育児な手帖さんちは子育ての良いお手本がいっぱい。
いつもちょっと咀嚼して毎日の暮らしを楽しくしています。おや、mytechさんはまた何か始めるみたいですね。SUS管(サスカン)にUボルトやナットを買ってきて、ピタゴラスイッチでも工作するのかなぁ・・・という訳でネジのミニミニ講座、ちょっとだけお付き合いください。
そもそもネジも人間と同じで・・・
ボルトが雄ネジ(おねじ)でナットが雌ネジ(めねじ)。良いネジ同士はボルトとナットのハメ具合がイイ感じに締まっていますが、悪いネジ同士では遊びが大きく(公差が許容範囲を超えている)ちょっとガタガタするようでシックリいきません。お父さんたちの道具箱には大抵使い古したネジやナットが入っていますね、私たちが暮らしの中で使うネジと言えば殆ど全て「メートルネジ=ミリネジ」で、ISO(イソ規格=世界標準)ネジと呼んでいます。今では何処のホームセンターへ行っても必ずネジの売り場がありますが、ネジの正札を見ると寸法M8とかM10という表示をしています。この「M」はネジの直径を表してM8は8ミリ、M10では10ミリのネジです。呼びかたもM8は「エムハチ」、M10は「エムトオ」と呼び、ちょうど若い人たちがギターのことをを『ギタァー↑』と発音するように語尾を吊り上げます。またネジには同じ直径でもネジ山(ギザギザ)の間隔の広いネジと狭いネジがあって一般にふつう使うのは広いほうの「並目」(なみめ)ネジです。しかし並目のボルトやナットには特に「並目」とは表示してありません。反対にネジ山の間隔の狭いものは「細目」(さいめ)と呼び、地域によっては、「ほそめ」と呼んだりもしています。細目にはM8X1(ピッチ1ミリという意味)とかM10X1,25(ピッチ1,25ミリ)というふうにピッチの表示をしていますがホームセンターではふつう細目のネジまでは置いていないようです。
次にメートルネジ(ミリネジ)以外の代表的なネジでは「インチネジ」があり、イギリス生まれのウィットネジ(並目)とアメリカで改良されたISO規格のユニファイネジ(並目・細目)があります。【ウィットの並目ネジ】はもう40年ほど昔にJIS(日本工業規格)から外されてしまいましたが今でも建築業界や昔の工作機械のメンテナンス、また水道関係など設備屋さんの業界では根強く使われているようです。ウィットネジの特徴はネジ山の角度が55度で、メートルネジ(ミリネジ)やユニファイネジの60度と異なり、サイズの前にWと書いてW1/2とかW1”1/8のように表示します。インチサイズのネジの基本は1インチ=25,4ミリを8で割って呼んでいます。では大きさを順に書いてみます↓
W1/8(一分=いちぶ)~ミリ換算3,175、1インチのネジ山数~20山
W5/32(さんにのご)~考え方は1,25/8~ミリ換算3,969
W3/16(一分五厘=いちぶごりん)考え方は1,5/8~換算4,763ミリ
W1/4(二分=にぶ)考え方2/8、換算6,35ミリ
W5/16(二分五厘=にぶごりん)考え方2,5/8、換算7,938、18山
W3/8(三分=さんぶ)換算9,525、16山
W1/2(四分=よんぶ)考え方4/8、換算12,7(隼の機関銃口径)12山
W5/8(五分=ごぶ)換算15,875、11山
W3/4(六分=ろくぶ)考え方6/8、換算19,05、10山
W7/8(七分=ななぶ)換算22,225、9山
W1”(いんち)換算25,4ミリ、8山
W1”1/8(いんちいちぶ)換算28,575、7山
以下同じように続く・・・
考え方としては、1”(1インチ)は25,4ミリで÷8(八等分)して3,175ミリ、これが1/8で一分(いちぶ)←これを基本とします。2/8は二分(にぶ)ですが1/4で表示できます。5/32(さんにのご)も5/32=1,25/8となり一分二厘五耗(いちぶにりんごもう)となります。ネジ山数とは1インチ(25,4ミリ)の中にネジ山(ギザギザ)が幾つあるか(何山あるか)を示しています。
【ユニファイネジ】はアメリカネジとも言い、これもISO規格です。アメリカは大国の意地というか世の中のことは何でも自分たちで仕切りたいんでしょうか~メートルネジ(ミリネジ)という世界標準に未だ頑なに抵抗しているという感じがしてなりません。種類は並目(UNC)と細目(UNF)があり、細目(UNF)は振動による緩みに強いため自動産業や航空業界ではさかんに使用されています。いわゆる『アメ車』はユニファイの細目(UNF)を使っているんですね、それを知らない自称ヤンキーなお兄さんたちはメンテナンスにホームセンターで新品のメートルネジを間違って買ってきて、しきりに『このネジおかしいんじゃないの?』って、はまらない原因をネジのせいにしている姿をたまに見かけることもあります~同じ直径でもピッチが違うのではまらないのです・・・。ユニファイの表示は並目・細目それぞれにUNF、UNCと、25,4ミリにおけるネジの山数を書き加えます。
ユニファイ並目(UNC)の場合
1/4-20UNC、読み方は1/4インチ20ヤマユーエヌシー(1インチにつき山数20)
5/16-18UNC
3/8-16UNC
7/16-14UNC
1/2-13UNC
など以下続く
ウィットではいちぶ・にぶ・さんぶと読みましたがユニファイではそのまま1/8(はちぶんのいち)1/4(よんぶんのいち)と分数で読みます。
ユニファイ細目(UNF)では、
1/4-28UNF、読み方は1/4インチ28ヤマユーエヌエフ、
5/16-24UNF
3/8-24UNF
7/16-20UNF
1/2-20UNF
など・・・
同じ1/4のサイズでも並目と細目では山数がかなり違います。当然メートルネジにも並目と細目がありますが、中には極細目(ごくさいめ)というのもあります。インチねじでは1インチ(25,4ミリ)の中に何山あるかを言いますがメートルネジ(ミリネジ)ではピッチ1,5(ミリ)とか1,75(ミリ)と言います。参考までに、M8のピッチ(P)は1,25で、表示は8X1,25となります。それではメートルネジの並目と細目のピッチの差を比較してみます。
並目の場合、
5X0,8(ミリ)~読み方はエムゴのピッチコンマハチ
6X1
8x1,25
10X1,5
12X1,75~エムジュウニのピッチイッテンナナゴウ
16X2
など
細目では、
5X0,5(ミリ)~エムゴのピッチコンマゴ
6X0,75
8X1
10X1,25
12X1,25
16X1,5
など
最後にネジの等級(ネジの精度の分類)を簡単に説明します。一般に機械の組み立てなどに使うネジは全て2級、3級はもう少しアバウトで2級より公差が大きく主に建築用などで使われています。1級は航空機や月ロケットなど精密さを要するネジで間違ってもホームセンターでは売っていません。まだまだ材質や強度区分、表面処理等々奥は更に深いのですが・・・
ホームセンターのネジ売り場でさりげなく、『1/4インチ-28山UNF1本くださいっ』て言ったら思わず店員さんも背中がピンと張ってしまうかもしれません。ではカンタンですがお父さんのためのネジのミニミニ講座、この辺でお開きです。