今、朝日新聞朝刊で、漱石の「こころ」を100年ぶりに連載しており、
毎朝、楽しみにしている読者の一人です。
確か、中学生の頃、夏目漱石の著書に傾倒した時期がありました。
大人になったら、もう一度読んでみよう、と当時思ったものですが、
大人になって、ずいぶん久しいのですが、朝日新聞がきっかけを与えてくれました。
ある日、漱石先生の一文に「うーん」と唸って、早速、夫に音読して聞かせました。
皆様にも、ご紹介申し上げます。
「あなたもご承知でしょう、兄妹の間に恋の成立した例のないのを。」
「始終接触して親しくなり過ぎた男女の間には、恋に必要な刺激の起こる清新な感じが
失われてしまうように考えています。」
「香を嗅ぎ得るのは、香を焚き出した瞬間に限る如く、
酒を味わうのは、酒を飲み始めた刹那にある如く、
恋の衝動にもこういう際どい一点が、時間の上に存在しているとしか思われないのです。
一度平気で其所を通り抜けたら、馴れれば馴れるほど、親しみが増すだけで、
恋の神経はだんだん麻痺して来るだけです。」
「私はどう考えな直しても、この従妹を妻にする気にはなれませんでした。」
私の夫君は、妻である私との距離感、男女の緊張感を大切にするところがあります。
音読後、夫に「あきちゃんが、言っていたことって、このことよね」
夫も「うんうん」と肯いておりました。
「なるほど!」漱石先生ありがとう。先生の名文で、夫の心理が読み解けました。
それにしても、漱石先生、シェークスピアのようですね。
毎朝、楽しみにしている読者の一人です。
確か、中学生の頃、夏目漱石の著書に傾倒した時期がありました。
大人になったら、もう一度読んでみよう、と当時思ったものですが、
大人になって、ずいぶん久しいのですが、朝日新聞がきっかけを与えてくれました。
ある日、漱石先生の一文に「うーん」と唸って、早速、夫に音読して聞かせました。
皆様にも、ご紹介申し上げます。
「あなたもご承知でしょう、兄妹の間に恋の成立した例のないのを。」
「始終接触して親しくなり過ぎた男女の間には、恋に必要な刺激の起こる清新な感じが
失われてしまうように考えています。」
「香を嗅ぎ得るのは、香を焚き出した瞬間に限る如く、
酒を味わうのは、酒を飲み始めた刹那にある如く、
恋の衝動にもこういう際どい一点が、時間の上に存在しているとしか思われないのです。
一度平気で其所を通り抜けたら、馴れれば馴れるほど、親しみが増すだけで、
恋の神経はだんだん麻痺して来るだけです。」
「私はどう考えな直しても、この従妹を妻にする気にはなれませんでした。」
私の夫君は、妻である私との距離感、男女の緊張感を大切にするところがあります。
音読後、夫に「あきちゃんが、言っていたことって、このことよね」
夫も「うんうん」と肯いておりました。
「なるほど!」漱石先生ありがとう。先生の名文で、夫の心理が読み解けました。
それにしても、漱石先生、シェークスピアのようですね。