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 フクイチ汚染水放流と六ヶ所村再処理工場の汚染水

2023年08月28日 | インポート
 フクイチ汚染水問題について、たくさんの記事を書いてきたが、今回の汚染水問題を受けて、改めてフクイチ汚染水の数千倍の危険性を持っている六ヶ所村再処理工場汚染水問題にスポットライトが当たるとすれば、むしろ良かったかもしれない。

 アメブロのコメント欄に青さんから、鋭い指摘があったので紹介する。

福島原発の汚染水放出の問題に加えて、こんな恐ろしい事実があったことを知りました。
 福島原発事故の汚染水の比ではない量の放射能が六ヶ所再処理工場から海洋へ放出されていたという衝撃的な事実があったという。
 ほとんどの日本国民はこうした事実を全く知らないと思います。

 川田龍平議員が国会で質問されたということさえ、私たちの多くが知らないままで今日まで来ました。
 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/189/syuh/s189121.htm

 小出裕章氏の2006年の講演会より。

 chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/aomr0602.pdf
 核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団、講演会 2006年2月11日(土)、12日(日) 放棄すべき六ヶ所再処理工場 京都大学原子炉実験所 小出 裕章

 六ヶ所村に計画されている再処理工場では1年間に800トン分の使用済み燃料の再処理をする計画だが、それは約30基の原子力発電所が1年間に生み出す量に相当する(図7)。
 当然、環境に放出する放射能量も原子力発電所に比べて桁違いに多くならざるを得ない(表2、表3)。六ヶ所再処理工場から放出が予定され、そして実際にもそうなると考えられるもっとも量が多い放射能はトリチウム(三重水素)であろう。
 海に放出が計画されているその量は年間18000テラBqであり、1日あたりにすれば、約60テラBqとなる。それを施設から放出することが許容される濃度(60Bq/cm3)まで薄めようとすれば、1日あたり100 万トンの水で希釈しなければならなくなる。

 六ヶ所再処理工場の排水口は沖合3km、深さ44mの海底に設置されるが、それは、そうでもしなければこの厖大な毒物を排出できないからである。毎日100万トンもの水で薄めなければ流すこともできないほどの毒物を排出する工場、それが再処理工場である。
 こんな工場の運転を40年間も続けてよいという許可を与える権限が一体誰にあるのであろうか?
  ただし、トリチウムは水素の同位体で、環境に放出されれば水として挙動するため、液体として放出され海の水で希釈されてしまった後は、その汚染を検出することはなかなか難しい。

 むしろ、トリチウムは気体としても1900テラBqの放出が計画されており、周辺で空気中の水分を捕集して測定すれば、風下地域にトリチウムのマップが描ける可能性がある。青森県や事業者にその測定をさせるべきだろう。

 このことをブログ記事に載せている「嘘八百のこの世界」さんは以下の様にも言っています。

 <青森六ケ所村での汚染水の海洋排出は、福島原発での汚染水の海洋排出よりもはるかに膨大である。
 この「事実」をどれだけの国民が知っているのだろうか?
 福島原発の汚染水の海洋排出の報道は、青森六ケ所村の汚染水の海洋排出を隠蔽するためのカムフラージュ報道ではないのか?>

 日本政府はいったいどこまで国民を、そして世界を騙し続けるつもりなのだろう?
 諸外国もなぜこのことに目をつぶっているのだろう?
 庶民に都合の悪いことは全て隠蔽するというのが国を問わず「支配者階級の常識」なのでしょうか? 08月27日 20:24
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 引用以上

  私は、4年ほど前に、人口動態統計を用いて、GDGREAKという民間データベース業者がさまざまの統計データを公開していることに目をつけ、全国の自治体の、2012~2014年の死亡原因と全国平均との比較を地図画像で公開した。

 このときは、最初に公開した、北海道のデータで、泊原発の地元、泊村で、心不全死が全国平均の4.44倍出ているショッキングな事実を、たぶん初めて明らかにした。
 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5828326.html
 だが、私のブログを援用してくれた人は、反原発団体を含めて、ほとんど見当たらなかった。たぶん、いまだに無視されたままだ。反原発団体も被曝死問題に興味がないのかもしれない。

 現在は、2015年~2019年のデータになっていて、古いデータがどこにあるのか分からない。2012年データは、あまりにショッキングなものが多いので、見せないようにしているのかもしれない。
 この記事の元にしたGDFREAKの六ヶ所村再処理工場に近い野辺地町の現在のデータは、以下のリンク。リンクをたどると全国のデータに行き着くことができる。
 https://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010120004010102401/2

 2012年データと比較すると、野辺地町の心筋梗塞死者が、全国平均の311%増から95%増と、ずいぶん減っている。
 この理由は、再処理工場が稼働していないという事実に尽きるだろう。

 泊村の心不全444%も、2015年データでは、120%とひどく減っている。これも、泊原発が、大震災以降再稼働できていない事実に尽きるだろう。
 https://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010120004010101403/1

 私が、当時参照したデータを元にした東北地方の心臓疾患死は以下。
 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5828328.html

