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精神科医師のブログ。
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管理栄養士に期待すること。

2009年11月11日 | Weblog
ある読者から「管理栄養士に期待すること」を聞かれたので・・・。
自分の悲惨な食生活への反省も込めて・・・・。

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医食同源という言葉もあるように、何をだれとどう食べるかということは生きていくことの土台として薬などでの治療以前のとても重要なことです。

私は「治療」というより「養生」という言葉が好きです。
治療者におまかせではなく、自分を大切にすること、生きていくことへの主体性みたいなものも含まれていると考えるからです。

NSTの活動が盛んとなり栄養が大事ということがやっと他の医療職にも意識されるようになってきていますが、自分たちのスペシャリティやスキルを他の職種へのPRすることも大切な仕事と思います。
自分も含め医師は栄養に関しては実はよくわかっていない人も多いので、むしろ教えていただきたいです。
研修医のときには栄養指導につかせてもらったりしました。

糖尿病や腎不全の患者さんへの栄養指導はもちろんですが、患者さんのもとへ出向いてもらって嗜好調査を依頼したり、高齢者の摂食嚥下障害などでチームの一員として栄養指導(栄養支援)などをお願いすることが多いです。
摂食障害(拒食症、過食症)の家族の会などでお話をお願いしたこともあります。

また最近は訪問栄養指導も増えてきており高齢者や精神障害者の家へ訪問して、自分を総動員して具体的に患者さんやご家族ができる方法をともに考えていくということを期待しています。

また栄養に関するスペシャリストであることはもちろんですが共通言語として摂食嚥下障害や各種疾患などについて基本的な知識はしっかり身につけておいて、医師や看護師、OTやSTなど他の職種の得意なことを知り必要なときに適切なパスがまわせることが大事と思います。

他には食育という側面からも活躍を期待しています。
特に子供や若い世代の夫婦などに対して食べることの意味をもう一度考えてもらうような働きかけができるといいなと思います

「あなたはあなたの食べるものでできている。」のですから・・・。

食べるものからも「あなたは大切な人で生きている価値がある。」というメッセージを感じることが大事です。

自然の恵みや生産者から調理をするひとまでの思いや物語を感じながら「いのちをいただく」ということが、身体障害や精神障害をかかえ生きることに疲れたり、投げやりになっている人にとっても治療的意味のあることだと考えています。

病院内で医師の指示を待つのではなく、積極的に患者さんのもとへ、地域へ出て行って様々な人や団体とコラボレーションをして、貧しくなる一方の地域の食文化を変えていくくらいの活躍を期待しています。


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薬膳やマクロビオティックにも挑戦してみたい・・・。