寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

古本買い取りちょっと見合わせようかとー。

2009年03月30日 16時28分08秒 | 買い取りと配達の現場から
代替わりをすればいずれは処分される本たち。
行き場のない15年戦争の古本370冊を引き取った。




書庫は満杯、母屋の二階の寝室に新聞紙を敷いて年季の入った本たちを広げる。そろそろ古本買い取りも一時休止にしないと、置き場がなくて寝る場所まで侵食されそうだ。精一杯の値をつけても殆どただ同然、現物査定をご案内すれば丁寧なるお礼メールを頂戴した。梱包と発送の手間を思えば心が痛む。でも慈善事業では飯は食えぬ。今日、またひとつ商売の厳しさを知る。東京のTさん、お世話になりました、古書買い取りお声掛けを頂き有難うございます。

古本買い取りそろそろ置き場なし

2009年03月25日 11時23分06秒 | 買い取りと配達の現場から
商店街に店を構える同級生のS君から電話が入る。
乾物屋の増田屋さんが店を畳んで家財道具、蔵書古本の類を処分をしているから掘り出し物があるかもしれないという。取るものも取り敢えず駆けつければ、『どうぞご自由にお持ち下さい』とのこと。ならばと店先に並べてある蔵書の中から両手で抱えられる限界、約20冊ほどの古本を貰う。





画像は昨年末、師走22日の商店街メイン通り風景。
郊外のショッピングセンターへ人は流れて往時の賑わいを取り戻せない。増田屋名物お品書きもこれで見納め。次代へ残しておきたい老舗がまたひとつ姿を消した。

大晦日に届いた古書買い取り。

2008年12月31日 22時17分03秒 | 買い取りと配達の現場から
大晦日の夜は更ける。
こどもたちはまだ寝ずに騒いでいる。
今朝届いたダンボールを今頃開けて、本年最後の買い取り査定。

ふと、おもちゃコレクター北原照久さんの新聞記事を思い出した。
モノはそれをほんとうにほしいと思う人の許に集まってくる・・・
この数ヶ月の買い取り古書を見ると思い当たるフシはある。

さて、明日から新しい一年が始まる。
自分の中のスイッチを今夜リセットしてまた来年もガンバロウ。

寅の子文庫は1月6日より発送業務開始します。
2009年という一年がどうか平安無事でありますように。
其々に温かなお正月をお迎えください。


◎山川出版社/新全国歴史散歩シリーズ全57冊揃いはどれも並の上。

行き場のない15年戦争の雑誌たち、買い取りします。

2008年09月04日 21時27分10秒 | 買い取りと配達の現場から
夕方から1件の買い取り。
20分ほど走って箱根西麓に広がる新興住宅地へ。



高架は建設中の東駿河湾環状道路。
陽射しが傾くと山野はすっかり秋の気配に変わる。
最後の蝉が遠くで鳴いている。


事前の査定とおりで買い取り成立。
15年戦争の古い雑誌は主の居ない家の中では置き場所に困る。
ページをめくれば目を覆いたくなるような無残な写真が随所に出ている。
しかしこんな本たちを寅の子文庫はメインで扱っている。

アイスクラッシャー毎日フル回転使用中。

2008年08月13日 09時40分37秒 | 買い取りと配達の現場から
友人のNさんから電話あり。大掃除してるから空箱持参で来るようにと。


待ってましたとばかり駆けつけると実用経済書・文庫本小説など200冊。いつもならブックオフ行きだよと、ぶっきらぼうな物言いにも口元が綻んでいる、よしガンバロウとまたチカラが湧いてくる。


帰りがけにコレあげるよと頂戴した未使用・不用品のアイスクラッシャー。悪いけど、埋立ゴミの日に一緒に出そうとしたらどうしてどうして結構使える。鉛筆削りの王様のような図体でハンドルをクルクル回すだけ。皮肉にも今日一番の収穫?いきなり暑さ対策の救世主となりそう。

ファックス注文、メール注文

2008年06月09日 15時48分40秒 | 買い取りと配達の現場から
日曜の朝、早い時間に電話が鳴る。


こんな時間に何の間違い電話かと思えばファックスで注文。
余白に請求金額と明日発送予定を書いて送り返せば
計ったようにちょうど1時間経って了解のファックスが届いた。
キャッチボールのように気持ちが行ったり来たり。
メールをお使いにならなくても全然大丈夫。
大阪のFさん、今日代引きで送りました。



東京のDさんからはメール便到着とお振込みのご連絡を頂く。
すぐ返信で御礼申し上げるがfailure noticeで舞い戻ってくる。
Dさんにはご注文確認メールも発送済みのメールも届かなかった。
仰々しいのでお電話は差し控えて発送していただけに
返信でお礼メールが届かないとは残念、
この場を借りて有難うございました。
今後ともご贔屓のほどよろしくお願い申し上げます。

