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中古車仲介販売ー2:事業目的とメリット&デメリット

2010年04月22日 | 営業・フロント全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、中古車仲介販売の2回目「事業目的とメリット&デメリット」です

中古車販売店や整備工場などが「仲介事業」を手掛ける目的は、3つある。
一つは、仲介利益、二つ目が、売り手および買い手の顧客情報の資産化、そして三つ目が、個人間売買による周辺付加価値を本業の事業にフィードバックすることにある。

利益については、仲介事業ゆえに、従来のように自社で仕入れを起こし、営業活動をして販売するのと違って、車両本体からの台当たり「粗利益」は低くなるが、「営業利益」で比較した場合、条件次第では現在と遜色ないレベルになる。

仮に、在庫するために必要な経費(水道光熱費、広告宣伝費、車両価値値落ち、税金、自賠責保険料、金利など)を、一日当たり2,000円とすると、30日在庫で60,000円、45日で90,000円、60日では120,000円にもなる。

100万円の車両を販売して登録諸費用の利益などを入れて、200,000円の粗利益があっても、在庫30日後に販売すると営業利益は140,000円、45日で110,000円、60日で80,000円となる。長在になって90日後だとたったの20,000円しか残らない。

仲介ビジネスでは、仲介手数料を売り手・買い手の双方から5%ずつ得たとすると、100万円の車両売買では、100,000円の手数料収入になる。
これに、登録代行料やメンテナンス代、ローン手数料などが加われば、従来の営業利益と遜色ない額となる。しかも、在庫リスクが無いことを考えると、魅力があるビジネスモデルと言える。

ところが、目先の利益が下がることを嫌って、仲介事業に踏み切れない中古車販売店や整備工場が多くある。
ある仲介全国組織が、FCの立ち上げ時期に中古車販売店へ加入営業を展開していた時に、中古車販売店を潰すのか、とか、お前達は何を考えているのかなど、結構激しい抵抗を業界から受けたと、いう話を聞いたことがある。

では、ナゼ今仲介ビジネスに取り組む必要があるのかだ。
それは、昨日のTIO21ブログでも述べたが、この先、従来の中古車販売ビジネスモデルから、個人間売買が主流になり、それをビジネスにした仲介ビジネスモデルが本格化してからリングに上がるのではなく、
リングが出来つつある今のうちに上がって、仲介ビジネスのノウハウを習得し固め、個人間売買だったらあの店で、という確固たるブランドを築き、本格化した時に、数歩先を歩いて競合他社よりも優位に競争を展開するためである。

加えて言えば、知名度なども含めた先行利益と、前述の通り在庫リスクが無く、営業利益が従来と同じ程度に得られ、なお且つ従来では得られない顧客の創造が出来るなど新しいビジネスとして、とても魅力があるからだ。

では、中古車販売店や整備工場が行う仲介ビジネスのメリットは、
 1.在庫負担・リスクが無い
 2.周辺利益が見込める
 3.自社展示車の販売チャンスが広がる
 4.優先的に買い取りが出来る
 5.展示場の活性化が図れる
などがある。

一方、デメリットとして、
 1.台当たり粗利益が下がる
 2.売買のトラブルに巻き込まれる危険がある
 3.商品の品質が十分につかめない(完全仲介の場合)
が上げられる。

私は、デメリットもあるがメリットの方が多いこともあり、真剣に取り組みを考える時期だと思っている。
アメリカやヨーロッパでは、中古車流通の主流は「個人間売買」で、業者扱いはサブ的な存在になっていることも考えれば、これから先日本でも主流になるのではないかと思う。

明日は、仲介業の成功のポイントを考えてみたい。


株式会社ティオ
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