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リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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AS・NPD・ADHD・BPⅡ

2008年03月16日 | Weblog
昨年の今頃から、体も頭も働かなくなりペースダウンしていました。
動けないときは全く動けないものですね。
ここ半年くらいは空いている時間はほとんど寝ているしかないような状態でしたた。
希死念慮も発作的にグルグルうずまいていおり、よく死ななかったと思います。

時に躁鬱の混合状態みたいなときもあって、感情コントロールに苦労しましたが、
手に入る文献に当たりまくり、自分の感情と行動を半年くらいノートにつけかなり分析できました。
かろうじて生きのびられたのは精神医学や仏教、哲学のおかげだと思います。
抑うつ発作やPTSDに悩まされることもだいぶ少なくなってきました。

あいかわらず注意のフォーカスの切り替えが難しくとっさの対応は苦手ですし、時間の流れが伸びたり、縮んだりします。
いろんなことが気になりオーバーヒートしてしまいます。
テンションを上げるとその後に必ず落ち込みが来ます。
センシティブすぎる感情センサーでノイズが混じります。
逆に自分の思考や感情を隠すことは全くできません。
興味が無いことには全く興味がわきません。
些細なことでも納得しないと動き出せません。
ざわざわした環境では集中はできませんし、マルチタスクは無理です。
ポンコツロボットで自分の中にルーチンワークをインストールすることができず苦労しています。
いったんインストールしてもいつの間にか書き換わっています。
過眠傾向はあいかわらずでいくら寝ても寝たりません。
家事などIADLレベルで壁があります。

あふれ出る発想と、フレームワークを駆使して、いろいろなシステムに気づく自分のスペックは嫌いじゃないのですが、愛用品として使いこなし乗りこなすにはまだ道は遠しです。

共感チャンネルの調整を身につけ、作業チャンネルと生活チャンネルを再構築し、全体のキャパの増量と、リソースを節約する方法、回復の手段を見つけ出さなくてはならないのでしょう。

医療現場の片隅に文化人類学者として潜ませていただき、自分なりに世の中を理解できるようになってきましたが、ルーチンワークが中心となるわりには、パニック的な急性期の医療現場は自分のスペックには全くアンマッチなことがわかりました。
自分の外にロボットを設計し社会を構造化する仕事(システムエンジニアやコンサルタントなど)、または世界を観察し記述する仕事(学者やジャーナリスト、作家など)が向いていますかと思います。
いろいろ考えるとこもあって「自分の経験を活かして、自分みたいな人のお役に立てれば」ということで春から某病院の某科に移ります。

「普通の生活の力」を研究します。

お年寄りの今

2008年03月16日 | Weblog
最近、「農村に入れば演説をせずに、演劇をしろ。」
という若月俊一(もともとは宮沢賢治)の教えに基づき、某所で寸劇をやりました。

寸劇~。たしかにいいだかしんねー。
反応もダイレクトで分かりいいし、スタッフと観客との距離も縮まりますね。
5年も「じじ、ばばと仲良くする医療」してたら、ちーとは、ここいらのものいいにもなじんできたかいな~。(しかしイントネーションは難しいわー。)

藤沢町民病院の佐藤元美先生によると
「職員が地域に出て寸劇をやっている病院はつぶれないの法則」
というのがあるそうです。
ならまだこの病院も大丈夫かいな~。


以下は包括の保健師さん作成したシナリオです。
著作権フリーで公開、改変はご自由にどうぞとのことで許可を得ましたので公開します。それぞれの地方の方言になおして演じてみてくださいね。
それではどうぞ・・・。

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寸劇  「お年よりの今・・・」

包括の相談の中でよく出てくる、今の高齢者の現状を寸劇にし、受講者の20年後位の暮らしのイメージを作ってもらう、そして、その後のグループワークを活発化させていく材料とする。
登場人物

☆じい1 
年を取ってので最近車の運転を泣く泣くあきらめて、外出は徒歩になった。   

※ちょっとぼけた妻であるばあさんを連れて歩いているでもOK。
そのばあ2はせりふなし。じいとばあのやり取りを、ふんふんと聞いているだけ

☆ばあ1 
ちょっとしっかりしたおばあさん。

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じい1:(老人車をついて歩いている。腰を曲げて、よぼよぼと。)