オンライン古書店2008年6月6日

2008年06月08日 04時01分44秒 | 買い取りと配達の現場から
文庫本の注文を受けるとカバーにパラフィン紙を巻くのを日課にしている。


今日は朝一から黙々とこの作業を続ける。
パラフィン紙はいつも沼津市にある総合事務用品の、フヂイで買う。
1枚25円でサイズは762×1016mm、新聞紙1枚よりはるかに大きい。
予め文庫サイズ用に裁断しておけばすぐに巻ける。


文庫本6冊ずつを新聞紙で型崩れしないように厳重梱包する。
中身がすぐ分かるように商品ラベルも貼付。


6冊をひと括りにして全部で27個できた。


1個ずつビニール袋に入れて水濡れ対策済み。
ゆうパック120サイズで重量28Kg、
制限いっぱいの30Kgになんとか収まり、久し振りの大口注文も発送準備完了。


午後3半、郵便局に出掛けようとしたらコテツが汗びっしょりで帰ってきた。
重たいランドセルを背負って一所懸命がんばっている、
父さんも頑張らねばー・・・毎日の新着アップはなんとしても肝要。
傍目で呑気に見えても、いつも背水の陣を敷いている(つもり)

古本寅の子文庫は開店から3年半経った。
星の数ほどあったオンライン古書店も今、盛りを過ぎて淘汰の時。コツコツ積み上げてきた独自路線も時代の趨勢に押されて・・・近日中、模様替えします。

連日の買い取りとウイルスバスター2008

2008年03月07日 04時18分15秒 | 買い取りと配達の現場から
日中、いつもお世話になっているTさん宅へ古書を引き取りに伺う。
部屋に上がりパソコンのディスクトップ画面を覘くとウイルスバスターが2006年版のままになっている。バージョンアップは簡単だからとダウンロードすると非常に重い、いつまで経ってもアップデートが終わらない。パソコン本体のメインメモリーを確認すると256MHzのままで明らかにパワー不足。2008年版はWindowsのXP-SP2では512MHz以上を推奨しているので無理もない。仕方ないので元の2006年版に戻そうとすると今度は既にサポートが打ち切られていて立ち往生・・・さあ困った、引いてもダメならもう一度押してみな!!!お金はかかるがメモリー(RAMサブボード)を増設してみるか。すぐにTさんを助手席に乗せてOAのナガシマ(ZOA)へ直行、512MHzを1枚購入してもらい、取って返してセッティング完了。それにしても冷汗をかいたかいた。コテツを拾って帰宅する頃にはとうに陽は落ちていた。夕食後、恐る恐る電話をかけてみればメモリー増設の恩恵ありとの明るい声に安堵。さて、肝心の本の引き取りはといえば・・・一体どんな本を引き揚げてきたのやら、うわの空ー。


ウチのパソコンも先月、ウイルスバスター2008年版にバージョンアップしてから動きが軽くなった。2007年版では1時間半かかったウイルス検索も今では1時間強で済む。今回もお節介機能の「迷惑メールフォルダ」はすぐにフリーズを起こすので使わないほうが無難、見慣れていたメールの先頭についていた[MEIWAKU]の文字がなくなったのでちょっと物足りないような気がしないでもないがー。

現物査定は軽トラックの荷台で。

2008年03月06日 07時47分24秒 | 買い取りと配達の現場から
書庫もそろそろ満杯に近い、仕分け作業のスペースが確保できなくなった。
買い取りの現物査定は空模様次第で軽トラックの荷台を使う。


最近、宝塚歌劇の買い取りが続いている。未だに「歌劇」の1983年~1998年の2頁しか本棚がない。同じ宝塚でもいろいろバリエーションを広げたいのだが、あいにく仕事に優先順位をつけるとなると、正直そこまで手が回らない。

◎「歌劇」の売値を全て1冊180円と均一に戻した(08/3/6)

サンテラス駿東あと4日で閉店(2月11日まで)

2008年02月08日 07時13分48秒 | 買い取りと配達の現場から
ユニーのサンテラス駿東(すんとう)が2月11日で閉店してしまう。
日中、何か掘り出し物はないかと出かけてみれば衣料雑貨日用品のなんと安いこと。30~50%OFFは当たり前で平日の日中にも拘わらず売場はどこもかしこも押すな押すなの大盛況。3階こども図書館コーナーあたりを開放して閉店撤去に伴う陳列棚やショーケースの二束三文投売りが目を引く。ちょうど買い取りした古書整理に使えそうな頑丈な棚を1台1,000円の値札を見て即購入。


オール鉄製なので重くて動かない、店の人に手伝って貰い3階屋上に軽トラを回して搬出した。


寸法は90×165×138(高さ)センチ、これなら重い全集でも大丈夫?


