おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、ある整備工場の個人工具についてです。
上の写真をじっくりと見てほしい。これは、ある整備工場の工具置場である。このキャディーの右にもう一つ、メガネやモンキーなどのハンドツールBOXがある。これらの工具は「共用工具」なのだ。普通、ハンドツールと呼ばれる工具は、メカニックごとの「個人工具」である。
しかし、この整備工場は「共用工具」なのだ。5名いるメカニック全員が、個人用のハンドツールを持っていない。作業に使用する工具が必要な場合、この場所に来て、目当ての工具を探し、作業場に戻り整備作業を行う。
始めこの工場に入った時は、この工具が共用工具とは分からなかった。ある特定のメカニックの工具かと思って何気なく見ていたら、次々とメカニックが来ては、工具を探し持っていく。自分が持っている工具にないものを取りに来るものと、見ていがどうも雰囲気が違う。
そこで、あるメカニックに「これは誰の工具なの」と、尋ねたところ全員のだという返事である。エッ、全員の、と思わず声を出してしまった。返事をしたメカニックは、そんなんに珍しいのかと、逆に不思議がられた。
私の今までの常識をガラリと変える出来事である。なんとも不思議な整備工場であり、生産性の低い工場であると、一瞬思ってしまったが、後からじっくりと考えてみると、逆に合理的な工具のあり方ではないかと思えるようになったのである。
この工場は、指定整備工場ギリギリの面積しかない、狭い工場である。そこに5名のメカニックがいて、それぞれキャディーにハンドツールを搭載して、整備作業をしていたら、キャディーが邪魔になることが頻繁に発生すると思う。
であれば共用工具にして、どのストールから10歩も歩けば取りに来れるので、工場を広く使える使えるし、同じ工具を5つも揃える必要がないので購入費なども節約できる。実に合理的な方法と、関心をしたぐらいだ。ただ、現在の状態を見て見ると、合理的な方法ということで、実施したのではなく、何となくそうしたことを匂わせる。
このハンドツールを種類やサイズ単位で壁掛け式にして、両面から取り出しやすく、探しやすい状態にし、軽微な分解・清掃・組み立てができるバイス台も設けたら、見栄えもよく使いやすい「ハンドツールの共用工具化」ができる。
「包丁一本、晒しに巻いて旅に出るのも・・・・」のことが、優秀な料理人(メカニック)の証のように思われてきたが、コストダウンと生産性の両立を図る新しい工具のあり方と思うが、いかがだろうか?
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