能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

シニア社員活用が企業の明日を決める?結局は年齢だけではなく個々人のビジネスパースンとしてのクオリティ

2014年04月13日 | マネジメント

シニア社員という言葉が、あちこちで聞こえるようになりました。


高年齢者雇用安定法の施行で、希望者全員に65歳までの雇用を義務づけられた企業組織。そ

の活用に苦慮しているようです。


わたしの周りにも、60歳以降もサラリーパースンとして継続勤務している方を知っていますが、

感覚として、そのうち本当にビジネススキル、専門性を活かして活躍している人は2割。

その他の人は、嫌な言葉ですが、ぶら下がり的存在。


この課題というのは、要は「労働力の質」だと思っているところです。

米国では年齢差別は許されず、定年という概念がないと聞きます。

つまり、労働力の質が通用する限り年齢に関係なく雇用されるが、成果を出せなければ雇用契約を切られるということです。


つまり、年齢は関係なく、その労働者の持つ専門性、組織貢献度、モチベーション、組織人としての適性等が必要十分であれば、組織は喜んで雇用契約を結ぶということなのだと思います。

20歳でも30歳でも、そのベースがなければ組織の中にポジションを得ることが出来ないでしょうし、

70歳でも80歳でもその価値があれば継続雇用されるという所が基本だと思います。


高年齢者雇用安定法による縛りを考えると、企業として取るべき道は2つ。


1.労働者のスキル、専門性、組織貢献度、意欲などの測定

2.既存の組織の中でシニア社員をどう扱うか?仕組みを決めること


特に、2についてはシニア社員だけで構成される子会社、関係会社を設立することも考慮すべきだと思います。


少し厳しい言い方ですが、半数のシニアは、頑固、気力弱、ビジネススキル陳腐化、場合によっては周囲に負のエネルギーをまき散らす・・・。

しっかりと後輩の育成や技術・技能の伝承をされているシニアの方もおられますが、多くは説教くさい、昔話、過去の栄光、根性論などがまき散らす存在・・・失礼!


であれば、シニア社員を主力とする関係会社を設立し、本社本体とは異なる就業規則、賃金体系等を作るというのも手だと思います。

フレックスタイムや週3日勤務、15時終業などなど、一人ひとりにあった働き方が出来る会社を作れば、社員も喜び、会社も喜び、そして社員の家族も喜ぶという状況になると思います。


日経ビジネス2014.4.14号の特集は、「シルバー維新 輝け銀の卵たち」。

企業事例を取り上げながら、具体的な解説がされています。


ベテランの技を引き出す・・・東京トヨペット 中国銀行 ダイキン工業

社内転職を後押し・・・三菱商事 オリックス

年功主義をぶっ飛ばせ・・・サトーホールディングス


そして、パート3では「60代総シューカツの時代 シニアも主役の社会へ」と題し、提言を行っています。


提言1 60代でも能力開発 積極的な教育を

提言2 転職を促進する仕組みをつくる

提言3 多様な就労の場を地域に設ける


特に、提言の2と3は、今後重要な取り組みとなってくると思います。


もう少しで自分自身もシニア世代・・・。

少なくとも今考えていることは、若い人たちの邪魔をしないことと、

彼彼女たちが活き活きと能力発揮できる「場」を作り上げること。

いやなオヤジだけには、絶対になりたくないと考えています。


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イノベーション戦略の論理 確率の経営とは何か?確率論を経営の中に取り込む・・・

2014年04月12日 | 本と雑誌

確率論を経営の中に取り込む・・・なかなか面白いテーマです。


経営者、起業家は、経営の確率論をアタマの中で計算しつつ、日々の仕事・マネジメントに取り組まれていますが、その中で成功するのはごく一部。


また、成功確率の高いジャンルは、レッドオーシャンの場合も多く、なかなかイノベーションが生まれにくい状況にあるようにも思います。


「イノベーション戦略の論理 確率の経営とは何か」

原田勉著 中公新書 760円+税


著者の原田さんは、神戸大学大学院教授。

経営戦略論、技術マネジメントを専攻されています。


同書の中では、組織論も重要な論点として取り上げられています。

日本企業に多い組織能力活用型戦略からでは、なかなかイノベーションが産まれないことを指摘、今ある人的資源、組織能力は過去の延長線でなりがちで「足し算」の発想となると指摘。


イノベーションを創出するためには、組織能力構築型戦略が必須と主張します。

「それが出来ないから困っているんだ」と経営トップは言われるでしょうが、著者はプロ野球の例をあげ、新人を試合で使いながら育てていく戦略は極めて重要であると述べます。


目次

第1章 確率の経営 イノベーション確率最大化基準

第2章 イノベーション確率とは

第3章 イノベーション・ドメインの設定 探索領域を決定する

第4章 探索のデザイン

第5章 探索の焦点を管理する

第6章 イノベーション戦略の実行


大数の法則、取引コスト論への挑戦、ナイト流不確実性などが出てきますが、文系でも十分に理解できる解説がされています。


また、米国流のコーポレート・ガバナンス論が企業の活力を奪っていると指摘。

ビジネスパースンをホッとさせます。

わたしなどは、コーポレート・ガバナンス論を「会社ごっこ」と呼んでいるのですが、内部統制、稟議制度、各種手続きの可視化等を進めれば進めるほど企業力、組織力は落ちていくように思います。


