! 知らないんだから・・・・キャー誰か・・助けて・・・」

「おい! 何だよそれ・・・嘘だろう? 芝居はやめろよ・・・」


急に人だかりになりかけたので俺は走ってその場を抜け出した


翌日俺はもう一度彼に電話を入れた


「この前は折角段取りしてくれたのにあ〜なっちゃてすまなかったな!」

「も〜どうもこうもありませんよ! 結局デートは中止!

おまけに僕まで疑われちゃいましたよ!」

「すまん!」

「ところでどうだったんですか? ちゃんと聞けたんですか?」

「それがだな・・・知らない、わからないの繰り返し・・・・」

「どうしてそこまで執着するんですか? 女性なら他にもたくさんいるじゃないですか?」

「違うんだよ! あの子は他の女とは全く違うんだ!」

「そうかな〜 僕にはわからないけど・・・普通の女の人だと思うけどな〜」

「そうだ! 彼女、昔記憶喪失にかかった?とか 言ってなかった?」

「記憶喪失? いや〜そんなの聞いた事ないですよ・・・だって会うのまだ2回目ですよ」

「ん〜何故だろう・・・」

「もういいでしょ! 僕も今度、彼女といつ会えれかわからないし・・・」

「本当にすまなっかたな! またこの埋め合わせはきっとするから・・・」

「はいはい! 当てにはしてませんから・・」


結局それ以後 彼から連絡もなく 当然、彼女と出会う事もなかった


「お〜い山本、この前の商談どうなった?」

「課長!大丈夫ですよ しっかり足固めはしていますので・・・」

「お〜頼もしいね! やっぱりこの営業部にお前がいないと駄目だな」

「おだてても駄目ですよ!」


なかなか落とせなかったA社の新工場建設の物件を俺が受注した

昔は談合で順番に受注していたが、今は厳しい法律のもと簡単には落とせない

ましてやギリギリの儲けの中での入札なんて経費を合わせれば赤字になりかねない

だから今は、人間関係を駆使していかに受注を得るかだ

付け届けなんて昔の話! いかに短い期間で社の重要人物にコネクションを取るかが最大のポイントだ!

