としぼ~の湯巡りブログ!

温泉巡り100箇所達成を記念してブログ設立!長野県北信地方を中心とした温泉巡りのレポートを、気ままに綴っていきます!

中棚温泉 中棚荘

2015-12-13 09:19:25 | 長野県(東信)の温泉
 中棚温泉 中棚荘は、小諸市の名所 懐古園のすぐ近くにある一軒宿。明治の文豪 島崎藤村も愛したという由緒ある老舗宿です。藤村の「千曲川旅情の詩」にもこの宿は「岸近き宿」として登場するとのこと。千曲川河岸段丘の斜面に建っていて、和風のなかなか雰囲気が良い宿です
 お昼時に旅館やホテルを訪れると、受付に誰もいなかったりするものですが、ここは受付にちゃんと従業員がいたし、他にも従業員が開館の準備で忙しそうにしていました。人気がある宿なんでしょうね入浴料金は1,000円で、雑誌Komachiの割引券で100円引き。旅館としてはちょっとお高い料金設定です


 浴舎は、旅館から少し離れた高台に離れとなっており、渡り廊下(階段)で繋がっています。浴舎も木造でいい雰囲気なんですが、中に入るとその構造にびっくりしました。脱衣スペースと浴室に境(壁)がないのです畳の脱衣スペースのすぐ隣に浴槽があるというは、初めての光景です(浴室が畳敷きというのはありましたが…)。脱衣場浴室一体型の共同浴場はありますど、さすがにコンセプトは違うでしょうね。脱衣スペースに棚がない(脱衣籠を畳の上で使用)のも浴舎のデザインにこだわった結果でしょう。脱衣が少々煩わしいのと、脱衣スペースが浴槽のすぐ隣なので湿度が高いというデメリットはありますが、浴舎としては思い切った秀逸なデザインと思います

 内湯浴槽には、「初恋りんご風呂」と題して、10~4月の間リンゴが浮かべられていて、中棚荘の名物となっています。こういうのはいつも余計なことと思うのだけど、後述するようにここの湯はあまり個性がないので、逆にアクセントとなっていいかも知れません。


 湯は無色透明で、無味無臭。ツルスベ感はあるものの個性は少ない湯です。湯口からは非加熱源泉(アルカリ性単純温泉、源泉温度38.2℃)が注がれていますが、オーバーフローはなく湯使いは循環で、浴槽の湯からは塩素臭がします窓が広く取られていて景色がよく、また浴舎のいい雰囲気と比べると、お湯はちょっと残念な浴感です
 
 実は浴舎に入った瞬間、中に硫黄臭が漂っていたので、浸かるまでは期待を持っていました。硫黄臭の源は、浴槽の湯ではなく湯口の非加熱源泉のようです。湯口は鉢になっていて、鉢の底から湧き出した湯がオーバーフローして浴槽に注がれるようになっています。この源泉が素晴らしく、はっきりとした硫黄臭に甘味がある硫黄味が感知でき、多量の気泡が含まれていて白濁して見えるのです鉢の中に手を付けると一瞬のうちに泡だらけになります。それなりの湯量はあるので、この源泉で一人用の非加熱かけ流し浴槽を作れば、とんでもなく良い浴感の浴槽ができると思います。それでなくても、現在の浴槽を仕切って一部源泉かけ流し部分を作れば、浴感はかなり改善できると思うんですけどね。昔の写真を見ると、浴槽を板で3つに仕切っていたようですが、そうなっていたのでしょうか?

 

 続いてすぐ隣の露天風呂へと移動。露天風呂は2つに仕切られていて、上段の露天風呂からのオーバーフローが下段の露天風呂に流れ込むようになっています。湯口は浴槽内にあって外からは見えません。どちらかが源泉風呂かと期待しましたが、どちらも循環湯で、浴感は内湯と同じ。塩素臭は上段の浴槽の方が薄く、3つの浴槽の中ではここが一番浴感が良かったかな景観は斜面の上部にあるのでなかなか良く、千曲川の流れも見渡すことができます。内湯同様、雰囲気は評価できるでしょう


 下段の浴槽には、竹筒から非加熱源泉がチョロチョロと打たせ湯のように注がれています。この源泉も内湯と同じで素晴らしいものですが、浴槽の湯中では影も形もありません
 
 浴舎の造りは、あまり見たことない斬新なもので、感心させられましたこれを見ただけでも価値があるかなと思う一方、すばらしい源泉を持ちながら生かし切れていない現状は、非常にもったいなく感じました。施設の良さと温泉の湯質が揃って初めて、1,000円払ってでも入りたい温泉になれると思います。

人気ブログランキングへ にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