経営と確率論を結びつける原田先生の理論・・・ぜひとも一読いただきたい一冊です。


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東京・日比谷公園の桜 シックで日本的なサクラの美しさ・・・ニッポンのサクラ

2014年04月09日 | まち歩き

日比谷公園・・・日本の近代化の中で、そして日本の近代史の中でさまざまな事件を見ながら今に至った公園。

少しバタ臭い・・・欧米的な公園ですが、そこにもしっかりと桜が咲いていました。

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東京のど真ん中・・・明治の造園のスペシャリストである本多静六さんあたりが設計した美しき公園。

名物の噴水です。

背景には帝国ホテルの旧館とタワーが・・・。

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春の花が咲き誇っていました。

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東京の・・・また来年も楽しみにしています。

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東京・駒沢公園の桜・・・東京五輪から半世紀 2020年もパラリンピック会場になります

2014年04月08日 | まち歩き

日曜日の散歩で駒沢公園に。

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桜咲き、人が集い、スポーツマインドに満ち溢れる素敵なオリンピック公園。

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1964年・・・今から50年前。

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この駒沢オリンピック公園を中心にバレーボールをはじめとしたオリンピック競技が開催されました。

2020年のパラリンピックは、この陸上競技場が使用されるようです。

陸上競技場です。

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体育館です。

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高校サッカーをやっていました。

東海大高輪高校の選手たちがピッチを走り回っていました。

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最後に、こんな素晴らしい桜が・・・単体で咲き誇っていました。

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東京世田谷・桜新町の桜・・・桜をメインにした街づくり さくら祭りのおやじキャラが最高です

2014年04月08日 | まち歩き

東急線田園都市線の桜新町。

サザエさんで町おこしをしている桜新町。

志賀直哉の小説を読んでいると、この町は少し前まで世田谷新町。

まさに昭和の田園都市・・・少し人工的な町です。

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この新町には、桜神宮もあり、この町のメインストリートは桜並木で形作られています。

桜神宮の桜も、まさに芸術作品です。

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爽やかな太陽光線に包まれる桜新町・・・。

なかなか素敵な街だと思います。

よく見ると、サザエさんの懸垂幕が・・・。

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桜新町には、さくら祭りが・・・あるそうです。

オヤジには嬉しいキャラクター。

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このキャラ、盛り上がりすぎです(笑)。 


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東京・等々力の桜 住宅地の中に咲く力強いサクラ・・・ニッポンの美が身近にあります

2014年04月08日 | まち歩き

東京・等々力の桜・・・。

世田谷は、その面積の広さもあり、桜の本数もかなりのものになります。

住宅地の中で咲き誇る世田谷・等々力の桜。

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なかなか素敵なオモモチがあります。

世田谷の桜は、なかなか力強さがあります。

年に一度の大イベント。

その美しさは、日本人の心を打ちます。

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東京・代官山の桜・・・親友は、ツタヤがあるために、この街に引っ越しました

2014年04月08日 | まち歩き

東京・代官山。

蔦屋書店のフラッグシップ店のある素敵な街。


私の親友は、ツタヤがあるために、この街に引っ越しました。


エジプト大使館、デンマーク大使館・・・なかなかインターナショナルなスポットです。


そこにある西郷山公園の桜。

堂々と咲き誇っていました。

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2020年の日本 革新者の時代 掘り起こせ日本の底力 夢を信じ、夢を語ることの重要性