俺はその点、人よりたけてる臭覚がある

でもこの才能・・・自分でも不思議に思う・・・・



つづく


Show Windowの前で4

2019年09月20日 | Weblog

Show Windowの前で

Part4


それから数日後、営業で回っている時に偶然この前の男に出会った

「いや〜この前はすまなっかたな!」

「貴方ですか、いえ別にも〜いいですけど・・・・」

「ちょっと話をしてもいいかな?」

「何ですか?」

「君さ、あの彼女とはいつ・どこで出会ったんだ?」

「どうしてそんな事を貴方に話さなきゃいけないんですか?」

「この間は本当に申し訳無かったと思っているんだ・・・・でもどうしても聞かせてもらいたいんだよ!」

「はいはい! わかりましたよ・・・・出会ったのはね・・・確か今から2ヶ月ほど前だったかな・・・」

「銀座にエルメスショップがあるでしょ?  そこで初め出会ったんですよ」

「えっ? エルメスショップ」

「そうです!」

「どのように?」

「どのようにって・・・ただね、僕がエルメスのウィンドウを覗いていたら急に彼女の方から声をかけてきたんですよ」

「声を?・・・・・」

「私の方を振り返って、私の事見てた?って言われたんです」

「えっ?彼女の方からかい?」

「そうです! 僕は振り彼女を見て 一瞬、えっ?と思い こんな綺麗な人から声をかけられるなんてと・・・」

「僕はも〜夢か幻か・・・まさか僕のみたいな物に声をかけられるなんてと思いました」

「それから付き合いが始まったと・・・・」

「付き合いだなんて・・・この間会ってまだ二回目ですよ! でもまた会って欲しいと言われましたがね」

「じゃ〜一回目の時はどのよ〜に?」

「えっ? もう勘弁してくださいよ!  どうしてそんな事まで貴方に話さなきゃいけないんですか?」

「そう、お酒! ワインを飲みに行かなっかたか?」

「ワインですか・・・・・そういえば・・・・・はい!確かワインバーへ行きました」

「彼女ワインはすっごく強くってね!  もともと僕はゲコなんでお酒は一滴も飲まず烏龍茶でしたけどね」

「その後、彼女は飲んでいる内に急に酔いつぶれてしまったとか?」

「いえ、そんな事はなかったですよ! その後、適当に時間を過ごして帰りましたから・・・」

「・・・・・そうなんか」

「そうそう、最後店を出た時にね 彼女が耳元で「また会ってね!」って甘く囁かれました

「ふ〜ん・・・それだけ?」

「それだけですよ!  何か?」

「いや〜  ありがとう」

「あの〜」

「何だ?」

「貴方、彼女と昔何か会ったんですか?」

「いや〜あったというより出会いがしらのようなものなんだ・・・」

「出会いがしらね・・・・」

「・・・・・・僕も君と同じように出会いはエルメスショップの前、 同じように彼女から声をかけられてね・・・」

「・・・・・?」

「それから二人でワインを飲み行って最後は彼女が酔い潰れたので自宅まで送って行った・・・ただ、それだけのことなんだ」

「へ〜なんか似てますね・・・」

「君、もし今度彼女と出会う事があったら俺に知らせてくれないかな?」

「あっ、いいっすよ!  でも・・・・」

「頼むよ! 本当にちょっと確かめたい事があるんだ! だから・・・・」

「わかりました! わかりましたよ!  ではまた連絡します!」


そして数日後、彼から連絡が入ったのだ!




つづく





Show Windowの前で3

2019年09月19日 | Weblog

Show windowの前で

Part3


いつの間にか俺は彼女の虜になってしまったらしい・・・・

他の女を見ても また抱こうとしてもまったくその気にならなかった

いつも頭に浮かぶのは彼女の事ばかり

来る日も来る日も彼女の事が頭から離れない

仕事もろくに手につかず 知らない間にまたあのショップの前に立っているのだった

どうしてしまったんだろう?

たかが女 やっちまったら所詮女は女じゃないか・・・・


そんな日々が3年程続いたある日


ようやく彼女の事も忘れかけ仕事にも専念できるようになってきた

いつものように得意先回りをし順調に売り上げも伸ばし

社内でも次の昇格対象は間違いないとまで噂されるほどになった


「あ〜もうこんな時間か? どうしよう・・・今から社に戻っても明日は休みだしな〜

このまま直帰してこの処理は月曜日にでもするか・・・・」と

会社へ電話をしその旨を告げ直帰する事にした


さ〜明日は休みだ! 久々に布団でも干して溜まった洗濯物でもするとするか

独り者は大変だ!

そろそろ俺も身を固めないとな〜


そして丁度最寄りの駅に差し掛かった時だった・・・・

どこかで見覚えのある綺麗な女性・・・・

まさか?と思い近づいて確認しようとした時


「お待たせ! だいぶん待ったかい?」

「ちょっとだけだよ!」


あの時の女だ!

思わず声をかけようとしたが連れの男性がいるのでちょっと控えしばらく伺う事にした


「じゃ〜今日はどこへ行こうか?」

「う〜ん・・・・海は?」

「海?」

「そう! 海がいいな〜  私、海って大好きなの」

「へ〜どうして?」

「だって海は広くって果てしないから  いつまでも見てても飽きないもん・・・」

「ふ〜ん、なんだかロマンチックだね」

「ふふ、そうかしら?」


俺はそんな二人のやりとりを見ている内に段々相手の男に嫉妬を抱くようになってきた

彼女は俺の女だ!

お前のものじゃない!

彼女も彼女だ・・・俺という男がありながら他の男と親しくしやがって

俺はもういても立ってもいられなくなり

もしこのまま放っておいたら取り返しのつかない事になってしまうと

とうとうたまらず俺は我を忘れ

二人の方へと向かった


「おいお前! 俺の女に親しげに何をしてるんだよ?」

「誰だ! 君は?」

「俺は彼女の彼氏だ!」

「彼氏?」

「ね〜、彼氏って本当?」

「彼氏じゃない! だって私この人知らないもん」

「何言ってんだよ! 俺じゃないか」

「俺って言われても 本当に貴方の事知らないんです」

「君! いい加減にしろよ! 彼女、知らないって言ってるじゃないか?」

「彼氏だよ! 彼女は久しぶりに俺にあったから気が動転しているだけなんだよ!」

「な〜! 本当に俺の事思い出せないのか? あんなに愛し合った二人なんだぜ」

「だから・・・本当に知らないんです!」

「君! もういいだろう・・・彼女、本当に君の事知らないって言ってるんだから」

「だから・・・しばらく会ってなかったから少し忘れているだけなんだよ! お前はうるせ〜んだよ!」

「やめて‼️ 本当にやめて! 私、貴方に会った事もないし本当に知らないんだから・・・・」

「・・・・・・・」

「じゃ〜もういいだろう・・・・さ〜行こうか」


俺はしばらく呆然と立ち尽くした

どうしてなんだ・・・・

もしかしたら何か事故に巻き込まれ記憶喪失にでもなったんじゃ?

俺はどうしても納得できなかった

それか・・・・彼氏の手前 わざとあ〜言っているだけかも?

