最近、スポットライトを浴びつつある「クラウドファンディング」。
インターネットならではの資金調達法です。
アイデアはある、が、活動資金のないクリエイターや起業家、イノベーターが一般大衆から資金を調達できる新しい方法論です。
どことなく怪しいオモムキもあります・・・。
実際、詐欺的な事件もあるようですからご注意を・・・。
が、それはソーシャルな世界。
米国を代表するクラウドファンディング会社、キックスターター。
スマート時計を創るペデルテクノロジー社でクラウドファンディングを実施。
たった2時間で8億円を集めたそうです。
同社の社員は、わずか9名。
その会社がクラウドファンディングによって事業拡大のきっかけとなったのです。
日本のロボット会社のラピロでも、わずかな期間で1000万円を調達したとのこと。
日本では、レディーフォーとかキャンプファイアといったクラウドファンディング会社があるらしく、
また、金融庁では株式型のクラウドファンディングの法整備をしているとのことです。
しかしながら、クラウドファンディングについては、あまり情報が集約されていません。
書籍もわずか・・・。
そんな中で出版された同書は、なかなかの切れ味です。
同書の中で著者が書かれているように、著者自身は金融の専門家でもなく、クラウドファンディングのスペシャリストでもありません。
が、そこがいかにもクラウドファンディングの世界のシンボリックな事象だと思います。
「入門クラウドファンディング スタートアップ、新規プロジェクト実現のための資金調達法」
山本純子著 日本実業出版社 1500円+税
クラウドファンディングには、5つの類型があるとのこと。
1.寄付型クラウドファンディング
2.購入型クラウドファンディング
3.株式型クラウドファンディング
4.融資型クラウドファンディング
5.投資型クラウドファンディング
この中で多い展開が、購入型クラウドファンディング、融資型クラウドファンディングと寄付型クラウドファンディングとのことです。
著者が強調する現在のクラウドファンディングとは、「事前の購入予約」としているように、クラウドファンディングは魔法の杖ではなく、人気の「増幅装置」なのです。
事業を拡大しようとする地道な努力が必要なのです。
クラウドファンディングの流れとして、著者は6つのステップを解説しています。
1.プラットフォームを決める
2.プラットフォームに企画を送る
3.キャンペーンの詳細を決める・・・内容、目標、期間、リワード等
4.キャンペーンの開始
5.キャンペーンの終了と調達額の振込
6.資金提供者へのリワード送付
やはり、多くの資金提供者を集めるのは、魅力的なリワード(報酬)。
その組織が作る製品、経験、特別感・・・。
その人の名前がクレジット表示されるというのも魅力的です。
特別招待のフォーラム、現場見学、パーティ、投票、ベータテスト等も、オタクの心を惹きつけます。
リーンスタートアップが主流の今、クラウドファンディングは無限の可能性を持った方法論だと思います。
クラウドファンディングに関心を持たれている方は、ぜひとも一読いただきたい一冊です。