ばあ1:おや、●●じいさんじゃないかい・・・。えらい、ぼつらぼつら歩いているけどどうしただい・・・

じい1:おらあ、最近、車の運転やめただよ。子供とうが、あぶねーあぶねーっていって、おれが事故をするのは仕方ねーけど。人を傷つけたらどうするだーって、いわれてさあー。隠れて、のらっと思ったら、お正月に来たときに鍵隠されちまって、乗れねだよ。

ばあ1:よく、あきらめたにー。あんねん、車の運転好きだったになあー。

じい1:車あきらめたら、どこも出かけられねーからさ、しょうがねー、この車買ってもらって(老人車)ばあさんと一緒に歩いているだに。

ばあ1:じゃあ、買い物はどうしてるだい。

じい1:おらちのおばやん、買い物が好きだっただけど、どこもでれなくなってなあー。しょうがねーから、生協頼んだだけど、注文書の棒が引けねだよ。だいいち、量が多くてだめだ。
次になあ、農協の食材にしただけど、農協が決めたものがくるだよ。おれが、肉が食いたくても、魚が届くだ。

ばあ1:まあ、そうかい。女の人は、自分で、品物見て買いてーしなあー。ストレス解消にもなるしなあー。むずかしいところだいねー。

じい1:だけど、こういうことは、きっとおらちだけの問題じゃあねーと思うだよ。●●病院に診察に行くのだってこまるいなあ。
葬式だって、人に頼まなきゃいかれねーわ。
義理を欠くようになりゃ-つれーなあ。
福祉バスは1日1本だし、朝でかけりゃ、夕方までけってこれねーや
新幹線で東京まで行くに、1時間半だなんてやってるけど、バスで買い物に行くのも一日がかりだ。

ばあ1:あー、だから、あそこん家は、東京の娘が、ちくわや魚だミカンだって、宅急便で送ってくるだわ。便利なようで、なんかへ変だいなあ。
子供がいる人はいいけど、おらちみたいにいなきゃ、どうするずら。いまちっと、世の中が何とかならねえずらか

じい1:いまちっとなんとかっちゃー、●●病院の診察だわ・・・。まーでこの間なんか、2時間も待って、やっと先生の顔見たと思ったら、「いいですね」で終わりだったわ。おらーいっぺー、いいて-事があっただけど、そういわれりゃあー何も言えねでけってきちまっただよ。情けねーなあ。先生とうも忙しくてかわいそうだけど、おらも、ちっとは聞いてもらいたかっただよ。

ばあ1:そーかい。どんな話がしたかっただい?

じい1:天気の話とかさ。今年は寒いとかさー。おらちの東京の孫のこととかさー。

ばあ1:そりゃー。だめだわ。先生だって、ふんふん聞いてりゃー日がくれちまうわ。

じい1:でもな、俺も、うちのばあさん以外の人とも、話がして-だよ。

ばあ1:●●じーさんは、おしゃべで話が好きだからなあ。今はあんまり近所のお茶のみもないし、個人情報なんていうから、集まりもむずかしいなあー。

じい1:まーず。としとりゃーいいことなんかいっこもねーなー。だんだん寂しくなってきちまっただよ。ところで聞くのが遅くなったけど、そのでかい袋はなんだい?

ばあ1:あーこれかい。実は、朝だしたゴミの分別がだめだって、かえされちまっただよ。まーず、こんなの年寄りにやー無理だわ・・・。だから、どうしらっかと思って。

じい1:そうかい。おらちも同じだよ。ばあさん、ちいーと、ここがお留守になってきてるずら、だから、おらがみんな見てるだけど、ゴミは大変だあー。

ばあ1:なんだか、いい話はねーなあ。おらとうは、もうすぐ棺おけにへーるからいいけど(受講者をみて)ここにいるしょーはどうするだい。まだまだ、元気だぞー。あと、20年は生きるな・・・。その間、安心して暮らしていくにゃ-、ここで、よーく勉強してもらって、なんかかんげ-たほうがいいぞー。どんねん、介護保険料払ったって、やって欲しいことがやってもらえるかどうかはわからねーからなあ
助け合えることは、みんなでかんげ-なきゃいけねーと思うだよ。どうでやすい。

じい1:そうだいなあ。皆さん、ちっと、かんげえとくんなんし。