ジッタン・メモ

ジッタンは子供や孫からの呼び名。
雑読本の読後感、生活の雑感、昭和家庭史などを織り交ぜて、ぼちぼちと書いて見たい。

「2010 暮らし雑感」 難聴体験 3/20~4/27(完)

2010年04月27日 | 2010 暮らし雑感
【難聴 体験記】
3/20
この左耳の閉塞感はなんだろう。
詰まっているような感じがなかなかとれない。
耳垢でもたまっているのかとアーチャン(家内)にみてもらうが、きれいだとのこと。
夕刻、その耳からせせらぎに似た音がする。
人の話が左の耳では時折、合成音のように聞こえる。
昔、社の診療所に耳鼻科があり、その時の閉塞感は耳垢のこびりと わかり機器で吸出しで直ったことがあった。
今回もそれかと、このときは安易に考えていた。
私のカサカサの耳垢はとれにくく、無理にほじると奥に押し込まれ聞きにくい状態になるから、無理にとらず自然に出るのをまかせよというのが時の医師の意見だった。
今回もそれなんだろうと判断

3/21
携帯は左利きなので左でとって左耳で聞く。
ところがはっきりと聞こえず、 むにゃむにゃの相手の声に愕然とする。
右にかえると声はいつも通り明瞭に聞こえる。
その後、左耳では音は合成音だったり、合間にジーンという音が聞こえはじめ、これは耳垢レベルの問題でないと悟り、ネットで症状を調べる。 突発性難聴を疑う。
今までに友達に二人、姪一人がなったやっかいな病名だ。
この手当ては一刻も早いほうがいいことはその経験談から聞いていた。 ところが折り悪く連休中でどこの医院も休み。
救急医療センターで相談し紹介してもらった総合医院にかけると耳鼻科は救急医療には該当しないとテープ音で説明している。
 「休みの日には病気になってはダメ、うっかりすると盥回しにされて、あの世行きだよ」という年寄り仲間の茶のみ話が実感をもって迫ってくる。 まあ、耳でよかったといえるが・・・。

3/23
町の耳鼻科を訪ねる。
花粉症の季節もあってほぼ全員がマスク。
ちいちゃな子たちがゴホン、ゴホンやっている。
1時間待っての診察。
喉、耳内をみたがこれは異常無し。
聴力検査を受ける。
レシーバーを耳にあて、自動的な音の流れの大小を聞き、聞こえたらボタンを押し音が小さくなったらボタンを放すという仕組み。


再び呼び出しがあり、音の周波数・高低がヘルツ、音の強さをデジベルで表しているグラフ を見せられ左右の違いに唖然とする。
右は凸型、左はその凹型の上下グラフで見やすくなっているが、日常の会話領域の谷間があきらかに違う。  
検査のときは、思ったより左も聞こえているのではないかとブザーを押していたのだが、結果は冷たく合理的だ。
医師は突発性難聴と診断し、投薬をすすめた。
この病因を特定するのは難しく、ウイルス、炎症、血流などいろいろあるらしい。
しかもその薬は副作用が強いステロイド系のもので血糖価が高くなったり、骨がもろくなったりの説明を添えてくれた。
週2回のテニスはやらないほうがいいとのこと。
薬を3日飲み、再び聴力検査をしてその後の治療方針を決めようということになった。
やんぬるかな。
昨日読んだネット情報では、突発性は内耳障害なので、補聴器を使えないらしくこれがほんとなら辛いだろう。
帰路の気分はけっしてよいものではなかった。

3/24
以前、幽霊手とか、ハネムーン症候群と呼ばれている橈骨神経麻痺になったことがあり、その時整形外科医では、薬は強すぎるから3ヶ月ほど神経網がのびるのをひたすら待てということだった。
冗談じゃない。箸も鉛筆も持てずに3ヶ月待ってられるか、と思い近くの鍼灸院を尋ねてみたことがある。
そして、一度の針灸治療で劇的に回復したので、今回の突発性難聴の対応でも尋ねてみた。
経絡とかツボとかに多少の知識もあり、西洋医学と東洋医学どちらも捨てがたい。
結果、左肩に異常な張りがあること、首筋にも。
それが突発性難聴の原因とはいえないが、難聴で来る患者の多くに同様の症状がみられることを聞く。
こわばりは血行不良を招く。
どういう風に寝ているかと聞かれたので、左向きでテレビを見ながら睡眠導入の儀式として録り貯めの碁・将棋を見ながら寝ている。
朝、起きると寒いので、布団から腹ばいになり1時間ばかり本を読み、時にメモをとる。
指圧師は、「その腹ばいがよくない。首筋に異様な凝りを生じ血流の流れを妨げる。からだの弱い部分に負の症状がでやすい」
と言った。
もっともな理屈と思う。
40分ほど指圧、温灸、鍼のお世話になった。
天柱、風池など頭の後ろから肩井、肩中癒などの肩から背、耳門、聴会、完骨などの耳周囲だったような感じだった。
突発性はともかく早い手当てが必要ということは東西医療経験者の共通のお見立て。
夕刻、Sさんとお茶。
楽しみにしていた農業仲間との温泉旅行には行けないことを伝える。
会費参加でキャンセルのご猶予を願った。

