癒しの庭Ⅲ

集おう癒しの庭へ

伝統文化の継承をめざして・・・

2015年03月08日 | ガーデニング


 

 

昨年5月

栗山家を訪問したときに

庭に植えられたサワフタギの木は

見事に白い花を咲かせていました。

 

このサワフタギの木灰が

 鹿角紫根染・茜染の下染に使われるのですが

染め手のいない栗山家のサワフタギは

 淋しげな佇まいを見せています。


 

今朝の地方紙よねしろ新報のコラム

だんぶり抄に

私たち研究会のことをとりあげてくださいました

            

文化を残す・保存することは、

そのもの自体の老巧化や腐敗、

後継者育成など大変なこと、

それ以上に失われた文化の復活も

膨大な時間と労力が必要になる。

~略~

「鹿角紫根染・茜染研究会」は

染め技術や紫根の栽培法を研究したり

地域への普及を積極的に行っている。

途絶えた歴史をつなぎ、

紡ぐことは歴史学者だけがやっているのではない。

個人や民間での活動が大きな役割を果たしていると思う。

誇れる文化を多数持つ鹿角市

先人の文化に感謝の念が絶えない。


嬉しい記事でした

 

 

栗山文一郎さんの下染作業が見られなくなって

早くも25年が過ぎてしまいました。

お亡くなりになる

前の年

庭師と私が取材に行ったときに

顔を曇らせながら原料不足を嘆いておられたときの

栗山さんの寂しげな姿が

目に焼き付いています。


郷土の伝統と誇りを守り伝えるために

「鹿角の紫根染・茜染」に一生を捧げた栗山家の方々には

いつもいつも

尊敬と感謝で胸がいっぱいになるのです。



文一郎さんは

亡くなるまで鹿角のムラサキやアカネから離れることなく

1300年も前から伝承されてきた

古代の技法を守り抜いた方ですが

残念ながら

後継者を育てる夢半ばで生涯を閉じてしまいました。


 

                    栗山文一郎さんの古代紫根染・茜染


「朝(あした)は紫、夕べは茜」

 紫色は朝の光の中で一段と冴えわたり

「茜色は夕方の光の中で燃えるようにその美しさを放つ」

と、言われる優雅な紫根染と茜染です。


 


 


 

古代技法による鹿角紫根染・茜染は

 上品で静かに匂うような高貴な色を感じます。

  私の手元にあるこの包み袱紗は

30数年の時を経ても

今なおその鮮やかさは変わりません。

 

 

 

昨年

渾身の力をふりしぼって染めた

鹿角紫根染と茜染です。

文一郎さんの

まだまだ・・・

不上がりですね。

そんな声が聞こえてきそうです。


 

左は日本アカネ、右はインド茜による茜染


冠位十二階の時代から人々を魅了した

日本人の心の色は

一朝一夕でできるものではありませんね。


                                    サワフタギの実


明後日は

またまた若い方々が勉強会をやってくださいます。

楽しみになってきました。



 

                                  サワフタギの花

 

 

 

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