一度、書庫に溜まった手付かずの買い取り本を全て母屋に移動。(力持ちの)母さんと二人掛かりで運び入れる。


書庫の真ん中に置いて棚の外周を50センチ空けた。これなら360度どの位置からも本の出し入れができ効率よさそう。さあ、眠っていた本の新着UPを急がないとー。

《追記》 2/9


本棚には8箇所足が付いていてネジの調節で水平を出せるようにしてあった。ホームセンターで4寸角の端切材を買ってきて各足の下に敷いた。これで本棚と床の間にスペースが12センチ(4寸)プラス足高4センチで16センチ確保できた。動きの悪い全集モノはここに寝かせることになる。

今年初の古書出張買い取りは熱海市まで。

2008年01月25日 17時44分58秒 | 買い取りと配達の現場から

今年初めての古本出張買い取りは片道1時間のドライブで熱海市まで。前日の道路交通情報では積雪のため県道20号線(熱函道路=ねっかんどうろ)は熱海峠付近でチェーン規制を敷いていたが一夜明けて低気圧は去り風は冷たいものの天気快晴、万一に備えて購入したタイヤチャーンは取り越し苦労となった。



待ち合わせの時間より30分早く1時現着。空家になったマンションに残された故人所縁の全蔵書を処分したいとのお話は軽トラック1台分(積載350kgまで)では到底積みきれぬ。パート帰りの母さんの車に応援を頼もうかとも考えたがチャイルドシートに赤ん坊を乗せているので土台無理。また暮れに続いた買い取りで倉庫はパンク寸前。事情を話して本棚から荷台1台分に絞ることで了解を得た。後に日をあらためてもう一回戦というお誘いは勘弁して貰う。査定で2時間、台車に目一杯を3回運んで1時間、もう陽は西に傾いていた。



運転席はズシリと沈み、帰りの峠越えはノロノロ運転。50kmの法定速度を守ったので?後続車両に行列ができてしまった。路肩で小休止して後ろの車に道をあけた。昨日の雪がまだちらほらと名残を見せている。



反対車線に目を遣れば丹那盆地の向こうに愛鷹山塊と霊峰富士が見える。路面が滑る前に山を下らないとー。



午後6時無事帰還。走行距離往復で60キロ。荷台の帆布シートはもう夜露で濡れている。母さんが鰻を焼いて待っててくれた。さあ倉庫へ運び入れるまでもうひと踏ん張り、今日やる仕事を明日に延ばさない!



一年半前に建てた7畳半の倉庫は既に足の踏み場もないほど。分類整理と新着UPを怠るな。

一期一会の思いで誠心誠意、買い取りに向き合う。
ニ往復できずすみません、
つい余計な話をして長居をしました。
横浜から遠路立会いに来てくださったUさん、
ほんとうに有難うございました。

馬一呵さんのこと。

2007年06月28日 07時45分36秒 | 買い取りと配達の現場から
一昨年の7月23日、子ども会の夏祭りの日の午後
車で20分ばかり走る三島市のお宅から古書買い取りの依頼を受けた。
すぐに伺えば、お金は要らないからと、
日本文学全集と現代世界美術全集を車一杯お譲りくださった。

依頼主は栗田公明さんと言い、エスペラント語の先生だった。
栗田さんは「馬一呵」(ま、いっか)という俳号をお持ちになり
ご自身のホームページで俳句日記を綴られておられた。
それによれば、病気療養中の奥様を自宅介護するための準備で
古書の処分も家財整理のひとコマであったかように思われた。
それら一連の全集は後日、買い手がついて今はもうない。

普段、俳句には縁遠いが、私は「寅の子文庫のアンテナ」にこの日記を載せた。
それからもう2年になろうとしている。来月にはまた夏祭りが巡ってくる。
そして今朝、新聞配達に出る前のお気に入りのチェックで、奥様の死を知った。
霊山へ旅立たれたのは一昨日、6月26日のことで昨夜は通夜の記事が出ていた。

私は後にも先にも、馬一呵さんには唯一度しかお会いしたことがない。
しかしこの俳句日記を読みながら、人生の山坂を夫婦ともに手を携えながら
登り歩いて行かれたその後姿に親しみを覚え、学ぶことは多い。

今日も昨日も買い取りのダンボール箱が届く。
送られてきた本にもその背後にはさまざまなドラマがあるー。
これからも馬一呵さんの俳句日記を静かな心で拝したい。


6月28日朝5時、三島の空を望んで。


《紹介したいサイト》
栗田公明のホームページ

《サイト内関連記事》
片付けて涼風すいと通しけり~馬一呵さんありがとうございました(05/8/11)