3/24
歩いて25分の公民館に向う。
部屋で聞こえていたジーンとする耳鳴りが、ウォークではあまり気にならない。
定刻の9:00には30人ほどが顔を揃えて囲碁対局が始まる。
対局中も会話には不自由なく、突発性に気付く人もいない。
本人のほうも碁敵に集中しているからしばし不快音を忘れている。
帰ってからは、またジーン音が出る。
夕刻ビール、酒を少量を飲んでもこれは取れない。
一体、この発生源はどこなのか。
耳からなのか頭なのか、どこから出ているのかがつかめない不思議な感覚。
耳鳴りの音が気になって寝付けず安眠できず。

友人からのメール便
前略    耳の様子、大変ですね。脅すつもりはありませんが、  耳が聞こえなくなる、というのは、脳への刺激も少なくなり、  ボケの始まり、とも言われているようです。    
問題なのは、聴力の低下そのものよりも、人とのコミュニケーション  能力や他のものへの好奇心がなくなること。  
話しかけられても内容がわからない、聞き間違えが多くなり、  受け答えがうまくいかない。
周囲の人も次第に面倒になり、  距離を置いてしまう。
そんな危険がひそんでいるようです。  

心して、コミュニケーションや会話をした方がよいと思います。  
小生の叔父も闘っています。
夫婦二人の隠居生活。
難聴から妻との会話が次第に少なくなり、夫婦で鳴りあうような大声の会話が続きましたが、  1年ほどでボケが急速に進行し、今や福祉施設での暮らしが多くなりました。  
気をつけてくださいね。


この文面は容赦ない。
率直でズバッツと脅かしている。
 「荷物をまとめて田舎に帰れっ!」など新人教育を受けた記者育ちの人に多いシビアな表現と思ったが、アドバイスとしてありがたく受け止めよう。

3/25
お彼岸でいけなかった親類を訪問。
帰路、針灸院に寄る。
40分ほど鍼灸の治療を受ける。
だいぶ柔らかくなったが左肩部、首部のモーレツな凝りがまだあるという。
この圧迫で頚部以上の血流も押えられていないか。
テニスなども、そのあとのバランス運動をしてないと緊張が続くことがある。
 「酒は聴覚神経にはよくないからやめろ。突発性は短期決戦だから、その間は我慢できるのでは」と諭される。
サイゼリアでカミさんのヨガ帰りを待ち合わせ、一人食事。
アルコールゼロのフリーでビール代わりとするが甘くて美味くはない。
夜間頻尿しきり。
耳鳴りで4時間ほどの睡眠。
携帯ラジオのイヤーホーンなどで聞くと左耳はかなり音が聞こえるようにはなってきた。
ただ合成音というのか音楽の残響とか会話が途切れ途切れに耳のなかで繰り返されて聞こえるようなことがあり、いい気分ではない。

3/27
耳鼻科へ。
先に聴力検査。眼をつぶり音の判別に集中。
結果は、かなり聴力を取り戻しているとのこと。
事実、アーチャンとの電話応対はまるで不自由感はない。
耳鼻科医師にも酒について尋ねるが、こちらは意外に鷹揚な答えだった。
 「花見シーズンでの泥酔はよくないが、ほどほどの酒ならば差し支えはない。晩酌もOK」とのことでストレスが少し減る。
投薬の内、ブレドニンの量を1日3回3錠を夕刻だけ1錠となる。
夜、地域の寄合があり、その後、いつものように誘われそうなので事情を言って先に帰る。

3/28
娘がやってきたので、一緒に外出、3人で寿司をつまむ。
農業資材などを求め、車を降りて一人、久々ウォーキング。
土手沿いからいつものように帰る。
黄色いタンポポが咲き出し桜も近い。
外にでているときの耳鳴りはあまり気にならないが、外の音が耳内で反射して人の声のように聞こえるのは不愉快。

