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『国境』 黒川博行

2006年03月22日 | 小説
 
金融制裁の影響が、北朝鮮に深刻な事態を招いているという報道がありました。偽造通貨問題が発端ですが、恒例の2月16日の金正日総書記の誕生日に、子供には砂糖や菓子、家族には食糧や油などが支給されてきた幹部への贈り物が事実上、中止となったそうです。六カ国協議の行方も心配です。

今でこそ、北朝鮮の報道はごく当たり前ですが、そのずっと前から、小説という形で、北朝鮮の問題を訴えていた本があります。といっても固い本ではありません。直木賞をとり損ねた作品ですが、私は本書が大好きで、最近文庫化されましたのでご紹介します。

詐欺にあったヤクザとそのコンサルタントの二人が詐欺師を追って北朝鮮に潜入します。一度目はツアー客として忍び込み、二度目は中朝国境から…。

そこで見る北の想像を絶する厳しい現実。関西弁で繰り広げる二人の会話や行動は最高に愉快で笑えますし、ハラハラドキドキのストーリー展開のまま、感動のラストへ!胸にジーンと来る、すばらしい作品です。

筆者は元高校教師(美術)で二度の北朝鮮取材を経ているそうです。出版当時(2001年)注目されていなかった北朝鮮ですが、その後の報道で本書の取材や情報の的確さが証明され、著者の勇気に敬意を払います。エンターテイメント小説でありながら、北朝鮮告発の物語ともいえます。
国境

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