能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

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70歳定年パニック あなたは戦力?お荷物?高年齢者雇用安定法の改正がもたらすものは?

2021年02月20日 | 本と雑誌

日経ビジネス誌2021.2.22号の特集は、「70歳定年パニック あなたは戦力?お荷物?」。

お荷物、オワコン間近な身の上としては、なかなか厳しい指摘です(苦笑)。

高年齢者雇用安定法により、現在65歳までの雇用確保が義務化されています。

それが、今度は同法改正により70歳定年となります・・・あくまで努力義務ですが・・・。

企業は、次の5つから選択し、70歳定年に向けての努力する姿勢を見せなければなりません。

1 70歳までの定年の引上げ

2 定年廃止

3 70歳までの継続雇用制度の導入(再雇用制度・勤務延長制度)

4 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

5 70歳まで継続的に従事できる社会貢献事業の導入

 

今まで定年60歳でゴールというのが、65歳になり、70歳になる・・・。

マラソンのゴールが、どんどん先に伸びていきます。

超高齢化社会、少子化による労働力人口の減少、厳しい年金財政などで社会の基盤が揺らいでいるのです。

 

友人は、面倒くさいコロナ禍の中でのビジネスに愛想をつかし、早々とFIRE!

今は愛犬とともに海辺で暮らしています。

「金持ちは、いいなあ」とイじっています(笑)。

 

目次

Part1 高齢人材が担う単純作業は消滅?迫る「再雇用氷河期」人材ミスマッチ急拡大 給料4割減、再雇用の現実

Part2 雇いたいのは優秀な高齢者だけ お荷物か、助っ人か タニタ、セブンイレブンの選択

Part3 凝り固まった頭とプライドが邪魔をする 脱「男・管理職・大会社」 知力も体力もスキルだ

Part4 世界で始まる高齢人材の活用競争 年齢不問を経営の根幹に

この特集記事によると、次のようなデータが出ていました。

高齢者を65歳以上とすると、次のような特徴があるようです。

・65歳を超えると体力が衰える傾向

・60歳以上の労働災害が増えている

・60歳後は同じ会社に再雇用が半数

・勤務体系は変わらなくても年収は半分

・働く理由は「生活のため」

金融庁の2000万円問題も物議を醸しだしましたが、シルバー世代もホント大変です。

死ぬまで働かなければ普通の生活が出来ない・・・日本は既に豊かさのない貧乏な国になったということなんでしょう。

この特集では、70歳定年でシニア、シルバー層の仕事のミスマッチが出ることを指摘しています。

でも、人事部の取る人事施策としては限られた賃金原資のために若年層の採用を絞るしか有効策はないように思います。

そうなると、就職氷河期の再来という飛んでもないことになってしまいます。

悲劇は回避しなければなりません。

 

米国では1967年、英国では2011年に年齢を基準に退職させる定年は違法となりました。

両国ともジョブ型雇用、職務給という雇用形態で高齢者も働きやすい環境にあったということも年齢差別を後押ししたように思います。

ジェンダーフリーと同様エイジフリーの時代が、日本にも近づいていると思います。

最近のトレンドでいくと、「敬老」から「老害」「老獪」へというのが世情なんですが・・・。

でも、そうなると、どこかの国のオリンピックコミッティーの会長さんのような人が、いろいろな会社の中にいるということにもなっちゃいますし・・・どうなんでしょうかねえ?

ホント、難しい問題です。


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