往き場なき百科事典を引き取る~ジャポニカ/昭和49年

2006年11月27日 22時06分53秒 | 買い取りと配達の現場から

(デジカメを忘れた、)保育園のおゆうぎ会も無事?終了。
皆でお昼のテーブルを囲んでいるとご近所のWさんがひょっこり。
何でも町内で隣りのへご引越しなさるそうで、
要らない本を処分しようと思ったら『寅の子文庫』が浮かんだとか!
いやなんとも有難い(捨てるだなんて勿体無い)

そんなワケで命拾いした本たち、
【ジャポニカ大百科事典全23巻/小学館/昭和49年再版】
百科事典は日本文学全集と共に1・2を争う厄介モノ!?
でもウチでは店主の頭の体操と雑学吸収のためにこれ以上の読み物はない。
往時の世相文化が手に取るように分かってことのほか興味深いのだ。
中に1冊、ジャポニカ時事百科1974(ドキュメント1973年)という事典があった。

1973年~時は田中内閣、幼心にテレビで見た大洋デパートの大惨事がまだ記憶の底でくすぶっている。異常な物価上昇に政治が振り回された1年でもあった。トイレットペーパーが店先から一斉に消えたオイルショックは海の向こう、遠く中東戦争に端を発している。その中東では常勝イスラエルにアラブ諸国が結束して善戦(第4次中東戦争)、幾多の障害を乗り越えてようやく中東和平会議の席に辿りついた。一方、泥沼のインドシナではアメリカ軍の南ベトナム撤退が完了し、翌1974年ベトナム戦争は終結をみる。一体何のための戦争だったか。今なお枯葉剤の後遺症に苦しみ、残忍な対人地雷の除去は進まず犠牲者は後を絶たない。30年経った今日、アメリカはイラクでまた同じ轍を踏んだ。

芸能スポーツでは輪島が横綱に昇進し巨人はV9達成、江川卓が夏の甲子園で銚子商に延長12回、サヨナラ押し出しで負けた。お茶の間では家族全員がアグネスチャンの『草原の輝き』を歌い、店主は東京ボンバーズの佐々木ヨーコに夢中だった~当時買って貰った鉄のローラースケートは今も物置で深い眠りから覚めやらず。


今は立派に社会へ巣立っていった3人の子供さんたち。
その成長を温かく見届けてくれた分厚いジャポニカ。
売れるかどうかわからないけど、しばらくは骨休み、
どうぞウチの本棚でゆっくりしていってください。

古書買い取りして思う(6)~文学全集の販路いかに。

2006年11月04日 07時39分25秒 | 買い取りと配達の現場から
本棚の重鎮、日本文学全集。
函から取り出してみればどれも読んだ形跡なし。
読みはしないが棚にズラリ並べて眺めるための本は存在する。


ブックオフで断られたからゴミに出すしかないと言うので、
そんな勿体無いと、@10円X40冊=400円で引き揚げてきたものの
さてウチでもどうやって売ろうかー。


古書買い取りして思う(5)~書庫にて

2006年10月02日 06時40分52秒 | 買い取りと配達の現場から
新しく書庫を構えてから買い取り依頼が続いている。
嬉しいけれど、売り上げ金がそのまま買い取り資金にスライドしていく。昨日、大坂から大判函入りで【日本古寺美術全集全25巻】がダンボール4箱に分けて着払いで届いた~運賃だけで5,000円支払う。これまで美術大判(超ワイド判)豪華本はただでさえ重いうえに、かざばるので扱うことはなかった。このセットも揃いの市場価格が数万円単位と高値ゆえ、とてもウチの土俵では勝負にならぬシロモノで、当然辞退申し上げるつもりで提示した安値に手を打たれ、たちまち買い取り成立となった。梱包を解いでみれば、函入り帯び付きで状態の良さに目を見張る。パラパラとページをめくると国宝・重要文化財といわれる、『御ほとけ』たちの表情が豊か。カラーブックスやトンボの本、一般サイズのそれと見比べても目に飛び込んでくる迫力が格段に違う、あたかもその場所にいて対象物と向き合っているかのような感覚になる。さすがは出版社の顔~美術豪華本は超ワイド判に限る。たとえ売れなくても揃いのセットをひとつぐらい置いておけば店のイメージアップにもなるだろうし、良い買い取りとなった。
バアバが査定の現場を見に来て、どういうお人が持っていたのかねぇと言う。(こんなに大きくては、)庶民の住宅事情にはどう考えても向いていないのだ。ウチの本棚にも大判の枠はなく、当分の間は隅に、ツン読しかなさそうだ。


東大阪のIさん、大切な本たちお譲りくださりありがとうございました。