としぼ~の湯巡りブログ!

温泉巡り100箇所達成を記念してブログ設立!長野県北信地方を中心とした温泉巡りのレポートを、気ままに綴っていきます!

白骨温泉 白船荘 新宅旅館

2022-06-15 00:46:00 | 長野県(中信)の温泉
 令和4年3月、新型コロナウイルスの第6波が収まらず、まん延防止等重点措置が続いている中、「信州割SPECIAL」が継続されているのと、松本市では「まつもと冬割キャンペーン」が実施され信州割との併用が可能ということで、思い切って高値の花である白骨温泉に泊まってみることにしました。
 当日は信州スカイパークで子供達を遊ばせた後、白骨温泉へと向かいました。松本市街からは約1時間。3月上旬でしたが、さすが山奥だけあって結構な積雪があります。この日も新宅旅館に着いた時には雪が降り始め、翌朝には除雪車が出たようでした。

 旅館には午後3時に到着。出迎えがあるあたりはさすがハイクラスな旅館です。受付でもきっちり割引適用のための身分証明、ワクチン接種証明書の提示を求められました。今まで割引を利用した宿では一度も提示を求められなかったんですけどね。もちろん準備はしておいたので問題はなかったです。
 客室までは食事処や大浴場の場所を案内してもらいながら移動。なかなか複雑な建物で、エレベーターで2階に上がった後、またエレベーターで1階に下りるといった具合に、迷路みたいな感じでした。山の斜面の狭い敷地に建てているからそうなってしまったのでしょう。

  

 部屋で少し休んだ後、先行予約プランで午後4時に予約しておいた貸切風呂に向かいました。貸切風呂は別棟にあるため、フロントで鍵を借り一旦外に出ることになります。そして窪地の底のような場所に湯小屋があるため、結構急な階段を下ります。この時は雪が激しく降っていたので、移動が大変でした。そして湯小屋に入ってもさらに階段を下り、半地下状態の浴室に到着します。
 貸切風呂は「こなし」と「すもも」があって、「こなし」は内湯と露天風呂、「すもも」は内湯のみという構成です。今回は宿の指定で内湯のみの「すもも」に入浴することになりました。


 浴室に入ると、濃い白濁湯を満たした白い浴槽が目に飛び込んできました。白濁は浴槽の底が全く見えない濃さで、これぞ白骨温泉という白濁(泉質は含硫黄-カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉[硫化水素型])です。また浴槽は元々檜の浴槽なのですが、温泉成分の炭酸カルシウムが析出し、白骨温泉の語源と言われる「白船」状態になっていました。さらに浴室内には硫黄臭が充満していて、湯に浸かる前から満足といった感じです。
 そして湯からは強い硫黄臭が感じられ、味見すると炭酸・硫黄味+微苦・渋味でした。白濁は湯の劣化の証ではありますが、十分に個性が残っています。それは非加温の源泉100%かけ流し(塩素消毒なし)だからこそなせる業ですね。湯の温度も41.5℃ほどで適温。子供達でも普通に入れる温度でした。

 

 さて、わざわざ先行予約プランを利用してまで貸切風呂を予約したのは、ここの貸切風呂が「足元湧出(足元自噴)」であるからです。足元湧出の浴槽は、長野県内でも数箇所あるのみ。新宅旅館の場合はパイプ送湯の新源泉(足元湧出泉は旧源泉)も湯口から加えている(旧源泉だけでは湯量が不安定なため)ので純粋な足元湧出浴槽ではないですが、貴重なことには変わりありません。
 しかしながら、いざ入浴し浴槽の底を触ってみると、コンクリート張りのような感触でした。通常足元湧出浴槽の底はスノコ状になっているはずです。おかしいなと思い、インターネットで調べてみると、足元湧出なのは貸切風呂「こなし」の露天風呂のみ、という記載が散見されました。では、実際どうなのか知りたかったので、宿に問い合わせたところ、貸切風呂「すもも」の内湯も足元湧出浴槽であること(「こなし」の内湯、露天風呂も足元湧出)、浴槽は檜風呂であり、底部の隙間からお湯が湧出しているが、炭酸カルシウムにより底部がコーティングされてしまっているため、コンクリート張りのように感じることなど回答がありました。
 後から考えてみると、貸切風呂の湯は大浴場などと比べると炭酸味が濃く感じたので、足元湧出の実力の片鱗は感じられていたようです。一時は足元湧出浴槽に入りそびれたかと思いましたが、そうでなくてホッとしました。

 