 六ヶ所村再処理工場を取り囲む自治体に、心筋梗塞などの死因により、全国平均の2~4倍という凄まじい死者が出ていることが分かる。
 私も、自分で参照していて、まさか六ヶ所村再処理工場など原発施設が、これほど凄まじい大量殺人を行っていることに驚愕させられた。

 現在は、六ヶ所村再処理工場は稼働停止し、放射能をあまり環境に放出していないが、もしも再稼働するなら、恐ろしいデータが続々と現れるにちがいない。
 青森県は、六ヶ所村再処理工場稼働後、日本一の発癌王国となった。そして平均寿命も全国最下位となった。
  元々、青森は日照時間とか寒さのせいで心筋梗塞死が多いといわれ、上のデータで心筋梗塞死亡が全国平均の数倍である理由も、寒さのせいと説明されてきた。

 以下は「平均寿命」のデータ。
 このグラフだけ見ると、平均寿命が上がり続け、再処理工場稼働は影響がないように見える。
aomori01

aomori02



 青森県では、男女ともに全国平均よりも平均寿命が三歳ほど低くなっている。
aomori03
 
 再処理工場と発癌死亡は、一見無関係に見えるが、実は、全国の発癌死亡率が下がっているなかで、青森だけは横ばいに近く、下がっていない。
 これらのグラフでは、再処理工場と発癌や死亡率の問題を関連づけることは困難だが、少なくとも、放射能汚染が循環器障害=心筋梗塞や発癌をもたらす性質を考えると、無関係とはいえない。
 それに、厚労省は、再処理工場の健康被害を隠蔽するため、人口動態統計を改竄調整してきた可能性があるのだ。とりわけ安倍政権は、統計改竄を熱心に行った実績がある。
 https://nikkan-spa.jp/1810795

 統計改竄を考えないと、青森県、それも再処理工場周辺の自治体にが突出した循環器系=心臓障害死の理由が考えにくいのだ。

 しかし、なぜ青森県だけが、日本最低の平均寿命なのか? という理由について、「寒さ」とか「食生活」の習慣病を挙げる専門家が多いが、実は、地域的な特性と死因に大きな因果関係が存在しないのは、以下のデータから明らかだ。
 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/rouken/tdfk-d2/pref.html#sin-m

 上のリンクを読めば、放射能汚染がもっとも影響する、循環器系障害、脳疾患と心臓疾患ばかりが青森県に際立って多いことが読み取れる。
 つまり、死因からみても、六ヶ所村再処理工場の環境汚染と、青森県の死亡率に因果関係を感じないわけにはいかない。

 六ヶ所村再処理工場は、一度も本格稼働していないが、2006~2013年まで、再処理試験を行った。そして、敷地内に全国の原発から送り込まれた大量の使用済み核燃料を貯蔵するようになった。
 事実上の、「最終処分場」の機能が実現していて、そこから絶えず放射能環境汚染が続いている。
 これで、周辺自治体や青森県の死亡率、発癌に影響しないはずがないと私は思う。

 1993年の着工から2023年現在まで30年間にわたって存在している、この施設は、政府の見通しの甘さ、思考の欠陥によって、一度もまともに稼働したことはないのだが、しかし莫大な使用済み核燃料が集められ、じわじわと環境汚染をしてきた。
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/222216

 もし、来年、予定通りに完成し、稼働を始めたなら、青森県周辺は「死の国」になると考えるしかない。福島の何百倍も放射能に汚染された土地になるだろう。

六ヶ所村再処理工場から年間に環境放出される予定の核種は以下の通り

 rokkasyo03







































トリチウムだけで、1年間あたり、大気圏に1900兆ベクレル、太平洋に18000兆ベクレルだ。
 今問題になっているフクイチのトリチウム(と称する)汚染水の総量は、今後50年間で780兆ベクレルと説明されている。
 その25倍だが、年数割だと1250倍になる。

 実は、すでに、試験期間中の7年間にわたって、ほぼ同程度のトリチウムが放出済みなのだ。
 トリチウムは、一見、非常に弱いベータ線(0.02Mv)しか出さないので無害であると信じられてきた。しかし、水素と同じ元素なので、生物体が吸収し、植物体の光合成によってOBTという有機トリチウムに変化する。
 するとRBE、線量係数が1万倍増える。つまり毒性が1万倍増すのだ。国も東電も、有機トリチウムの人体への影響を、一切説明せず隠蔽している。
 以下は、原子力村による辞典のATOMICA記述。

 https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2269.html
吸入および経口摂取のいずれの場合もトリチウム水(HTO)の線量係数は、トリチウムガス(HT)の10000倍となっている。植物等の組織と結合した有機結合型トリチウム(OBT)の線量係数はトリチウム水(HTO)のさらに約2.3倍である。

 だから、グリーンピースが指摘しているように、トリチウムの環境汚染は、生物に甚大な影響を与え、遺伝子を破壊する可能性が強い。
 トリチウムによってピカリング原発周辺でダウン症が85%増えたと報告されている。
 フクイチ汚染水でさえ、深刻な影響が考えられるのに、六ヶ所村が再稼働したなら、東北破滅さえ考えなければならなくなるのだ。
 それこそ、マッドマックス1の奇形児世界が本当にやってくると考えなければならない。

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