能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史さんの魂の講義「檄」 伝説の東大講義

2020年06月12日 | 本と雑誌

今週の日経ビジネスの書評欄で、天狼院書店店主の三浦崇典さんがベタ褒めしていた一冊がありました。その書評のほとんどのスペースを使い、さらに同書の元となった講演会の録音を聞きたいとも・・・。


見ると、瀧本哲史さんの東大講義を一冊にまとめたもの。
「僕は君たちに武器を配りたい」「武器としての決断思考」「武器としての交渉思考」「戦略がすべて」「ミライの授業」など瀧本さんの鋭い切り口の大ファンでした。


彼は、麻布高、東大法学部、東大助手、マッキンゼー、3年後に日本交通の経営再建という輝かしいキャリアの持ち主。

そして、京大客員準教授、エンジェル投資家、作家としてさらに華々しい仕事を積み重ねていきました。
でも、天才の人生は短い・・・47歳の彼の死・・・本当に驚きました。

2020年6月30日にまたここで会おう 伝説の東大講義
瀧本哲史著 星海社刊 980円+税

同書は、2012年6月30日に東大伊藤謝恩ホールで行われた講義を新書化したもの。
受講者の参加資格を29歳以下に限定・・・約300名が全国から集まりました。
瀧本さん39歳・・・ノリに乗った講義です。

彼は、20歳代の若者たちに向かって、過激なアジテーションを展開します。


「自立せよ!」
「バイブル、カリスマを否定せよ!」
「霞ヶ関の競合を作ろう」
「君が、やれ!」
「右手にロジック、左手にレクリックを」
「君たちは、自分の力で、世の中を変えていけ!」
「僕は、日本の未来に期待している。支援は惜しまない。」

彼は、この国の若者たちに期待し、資本主義、自由主義の中で生き抜いていくためのノウハウ=武器を示しながら、過激な「檄」を飛ばしていきます。
さらには、著作「ミライの授業」では、14歳の中学生に向けての「檄」を飛ばします。
明治維新の勤皇の志士たちが、日本を変えたように今の若い世代に期待をかけたのだと思います。

目次


第1檄 人のふりをした猿にはなるな
・奴隷でも、猿でもなく、「人間」になろう
・本を読んで終わりではなく、行動せよ!


第2檄 最重要の学問は「言葉」である
・正解なんてものはない。
・自分の人生は、自分で考えて、自分で決める。
・そのための「思考の枠組み」として、リベラルアーツがある。
・自分自身の拠り所とするために学べ!
・まずは「言葉マニア」になろう。


第3檄 世界を変える「学派」をつくれ
・パラダイムシフトとは「世代交代」である。
・君と君たちが正しい選択をし続ければ、いつか必ず世界は変わる!


第4檄 交渉は情報戦
・弱者こそ、「交渉」という名の武器をもとう。
・常に、「相手の利害」を分析せよ。


第5檄 人生は「3勝97敗」のゲームだ
・自分の仮説を試せ!
・見込みのある人を、支援せよ!
・仲間を、探せ!
・目的のために、つながれ!

この講義の最期に、瀧本さんは言います。
「8年後の2020年6月30日にまたここで会おう!」
残念ながら、瀧本さんは逝去・・・8年前ここにいた若者たちは集まってくるのでしょうか?

「最重要の学問は言葉である」と主張する瀧本さん・・・きっとコピーライティングの勉強もされていたのだと思います。
コトバが、キレキレです。


小職も、残された人生は、若い人たちの応援団になろうと決意しています。
プロボノでも、クラウドファンディングでも、いい・・・。
この国を変えるのは、やはり「若者」「バカ者」「よそ者」ということに代わりはないと思います。
一番期待するのは、瀧本さんと同じく、若者!
われわれおじさん、おばさんは、既得権を守るのはやめにして、君たちに賭けたい。
ギャンブルかもしれないけれども、不作為よりは良いと思います。
がんばれ!若いの!
Bon Voyage!


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