智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

パラオ旅行ーレストランにて

2017年03月13日 | 海外旅行
ロイヤル・リゾートのメインダイニングで朝食2回、夕食二回とると、さすがに飽きました。

天気もあいにくで、夫はむっつりと不機嫌です。

食事を終え、夫に 「先に部屋に戻っていて。私はピアノを聞いていく。」

私は、懐かしの歌謡曲をピアノで弾き歌う、初老のパラオの男性の演奏に耳を傾けていました。

他にも客はいますが、皆、おしゃべりに夢中で、食事を終えて席を立ち去ります。


しばらくして、一人で珈琲を飲んでいる私と、どこの国の人かはわかりませんが、6人連れ客しかフロアーにおらず、

遠くでピアノニストの彼が、唯一の聞き手である私を見ながら歌います。

そろそろ引き上げようと席を立ち、ピアニストに挨拶して引き上げようとしたら、

ピアニストさんが「日本の方ですか?私は、鹿児島のホテルで、バンドのメンバーで〇年間いました。

この歌、知っていますか?ご一緒に。」と促され、

私も、周囲には客もいないので、私の声で迷惑にはならないだろう、と考えて、一緒に歌うことにしました。

「天使たちのララバイ」「恋に落ちて」「北酒場」「酒よ」など、かってのヒットソングですね。


すると、6人連れの客の一人が、にこにこしてこちらに向います。素敵なロマンスグレーの紳士で目があいましたので、

「私の声が、お邪魔になっていませんか?」と挨拶しますと、

「とんでもない。どうぞ、どうぞ。」とにこやかに答えます。そして、「どこから来たの?」と聞かれて「日本です」と答えます。

「あなたは?どちらから?」と問いますと、戸惑った表情を浮かべ、「エイライ」。

今度は私が分からずに言葉に詰まると、ピアニストさんが助け舟を出して「隣の州のエイライ、エイライの知事だよ」

と教えられ、「えっ」と驚きと同時に、あらたまって挨拶すべきかと、とっさに

「先ほどは失礼しました。私の歌声があなた方のお邪魔ではないか、と心配しました。知事は歌はお好きですか?」

「いやいや、私は歌わないのだよ。」「そうですか。それは残念です。」

「日本の観光客?」「どれくらい滞在するの?」と問われ質問に答えると、

「実は、私の母は日本人でね、〇〇という名前なんだよ。」そして、自らのルーツを簡単に紹介してされました。


国籍が一目で見分けられない人々が集まるテーブルでしたので「今日は、お仕事で会食ですか?」と伺うと、

「仕事ではないが、仕事が終わったのでね。副知事や局長、仕事仲間と夕食を食べようということになってね」

なるほど。「私は初めてパラオに来ましたが、美しさに感動して、そして安全に旅行できています。

それは、この地の行政のお蔭だと、知事に感謝します。これからも、どうぞお元気いらしてください。」

と握手頂きました。おっと、「私の手は、冷房ですっかり冷え切って、ごめんなさい。知事の手がとても温かいですね。」

と言葉を添えますと、知事は「良い旅を」と明るい笑顔、素敵な紳士です。


テーブル席の皆様は、パラオ人であることが分かり、しばらくして、知事を先頭に席を立ち、

一人一人、私に明るい、そして静かな威厳のある眼差しを向けて、会釈をしながら、レストランを去っていかれました。

私もピアニストさんに、素敵な時間をありがとう、とお礼を述べて辞しました。


3日目の夜は、半日観光でパラオに慣れて、外出する勇気を得たのか、夫も外食するのに乗り気となりました。

旅行代理店に相談し、「エリライ・レストラン&バー」を紹介され、予約しますと、送迎車が来ます。

日本大使館がある島の小高い丘に立地して、席はベランダの中央、



夕暮れ時、夕焼けが見えます。

初めてなので、3種類のお勧めコースの中から、夫と私は別のコースを選びます。

地元の食材を、外国人の口に合うように調理して、いずれも大変美味です。

夜になると、英語、ロシア語、中国語、ハングル語、いろいろな言語の客でフロアーは満席です。


ジュースや、アイスクリームがもう一度食べたいので、4日目の夜も予約して、

「おいしいから、またきたよ」と、昨日お給仕をしてくれた美人なお姉さんに声かけます。

お姉さんも笑顔で昨日と同じ中央のベランダ席に招き入れ、私も座るの待たずに「今日はね、名物のマングローブガニ食べるわよ。ある?」

お姉さん「すぐに、厨房に行って、大きいの予約してきます!」


昨日はコースメニューにしましたが、今夜はアラカルト。

様々な美味を楽しみながら、やってきました



カニ料理は、無言でもくもく手を動かして、ひたすら食べますね。

マングローブ貝のスープ、地元のとれたての魚、刺身(安全です)、そして最後のココナッツ・アイスクリーム、絶品です~

また、食べたい、何度でも食べたい、そんなお味です。

なんだか、パラオのリピーターになりそうな予感です・・・





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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
南の島々 (めいすい)
2017-03-13 17:06:23
ずいぶん昔の話ですが、私の新婚旅行はタヒチ。また、仕事で2年間小笠原にいました。
美しい海、暖かい気候。豊かな自然。南の島々は、どこも魅力的ですね。
余談ですが、私の名前には「智」という字があります。
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素敵な旅! (かんこ)
2017-03-13 21:47:11
私のコメントで素敵な旅の思い出を台無しにしないか心配ですが、あまりに蟹が美味しそうだったので、思い切って一歩前に出てみました・・・って、意味不明ですね。
蟹も智さんご夫婦も大きく引き伸ばしてじっくりと見てしまいました。
殴り合いのケンカをして痣ができたようなお顔になっていますが、知事さんとの会話を読んだ後だったので、智さんがとても素敵に見えました。
語学が堪能な事も素晴らしいですが、礼儀作法や教育をしっかりと身につけて育ってきたのだな〜と感じました。
記事を楽しみにしています。
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めいすいさんへ (智の庭)
2017-03-14 13:26:16
タヒチですか~素敵ですね・・・
小笠原の自然も、私の未だ見ぬ風景です。
スキューバ・ダイビングのライセンスを国内のどこかで取ろうか?と模索しています。
そして、私の名前にも「智」が入っていて、あとは、シンプルですので、ご想像にお任せします。
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かんこさんへ (智の庭)
2017-03-14 13:36:59
初めてコメントいただきまして、ありがとうございます。
コメントを入れにくいブログなんだろうな~とは自覚していました。
と申しますのも、忙しい友人たちと久しぶりに会って話すると、読んでいない前提で話題を振ると「ブログ読んでるよ~」と返され、所感をいただき、話が発展したりします。
私も、慎重な方で、かんこさんのブログをしばらく読んでから初投稿しましたよ~
それから、語学は堪能ではなく、度胸と好奇心で、つっかえつっかえ、傍で見たら、英語が下手な日本人のおばさんが、よくしゃべるなあ~、というところです。
日本語で文章にすると、スマートに見えるだけです。
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