いや、そんな事はない・・・


そしてもう一度彼女に会って確かめて見ようと未練がましく思ったのだ



つづく




つづく


Show Windowの前で2

2019年09月18日 | Weblog

Show Windowの前で

Part 2


「も〜今日は半ドンだ!」

「半ドンってな〜に?」

「半分仕事で後は休みって訳!  今日は今からは休みにする!」

「へ〜だったら今からど〜するの?」

「そうだな・・・・行きつけの店でワインでも飲んで早めに帰るよ」

「ワイン? 私ワイン大好き!」

「だったら一緒に行くかい?」

「行ってもいいの?」

「勿論! 君がいいならね」


って訳で思いがけない超美人をゲットしたんだ


も〜頭の中は悶々とし ろくに会話の内容なんて耳に入ってこない

やるための順番を何度も何度も頭の中で妄想を繰り返していたからだ


「君、結構強いんだな・・・・全然酔ってないじゃないか?」

「だから言ったでしょ! ワイン大好きだって  全然って事はないけど強い方かな?」

「俺も結構強い方だけど 君には負けそうだ」


はじめ俺は彼女を早く酔わせてやろうと思っていたが この調子ならやぶ蛇になりそうだ

どこかでタイミングを図らないと・・・・と思っていた時だった

急に彼女はぐったりとカウンターの上にうつ伏せに頭をうなだれた

「おい君! 大丈夫か? 酔ったのか?」

「なんか酔ったみたい・・・・」

「酔ったみたいって・・・さっきまであれだけ・・・・」

「なんか気分悪い・・・」

「大丈夫か? じゃ〜送って行こう」

「大・丈・夫! 一人で帰れるから・・・」

「大丈夫じゃないよ! こんなにフラフラしてるじゃないか? 送って行くからさ!ね」

「マスターお勘定! それとタクシー呼んでくれないか」

「おい! 本当に大丈夫か? 君ん家はどこなの?」

「麻布の・・・・・・」


そして俺は本音が告げられず酔った彼女を自宅まで送る羽目になった

「くそ〜、これからいいところだったのに・・・・」と心の中で叫んだ

そして彼女のマンションに到着


「おい! 着いたよ! 大丈夫か?」

「大・丈・夫! ありがと・・・・」

「じゃ〜な! 気をつけて」

すると彼女はいきなり俺にキスをしてきた

とても柔らかい唇に思わず俺は酔いしれ タクシーの中で彼女をギュッと抱きしめた

「さ〜もう遅いから・・・・おやすみ!」

すると彼女は俺の腕に絡みつき 耳元で

「帰らないで! 一緒に部屋に来て」と甘く囁いた

その甘い声に俺はやや半立ち状態となり 俺のいやらしい本心が目覚めかけた

「もう遅いしこんなに酔ってるんだから・・・・」と言いかけた時

また彼女は俺の口をふさぐようにキスをして来た

もう〜駄目だ! 今夜彼女を抱かなかったらもう抱けないかも知れないと・・・・

そして階のボタンを押しエレベーターの中でやり始めた

彼女の部屋のドアを開け二人は互いの身につけているものを全て脱ぎ捨て

ベッドに倒れるや否や彼女は求めて来た

すでに俺の自身は赤く照りあがりうっ血したかのように脈を打ち心臓まで鼓動が鳴り出した

そして何度も何度も愛し合い

結局朝方まで続き一睡もできなかった


「おはよう!」

彼女は俺の白いワイシャツを羽織り 朝陽のさす窓側に立っていた

光が彼女の綺麗な身体を浮き彫りにし

なんだかまたやりたい気持ちが湧いてきた

そしてキスをし もう一度抱き合い別れたのだ


その後、何度かあのショップの前を通るが彼女を見かける事はなかった

今までこんな気持ちになった事は一度もなかった

いつの間にか俺は彼女の虜になってしまったらしい

他の女を見ても、また抱こうとしても全くその気にならなかった

いつも頭に浮かぶのは彼女のことばかり

来る日も来る日も彼女の事が頭から離れない

仕事もろくに手がつかず、知らない間にまたあのショップの前に立っているのだった



つづく


Show Windowの前で1

2019年09月16日 | Weblog

Show windowの前で

Part 1


俺は昔、自慢じゃないが女タラシと呼ばれた時代があった

自分でも言うのもこっぱずかしい話だが、それなりに男前でダンディーでもあった

ちょっと声をかければ大抵いの女はすぐに付いてきた

だからまどろっこしいデートなんかせず、いきなりホテルへ直行してやっちまう

しかもホテル代は女もち!

だがその分、俺は女が今まで味わったことの無い夢心地を味あわせてやるんだ

だから抱かれた女は今だに俺を求めてやってくる・・・困ったもんだ

でも俺は、一度抱いた女とは二度としないと決めている

俺はケツの軽い女は大嫌いだ!

いくら美人でもやっちまえばただの女さ

未練たらしく女を追うのは俺の性には合わないのさ

さて、今日はどんな女を抱こうかな・・・・・


普段の俺の仕事は営業で回るセールスマン!

