2011年7月12日に開催した「福島原発事故30キロ圏外避難者の支援を求める院内集会」は、総来場者数は123名でした。
院内集会で採択された集会宣言です。
集会宣言
東日本大震災と同時に発生した福島第1原発の事故によって、大量の放射性物質が大気中に、また海中に、あるいは地下水に放出されました。原発事故は、いまだ収束の見通しが立っていません。
政府は、福島第1原発20キロ圏内を避難区域とし、飯舘村などを計画的避難区域としたほか、概ねその他の30キロ圏内を緊急時避難準備区域とし、これら地域の住民を被災者として保護する避難体制を作りました。これらの政府の指示が出ていない地域、いわゆる「30キロ圏外」の地域においても、事故後4か月を経た今もなお、高い放射線量が測定されており、放射能汚染を心配する妊産婦・子どもを抱える親など多くの住民が首都圏などに広域避難を余儀なくされています。しかし、30キロ圏外からの避難者は、勝手に避難しているかのような「自主避難者」とのレッテルを張られ、義援金や被災者保護の諸政策の対象から外されています。十分な支援を受けられず、貯金を切り崩して避難費用を賄っています。避難生活が長期化するにつれ、30キロ圏外からの避難世帯の生活は日に日に苦しくなっており、もはや我慢の限界を越えつつあります。
政府は、30キロ圏外の中にも特定避難勧奨地点を指定し、ようやく避難の必要性を認め始めましたが、今回の指定に漏れた地域でも異常な放射線量の地域が広がっています。特定避難勧奨地点の指定の放射線量の基準は年間積算20ミリシーベルト以上であって、その基準の安全性には多くの有識者が疑問を呈されています。自治体の中には、東京都足立区のように、年間積算1ミリシーベルトを放射能対策の基準とするところも出始めています。政府には、30キロ圏外の住民も放射能汚染から長期的に避難することができるように具体的な支援策を講じていただきたいです。
特に、妊産婦や子どもを持つ親たちが、子どもに対する放射線の影響を心配しています。放射線量の高い地域に居住して放射性物質を体内に取り込んでしまった場合には、内部被曝の影響も指摘されています。いったん避難した妊産婦や子どもを放射線量の高い地域に戻すことがあってはありません。
子どもたちの未来のためにも、放射能汚染から避難する自由が実質的に保障されなければなりません。そのためにも、30キロ圏内からの避難者と同様の支援をしていただきたいのです。そして、議員の皆さんには、必要であれば立法措置を講じていただきたいのです。
原発事故が収束し、放射線量が元の自然な状態に戻るまで、被災者が安心して避難を続けられるよう、万全の支援を求めます。
2011年7月12日
福島原発事故30キロ圏外避難者の支援を求める院内集会参加者一同