寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

7冊のカラーブックス171~177まで。

2005年07月05日 06時36分56秒 | カラーブックス
【7冊のカラーブックス】 今週は171番から177番まで掲載します。

171番【人形劇入門】南江治郎/初版44年5月1日
172 【日本で味わえる世界の味】保育社編集部偏/初版44年5月1日
173 【北陸能登~歴史と文学の旅】駒敏郎/初版44年6月1日
174 【海辺の動物】鈴木克美/初版44年6月1日
175 【刀剣】小笠原信夫/初版44年7月1日
176 【ドライフラワー】ヤスダヨリコ/初版44年7月1日
177 【染色入門】佐野猛夫/初版44年8月1日


今夜は2冊ご紹介します。

171番【人形劇入門】は人気のナンバーです。皆さんご存知でしょうか。糸あやつり人形のことをマリオネットと言います。指人形はギニョオルです。指人形から発展した手袋人形はブラッティニー(セサミストリートでよく出てきますね)、棒で下からあやつる人形はロッドパペットと呼びます。さらには平形の影画人形など、東南アジアに広く分布している地域独特の人形もあります。本冊では単体としての人形を観賞するというよりはむしろ人形に人の手を使い、あやつることで表現をする、舞台の上で人と人形が織り成す一心同体の技の妙を楽しく解説しています。そもそも人形劇の歴史は古く、世界の各地で3000年以上も昔から演じ、続けれているそうです。カラーブックスで人形を取り上げるのも、37番【世界の人形】、49番【日本の人形】に次いで今回で3度目となりました。ここでちょっと脱線しますが、今夜、カラーブックスは昭和44年をお話ししています。ビニルカバーもすっかり、顔として定着しました。しかし時は下って平成3年、【808番】をもって突如、往年の紙カバー巻きに仕様変更されます(昔の紙カバーと比べると、薄っぺらい感じでとても残念です)。話の核心はここからなのですが・・、今、手の平にもう一冊の同じナンバー【171番】があります。この本は平成11年の重版本で、奥付けにこう記してあります。 『*この本は初版発行以来かなりの年数が経過し、状況の変化が多々みられますが、ご要望にお応えして敢えてそのままのかたちで重版させて頂きました。*』 ビニルカバーこそ巻いてありませんが、往年の懐かしい姿を復刻した限定版の1冊なのです。こんなところにも人気ナンバーを垣間見ることが出来ます。あやつる人形に手の温もりを通して感情を吹き込む、すると演じている人形から我が身が透かして見えてくる。大人もこどもも素直な自分に出遭える空間、それが人形劇を観賞する面白さ。もう虜になってしまいます。世知辛い現代を生きるこどもたちの心に届けたいナンバーです。

172番【日本で味わえる世界の味】にして、いよいよ保育社編集部が前面に出てきました。総力をあげて東京・横浜・大阪・神戸他の、国内で本場の味が堪能できる、世界の味処を一挙紹介しています。私はこのナンバーを手にするたび今でも自責の思いが浮かんでなりません。それは20数年前、貧乏学生だったころ、『美食学』 の講義をされた塩田正志先生が幾度も幾度も、銀座のソニービルへ行こうよと、世間知らず私たちを20000円のマキシムドパリ・フルコースディナーへ誘うのでした。しかし、逆さに振っても鼻血?も出ないその日暮らしの私には目が飛び出るくらいの金額で高根の花、ついに涙を飲んだのです。本冊ではマキシムがフランス料理の代表で一番最初(2ページ)に出ています。右のポケットに172番 左のポケットに126番【テーブルマナー】を忍ばせれば、もう鬼に金棒ですね。