 貸切風呂から部屋に戻った午後5時頃、夕食の午後6時まで少し時間があったので、大浴場に行ってみることにした。大浴場は部屋(渓山館)から近く便利でしたね。
 浴室の中は、こちらも貸切風呂に負けず劣らず硫黄臭が充満していました。そして大き目の白い浴槽(貸切風呂と同様に檜風呂らしいですが、炭酸カルシウムでコーティングされています)には、濃い白濁湯が満たされていました。この白濁湯のイメージが、かの有名な温泉偽装事件を招いてしまった訳ですが、やはり白骨温泉の白濁湯には魅せられてしまいます。


 浸かって湯を観察すると、硫黄臭はしっかりと残っていましたが、味の方は炭酸味がほとんど消え失せていて、硫黄・苦・渋味も貸切風呂に比べれば薄くなっていました。これは浴槽が広いので、末端付近ではだいぶ湯が劣化していたということでしょうが、だからといって浴感が損なわれたというほどではなく、若干のツルスベ感も加わり、湯が熟成された、というような感じを与える湯でした。湯の温度は貸切風呂より若干熱い程度で42℃くらい。長湯とまではいかないまでも、じっくりと浸かっていられます。加水、加温せずにこの温度というのは奇跡と言っていいくらいです。


 内湯で体が温まったところで、次は露天風呂へ。露天風呂へは長い渡り廊下を裸で歩いていくことになりますが、外は吹雪で気温は氷点下だから、とにかく寒かった。そして浴槽脇は雪が積もっていて足も冷たいし…。露天風呂に辿り着くと湯加減をみることなく滑り込みました。ありがたいたいことに、湯温は不感温帯より少し高いくらいの温め(38~39℃くらい)だったのでほっとしました。
 露天風呂は岩風呂ですが、縁には白い炭酸カルシウムが析出し張り出してきていて、大分形が変わってしまっていました。湯の色は青味がかった白濁で、貸切風呂や大浴場内湯に比べれば濁りが薄く見えましたが、これは湯を抜いて掃除した直後だったからのようです。部屋にはわざわざ当日湯を入れ替えた浴槽が分かるよう紙が置いてありました。「白くない!」という苦情が来ないように予防線を張っているのでしょうね。


 香り&味は大浴場内湯と同等か少し薄くした感じ。ツルスベ感は内湯同様若干感じられました。浴感は内湯の方が良かったですが、何しろこちらはずっと浸かっていられる温度であったので、20分くらい浸かったままで過ごしました(外に出ると寒いので出るに出られなかったというのもありますが…)。ただ夕食の時間が迫っていたので、この回の入浴は早めに切り上げました。
 
 次の入浴は午前0時。普通の旅館だったら独泉できる時間帯のはずなのですが、さすがは大型旅館、先客が2人いました。話の内容から大学生のようでしたが、露天風呂で1時間近く浸かりながらずっとしゃべっていました。私も独泉になるまで待とうと露天風呂に浸かっていたのだけれど、おしゃべりが終わりそうもなかったので諦めて退散。一方内湯は誰もいなかったので、こちらでは至福の時間を過ごすことができました。

 最後の入浴は朝食後の午前8時30分。意外にもこの時間帯は空いていて誰もいませんでした。朝食が午前7時30分と午前8時だったので、朝食を食べている人が多かったからかも知れません。ただチェックアウトも控えていたので、長居はせずさらっと入るだけにしました。露天風呂は湯の入替から時間が経過したことで、青味が抜け内湯と同様の白濁になっていました。

 以上のように、新宅旅館滞在中4回入浴することができました。入浴については十分満喫&満足!しかも帰ってからしばらくの間(1週間近く)、体から硫黄臭が抜けませんでした。それだけ濃厚な湯ということですね。今までも日帰りで白骨の湯は入浴していましたが、宿泊してじっくりと浸かってみると、やはり最高レベルの湯であることが再確認できました。またすぐにでも入りに行きたいと思わせる湯です。

 そして温泉以外の部分に関しても、さすがハイクラスということで、食事は美味しかったし、接客も丁寧。食事会場は小宴会場を貸切であてがってくれたのは大感謝です。ただ一つ欠点を挙げるとすれば、部屋は綺麗ですが普通の10畳だし、食事も豪華ではないという中で、1泊2食付き大人1名22,000円というのはちょっとお高い感じ(今回は割引で安く泊まれましたが)。まあ温泉の良さに価値を見出せば、これくらい払ってもいいかなという気はします。貸切風呂の「こなし」には入っておらず宿題として残ったので、是非機会があればまた訪れたいですね。

人気ブログランキングへ にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