3/29

職場の先輩のSさんからのメール。  

突発性難聴と診断されたとか…。お気をつけ下さい。  
対応が早かったようでよかったですが、いまの治療はきっとステロイドでしょう。
服用の量は厳格に指示されますので、ぜひ意志に従って欲しいものと思います。
小生の場合、当初のステロイドに続いて、喉へのブロック注射がまる1か月続きました。
Yさんはいまでも治療の遅れを悔やんでいます。
大兄もぜひ主治医の指示に従った方がいい。
完治に近づくまで、慎重、慎重。
酒はどこにも逃げていかない。  
お大事に。

3/30
耳鼻科へ。
今日は空いていたので1番目の受付となる。
碁仲間のTがやってきたのには驚いた。
彼の場合は蓄膿症関連の治療なのだが実は右耳が難聴気味で体温計のピッという音が聞こえないとのこと。
ほどなく呼ばれ聴力検査へ。
全神経を集中して聞き取る。
結果に、医師は少し驚いた様子で「かなり、回復しています。よかったですね。服用を減らしてみましょう。1週間後に おいでください」とのこと。 聞こえることは不自由がなくなっているが、まだ耳鳴りは消えていない。 でも、気分がよくなってアーチャンと自転車で農園へ。
茗荷株を浅く植え、ネギを収穫と土寄せ、白菜ナバナを収穫、播種して出てきたニラ苗を整列させる。

家の菜園でも除草、キャベツの手入れなど。

4/5
耳鼻科へ。
聴力検査は、25付近の数値で更に改善されている。日常生活では影響はほとんどありませんねと医師。ブレドニンを1日2回として後半は1日1回と服用を減らす。あとは1日3回一粒の薬は同じ。
耳鳴りはもうほとんど感じない。
待合室で囲碁仲間の飯塚さんがいる。本日は喉の調子だが右の耳はやはり難聴で聞き取りにくいとのこと。前回の武田さんも右難聴ということで黙っていればわからないが、けっこう聴覚障害を持つ人が多いことを実感する。
雨だったが往復を歩く。

4/12
1週間ごとに耳鼻科を尋ねている。
聴力検査はよい結果で、やや高音部の聞き取りが弱いとのこと。
ただ薬でブレドニンはやめ、他の2種類のみの投薬1週間分が出る。

4/19
耳鼻科へ。
聴力検査をせずに医師から呼ばれる。
データからほとんど日常生活に影響がでないほど快復しているが、やや高い音の聞き取りが弱い。
1週間後に再度聴力検査をしましょう。
投薬は本日から中止して様子を見ましょうということになった。
喉がいがらっぽいので薬を塗ってもらう。
本日は久々の晴天。
陽気戻り、気分よくウォークをしながら帰宅。

4/23
何気なくラジオを聴いていたら野鳥の鳴き声と解説を流していた。
「センダイムシクイの鳴き声をお聞きください」とアナウンサー。
いまはじまるのかと熱心にイヤホーンで左耳を傾けていると「いかがだったでしょうか。センダイムシクイは高音なのでお年寄りの方には聞き取りにくかったかもわかりませんが・・・」と言っている。
鳴き声はまったく聞き取れなかった。
 社内に野鳥の会があって、登山探鳥会も行っていたことがあり、そのときにこの鳥の鳴き声は聞いたことがある。
小さくて素早くて、姿をなかなか見られなかったがチヨチヨビー、チヨチヨビーと鳴くことで覚えていた。
その鳴き声を期待していたのに、まったく聞き取れなかったのは無念。
でも、お年寄りの方にはと言われれば、当方もその通りなのだから、まあ、やむなしか。


4/27
耳鼻科へ。聴力検査を行う。
左耳はほぼ前回通りで、高音部の聞き取り数値が右耳にくらべて劣っているのが医師としては気がかりとのこと。
だが、日常生活には全く支障がないということであれば、薬はやめて様子をみましょうということになった。
左右の耳ももう一度外から診察しOK。
なにかあったら、すぐおいでください。一応これで、ということになった。
猶予つき無罪放免の感じでホッとする。
突発性難聴は難病と聞いていたので、1ヶ月の加療で完治したかどうかはわからないが、一応直ったと実感している。
直後に針灸の治療を受け並行して耳鼻科の指示に従い投薬をしたことがよかったと考えている。







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