バアバの話によれば、
朝7時半に来る猫がもう10日も姿を見せないそうです。
毎日通い猫になってからは、名前も新たにクロちゃんと付けた矢先の事。
我が物顔で家中を物色し、シロちゃんの箱でお昼ねをして夕方、本宅へ帰ります。
そんな規則正しい生活が3ヶ月続いて、パタリと消息がなくなりました。
ウチ中で心配になって、昨日、本宅のGさんへ事情を伺いに行けば
6月16日夜半、雨の中をいつも通り2階のベランダから出て行ったまま戻らず
方々手を尽くしてみたが行方知れず、家出をする動機も見当たらないので、
何か事件に巻き込まれたのかもしれないとのことでした。
ウチのシロちゃんにしても、
あれだけ熱心だった夜中のミーティングに今は知らん顔。
どうも隣組ご近所の猫たちは何か様子がおかしいようです。
アメリカンに始まり
一連の猫たち、についての話はこれでピリオド?
クロちゃんとアメリカンには最初から3ヶ月間だけの契約があったのでしょうか。
そしてウチのシロちゃんはクロちゃんの行き先を訊いているのでしょうか。
物語はハッピーエンドではなく、またいつか、この続きを書くかも知れませんが、
こんな話は巷に掃いて捨てるようにあるものだと思うし
しかし、他愛無いような飼い猫との応酬も
当事者にしてみれば掛け替えの無い日常生活のひとコマであり、
我が家の猫にまつわる話が
現代民話考、の名も無き話の末端に埋もれながら
バアバの心から出て、私たちやちいさなこどもまで虜にしながら、
この先、たまには思い出して温かく語り継いでいけたらそれで本望です。
民話とは斯くも瞬間にして、こう云う形で生まれるものかと教わりました。
最後に、このさき我が家に伝わるであろうささやかな物語の猫たちを代表してー、
本名=トラ(通い猫名=クロちゃん)雄12歳
2006年6月17日消息不明