智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

伍代夏子&香西かおり ジョイント・コンサート2

2017年03月28日 | 読書、観劇、映画
先日は、コンサートの来客について触れましたが、今日は、歌手お二方についての所感を述べます。

伍代さんの方が年上で歌手生活も長いようで、伍代さんから香西さんにジョイントを申し出て8年経つそうです。

舞台では、二人の個性が、際立ちます。


まず、伍代さんは、持ち歌を唄う前に、歌詞の背景や作曲のエピソードを説明しますが、

実に、観客のひとりひとりを見つめ、語りかけます。

間奏曲のときに、舞台手前席、中盤、奥、2階席の観客を、明るい舞台上から暗い客席の人々をよく見えるように手をかざし、視線を確認して、

それから手を振ります。

曲が終わったあと、舞台裾に引き上げるときも、次に反対側から現れる香西さんの方に手を差し伸べて、

「お次どうぞ」と余韻を最後まで残して、静かに消えゆく感じです。

そして、香西さんが歌っている間に、次の曲に合わせて、衣装を変えます。

観客を歌と、衣装と、語りで楽しませようと、心配りが行き届いています。


対して、香西さんは芸能生活30周年を迎えたそうですが、

着物で登場するときも、ドレスで現れる時も、大股で堂々とした歩きっぷりで、

歌い終わって裾にはけるときも、客席に背を向けて「終わった」と、すたすたと立ち去ります。

歌詞の説明するときなども、誰に向って、ということでなく、あらかじめ用意した伝えるべきことを話した感じで、

観客との対話や意思疎通を図るより、独り言のようにみえます。

衣装替えも少なくて、「また同じか・・」と残念に思います。


伍代さんより、香西さんの方が、声量や技量に恵まれていますが、

伍代さんは、歌の世界を心から演じるのが好きで、人々との心の交流を大切にされ、

香西さんは「民謡全集を発表しました」と言われる通り、

袴姿で、スタンドマイクを正面に、民謡を歌うことに、自分の世界に没頭することが、好きなのでは、

そのように思いました。


お二人の持ち歌の世界は、私には、ちょっとなじめない、と感じました。

でも、歌手であるお二人に、それぞれの良さを感じて、好感を抱くことはできました。

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