能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

広島カープのマーケティング戦略&経営戦略 40年連続の黒字経営はカープファンが支えています!

2015年08月11日 | カープ大好き!

東京ドームでジャイアンツを3タテ・・・10年ぶりの快挙!

スカっとさわやか・・・です(笑)。

今日から、地元ズムスタでスワローズ、ベイスターズとの3連戦!

去年の「お客さん」に、今年は苦労しているカープです。

強力打線を、カープ投手陣が、どう抑えるかが最大のポイントだと思います。

現在、JR広島駅の新幹線口(北口)では、駅舎の改築、改装工事が進んでいます。

1~2階の店舗部分は、一部完成。

もみじまんじゅう、広島の地酒、カフェ付の書店など、お洒落な店舗が機能的にレイアウトされています。

 

なかでも驚いたのが・・・カープ、CARP、かーぷ・・・何でもカープです(笑)。

少し前までは、レプリカのユニフォームやタオルなどの観戦グッズが中心だったのですか、今では、お菓子やおもちゃ、ラーメンやパスタといった食料品から文房具まで、あらゆる分野に増殖しています。

まさにマーケティング。

セントラルリーグで黒字経営の球団は、巨人、阪神、カープ。

セリーグのお荷物球団と言われたカープは、1975年のリーグ優勝から40年連続で黒字経営を続けています。

東京・大阪の大都市圏ではなく、人口が数十分の1の地方都市で、これは、すごいことだと思います。

1945年、原爆投下で壊滅的な被害を受けたわずか4年後、カープ球団設立。

当時はスタジアムというよりボールパークに近い県営球場で試合・・・球団を維持するために広島市民は「たる募金」に協力。

球場の入口に酒樽を置き、そこでカンパ。

当時は、東京遠征では、一軍の選手でも夜行の普通列車の床に新聞紙を敷き、そこで横になっていたと言います。

給料も低額で、しかも遅配・・・。

そんな背景が、カープ球団の経営の根底にあるのだと思います。

2014年度のカープ球団の決算は、売上128億円、経常利益5億円とのことです。

過去40年を見ると、売上は100億円、利益は2億円で推移。

売上収入は、球場の入場料、放映権料、広告収入、グッズ販売、ファンクラブ収入などがあります。

まずは、入場料収入。

広島市の人口110万人。マツダスタジアムの入場者は約150万人強。

最近では他府県からの来場者も多いですが、それでも平均すると広島市民は、年間1.5試合程度、スタジアムに足を運んでいることになります。

そして、放映権料。

これは地上波での放送が激減・・・人気の巨人戦でもBSを含めて放送されないことがあります。

野球人気の低迷とエンターテイメント、スマホ等のメディアの多様化というのがあるのでしょうか。

それをカバーするのが、カープグッズの販売。

年間約25億円の売上。

カープのロゴを付けると、売価は1.5倍・・・それでもカープファンは、カープグッズを買います。

現代版「たる募金」と言ったところでしょうか?

さらに秀逸なのが、新しいファン層の開拓と獲得。

カープ女子・・・

プロ野球をファッションにしてしまいました。

芸能人(カープ芸人)やメディアを巻き込み、関東のカープ女子の交通費を球団で負担するなど、お洒落な女性たちを引き込みます。

これが、都会的なジャイアンツやベイスターズではなく、田舎の広島というところが面白いです。

そういえば、カープファン発祥の独創的なオリジナルは、多々あります。

「コージ、コージ」からはじまったトランペット応援、ラッキーセブンのジェット風船、選手別応援歌、スクワット応援・・・カープファンの存在がなければ、プロ野球のスタジアムの風景は違ったものになっていたように思います。

 

そして、カープの黒字経営の最大のポイントだと思うのですが、

それは、選手年俸の安さ(笑)。

年間21億円と言われていますが、これはセパ両リーグで一番低いと言われています。

巨人は45億円と言われているので、カープの倍です。

(それでも、ドーム3タテなんて起こるので、人生、お金だけじゃありません・笑)

カープ21億円年俸のうち黒田投手が4億、マエケン投手が3億ですから二人で3分の1。

残りを他の選手で分け合うことになります。

一部の人は、「年俸の低さがカープを長期低迷の原因だ」と言われます。

それはそれで正しいと思うのですが、カープファンは、そうは考えません。

たとえビンボー球団、ローカル球団でも、限られた資源で最大限の努力を積み重ねると、たまに、たまに、お金持ち球団に勝てることがある・・・。

常勝が義務付けられたプロ野球界の盟主、巨人や阪神とカープのポジョニングは、そもそも違うのです。

以前は、アンチ巨人だからカープというファンも多かったのですが、最近、東京でもカープの出自を知り、その弱さ、脆弱さが魅力というファンが増えてきたことが、個人的には、とてもうれしいです。

カープ女子が増えたこともサイコーです。

先日、ある方が「関東圏にいるカープファンの女性がカープ女子だ」と言っている方がいたので、きっちり反論しておきました!住んでいる場所ではなく、カープ愛、「負けんけーね」スピリットがある、そしてハイセンスで独自のお洒落ができるカープファンの女性をカープ女子と言うのだと!!!

話がそれましたが、経営的に言うと、

経営の鉄則である「入りをはかって、出るを制する」。

入りをはかるための創意工夫、日々の努力を積み重ねるとともに、ムダ金を使わない・・・ということだと思います。

カープファン一人一人の応援が、中小企業「広島カープ」を支えます。

出来ればズムスタで観戦、できればカープグッズを買う、カープファンクラブに入会する、カープの野球中継しているスポンサーの商品を買うことが、カープ球団の経営を支えます。

まさに、現代版の「たる募金」だと思います。

 

今日から、ズムスタで3連戦!

がんばれ!カープ!!!

 


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