京の都の西、松尾大社の近くにある鈴虫寺。
何かと話題のお寺です。
参拝者が多い時は、この石階段の下あたりまで、行列ができます。
敷地も狭く、京都駅からもかなりの距離・・・京都駅からバスで40分以上かかります。
さまざまなハンディキャップを持ちながらも、行列のできるお寺。
一年中、鈴虫が鳴き、ユニークなお坊さんの説教が有名。
正式な名称は、妙徳山・華厳寺。臨済宗の禅寺ながら、10歳代、20歳代の若い人たちを多数呼び寄せるパワーを持っています。
入口には、ちょっと強面のお坊さん、説教するのは吉本でも通用する明るいお坊さん・・・お守り等を販売する年配の女性が二人、お茶の準備をする若手のお坊さんが数名・・・かなりのローコストオペレーションです。
マーケティング的にいうと、自社・顧客・競合の3Cを分析、そして市場をセグメントし、ターゲティング、そして独自のポジションを策定。
自社の強み、弱みを分析した後、戦略、戦術に展開していきます。
ものすごい数のお寺の中で差別化するための工夫・・・それを鈴虫寺は徹底的に追及していきます。
以下、その差別化マーケティングについて、まとめてみました。
1.マスコミ、パブリシティの活用・・・テレビ局や雑誌社の取材を受けるため、鈴虫、お地蔵さん、黄色のお守りなどの特徴を出していく。
2.芸能人を呼び込むことにより、若者への訴求力、影響力を増していく。
3.鈴虫をキャラクターとしてとらえ、一年中温度管理された鈴虫の温室を整備し、一年中鈴虫の鳴き声を聞けるようにする。
4.拝観料500円。200名程度を対象に20分程度の説教を聞かせる・・・お茶とお茶菓子でもてなす。
5.幸福地蔵さんをシンボルとし、お守り(300円)とセットで「一つだけ夢がかなう」というスローガンを徹底する。
このお地蔵さん・・・。
草履を履かれている「幸福地蔵さん」は、一つだけ願いをかなえていただける力を持たれているということです。
庭からの眺め・・・京都の街が一望できます。
鈴虫寺を研究することで様々なマーケティング的な発想ができると思います。
近いうちに、第二の鈴虫寺が京都に誕生するかもしれません。