2014年04月07日 | 本と雑誌

「2020年の日本 革新者の時代 掘り起こせ日本の底力」

谷川史郎著 東洋経済新報社 1600円+税


著者は、野村総合研究所専務執行役員。

日本の近未来について、かなりポジィティブにとらえている一冊です。


ドラッカー博士の言われていたように「未来は、現在その端緒がある」ことを10のケースで具体的に紹介しています。

谷川さんが農業の専門家なのかもしれませんが、事例の10社のうち5社が農業関係。

意外な感じもしますが、「6次産業」というキーワードが普及してきたように、今や農業に、工業化、サービス化が掛け算として加わってきたのかもしれません。


著者は、日本の成熟化、老齢化・・・特に労働力人口が半減するという「憂鬱の曲線」を例にだし、それを乗り越えるためには、起業による産業再生しかないと説きます。


そして、現代の特徴ともいえる

「シェール革命」

「技術革新の端境期」

「長寿社会」

「インターネット普及による透明性の高い社会」

には、起業家のチャンスは十分にあると主張します。


目次

1.成熟の先にあるもの

2.心と心で結ぶ未来 金融・流通業

 ・涙を減らす保険 アニコム損害保険

 ・顔の見える金融 鎌倉投信

 ・超地域密着型サービスを極める ダイシン百貨店

3.発想力で未来を変える 製造業・静脈産業

 ・ロボットスーツが未来を変える サイバーダイン

 ・リサイクルで資源国家を目指す 日本環境設計

4.未来を耕す農業

 ・接ぎ木苗で農業に革命を起こす ベルグアース

 ・しぶとい農業 帯広市川西農協

 ・うまみ、風味を閉じ込めて差別化する農業

 ・農業技術のパッケージ化を目指す テクノーカ本部

 ・大規模農業を核にして日本最大の地域おこし フードバレーとかち

5.掘り起こせ 日本の底力


読んでいて面白かったのが、アニコム損害保険とダイシン百貨店。

そんなビジネスモデルがあったんだ、ジジババストア(失礼!)の極致はこれなんだと驚いた次第です。


同書のまとめは、「夢を信じ、夢を語る」ことの重要性。

豊富な未稼働資産、革新者、大企業の掛け算により、シュンペーターの言う「新結合」を実現しようというものです。

未来に何かを賭けようという若者に読んでいただきたい一冊です。


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100社の成功法則 失われた20年の勝ち組企業 ニッポンにはエクセレントな企業がまだまだあります!

2014年04月06日 | 本と雑誌

「100社の成功法則 失われた20年の勝ち組企業 X経営の時代」

名和高司著 PHP研究所刊 2000円+税


著者の名和さんは、マッセンギー出身で、現在一橋大学大学院教授。

同書では、定性的な分析から100社の「勝ち組企業」をランキングしています。

トム・ピーターズさんの「エクセレントカンパニー」の逸話のように、この100社も5年後には半分くらいは入れ替わっているかもしれません。


名和さんは、経営モデルとして、4つのタイプに分類されています。


タイプJ・・・オペレーションに磨きをかけ続けるモデル

タイプW・・・オペレーション力+トップの経営変革力

タイプX・・・オペレーション力+事業モデル構築力+市場開拓力

タイプZ・・・オペレーション力+事業モデル構築力+市場開拓力+経営変革力


ベースは、すべてオペレーション力が組み込まれています。

が、この現場力ともいえる組織力は、ニッポンの会社の得意技。

イノベーションや事業モデル構築力、経営変革力とは対極的な位置づけにあるように思えるオペレーション力。

このオペレーション力を土台とした経営こそがニッポンの企業の行き残りに不可欠なようにも思えます。


ケースとして、ユニ・チャーム、花王、ダイキン、日東電工、キリン、リクルート、シマノ、デンソー、キーエンス、ユニクロなどの事例が解説されており、読みものとしてもなかなか面白い一冊です。


「勝ち組100社リスト」からトップ10

1.日本電産

2.エアウォーター

3.イビデン

4.キーエンス

5.テルモ

6.ユニ・チャーム

7.三菱リース

8.中外製薬

9.東京エレクトロン

10.HOYA ・・・


なかなかユニークな企業群がリストアップされています。

このリストに残ることは、なかなか大変。

次の10年、勝ち組企業で居続けるためには、地道かつ大胆な経営力が求められると思います。


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脱デフレの空気が漂い始めました 日経ビジネス特集「脱デフレで勝つ」 高く売るための経営7策

2014年04月05日 | マーケティング

4月1日の消費税増税後、モノの価格がかなり上がった感じがします。


ヤクルト 35円→40円

吉野家の牛丼 280円→300円

モスバーガー 320円→340円

はなまるのうどん 105円→130円

ハーゲンダッツ 260円→263円 ・・・


便乗値上げ的なところもあるかもしれませんが、円安、原材料高騰、エネルギーコスト上昇などの様々な要素もあり、これらを吸収するためにも致し方ない所もあると思います。

これを契機として、日本経済も脱デフレ、経済の成長軌道に乗れるかも・・・アベノミクスや東京五輪の効果も次第に出始めるかも・・・といった感じもします。


そんな中で日経ビジネス誌2014.4.7号の特集が「脱デフレで勝つ」。

同誌は創刊45年ということ、そして、編集長が田村俊一さんに変わり、ちょっと力が入っています。

(前編集長の山川さん、本当にご苦労さまでした。さまざまな気づきを与えていただきました)


この中で、「高く売るための経営7策」をケースを交えての脱デフレ策を提言しており、これがなかなか鋭い分析を見せています。


「高く売るための経営7策」 求められる発想転換

1.付加価値の原点は原点は手作り 英ダイソンのケース

2.顧客はコストをかけて作る ネスレのケース

3.コスパではなくバリューを追う リンガーハットのケース

4.売上高人件費率は気にしない スタバのケース

5.内部留保はためこまない エフピコのケース

6.成長率は低くてもかまわない ハーゲンダッツのケース

7.あれもこれも研究する アイロボットのケース


安いことはいいことなのですが、それだけでは経済が回っていかない・・・消費者、生活者もバリューにはお金を出す・・・。

「良いもの、でもちょっと高い」・・・そんな商品、サービスがこれからのトレンドになっていくような気がします。

ちなみに今週号の日経ビジネスは、コンパクトにまとまっており、とても読みやすくなっていました。

多忙なビジネスパースンは、この程度のボリュームでOK。

リクルートのケーススタディもあり、ぜひ読んでいただきたいお奨めの一冊です。


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