これでもなかなかのスーパーエリートセールスマンなんだ


ある日、いつものように営業で回っていた時だった

今まで俺が抱いた女を遥かにしのぐ超美人に出会ったのだ

一瞬心臓の鼓動が止まるかのような衝撃を味わった

世の中には絶世の美女といわれる女は山ほどいるが・・・

それをも遥かに超える 神々しいと言おうか あんな女を見たのは初めてだった


今までの俺ならすぐ声をかけてホテルへ誘うが

流石に俺自身も尻込みをしてしまう程の女

言い換えれば、女タラシのような下品な男と見られたく無い!と言うか

エゴでもあり、俺がもし誘って断られでもしたら?と言う不安もあったからだ


でも・・・どうしてもやりたい!という気持ちを抑えられなかったので

仕事をほっぽり その女の後をしばらくつける事にしたんだ

綺麗な足首の先には真っ赤なハイヒール

後ろから見ても抜群のプロポーションですれ違う普通の女?

いやメス達とは余りにの差に思わず笑ってしまう程

まだ俺の女になっていないのに、勝手に自分の女のように

誇らしく「てめえらはただのメスなんだよ!」と、心の中で叫んだ


そしてしばらく付いていくと女はエルメスショップのウィンドの前で立ち止まり

ディスプレイされている商品を眺めた

俺は何気なしにそのショップの前を気づかれないよう通り過ぎようとしたその瞬間

女が急に振り返り俺に言葉をかけてきた

「さっきから私をつけているんじゃないの?」と

普段はさりげなく言葉を返せるのに まさか?という思いもあり

たどたどしい返事を返してしまい 心の中で「どうしたんだよ! 普段の俺じゃね〜よ!」と呟いた


「い・いや〜営業で行く会社を・・ちょっと・・探してて・・

君の後をつけたりなんかする訳ないよ・・」と

言わんばかりの心の思いと逆の返事をしてしまった事に後悔した


「そ〜なんだ! てっきり後をつけてるのかな〜って思って・・・ごめんね!」

「い・いや・・・別に謝らなくっても・・・」

「何て会社に行こうとしてたの?」

「会社?」

「そう! だって営業に行くって言ってたわよね?」

「あっ! そうそう・・・え・営業にね・・」

「なんなら私もその会社 一緒に探してあげようか?」

「君が?」

「うん! だって今日一日暇なんだも〜ん」

「暇?」

「そう!」

「君、仕事は?」

「辞めちゃったの! だから時間はたっぷりあるの! どう?」

「・・・・・・・」

「あの〜  実は・・・ね」

「何?」

「本当は君が言うように 俺、後をつけてたんだ! ごめん」

「・・・・・やっぱりそうだったんだ! 何かおかしいなって思ってたんだ」

「なんで?」

「だってさ、つけ方が下手なんだもん」

「下手?」

「そう! 私が何気なく振り向いた時 貴方、建物や電柱、そして看板の陰に隠れて・・・

まるでわざとやっている下手な映画の3枚目みたいだったから・・・」

「俺ってそんなに下手だった?」

「うん!」

「なんか かっこ悪いな〜」

「でも仕事中なんでしょ?」

「も〜今日は半ドンだ!」

「半ドンって何?」

「半分仕事で後は休みって事! 今日は今から休みにする!」

「へ〜だったら今からど〜するの?」

「そうだな〜  行きつけの店でワインでも飲んで早めに帰るよ!」

「ワイン? 私ワイン大好き!」

「だったら一緒に行くかい?」

「行ってもいいの?」

「勿論! 君がいいのならね!」


つづく


太刀魚釣り

2019年09月04日 | Weblog

須磨沖での太刀魚釣り

天気は最高でした(^^v

最悪は釣果です!(;;)

前回、タコ釣りに行った時と同じく最悪の釣果でした。

なので、今回もダメだろうな〜って冷めた気持ちで行ってたのでめっちゃ落ち込む事はなかったけど・・・・

みんな同じテンヤを海中に落としゆっくり巻き上げているだけなのに・・・なんでだろう(??)

これってやっぱり・・・日頃の行い? それとも血液型? 星座? 運? 海の神様の好き嫌い? 

それとも高齢者専用の席に座ったから? 釣りの為に仕事を片手間にしたから?

やっぱり釣りには向いてないんだろうなって最近つくづく思います(;;)

だらだらと書きましたが今回の釣果は2匹です。

しかも指3〜4本分の細〜い太刀魚です。

でも良く釣り上げた人でも10匹ぐらいでした。

ほとんど2枚潮だったので厳しかったみたいです。

たくさん釣船は出ていましたが釣り上げている人はほとんど見かけない状況でした。