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メカニックの適正残業時間とはー1.誰が残業をするか決めるのか

2011年10月25日 | 人事・労務全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、メカニックの適正残業時間とはー1.誰が残業を決めるのか、です。

平成21年版整備白書によると、月の平均残業時間の割合は以下の通りだ。

       0時間 5H未満 5~10H 10~20H 20~30H 30~40H 40~50H 50H以上
・専業工場   32.5     23.1     11.6     18.5     8.5      2.8      1.6      1.5
・兼業工場     21.6     23.1     10.7     22.6    13.4      6.0      1.6      1.0
・ディーラー    1.1      7.7      8.4     27.9    30.4     15.7      6.4      2.4    
・自家工場     24.1     15.2     13.5     19.8    16.0      7.2      1.7      2.5
・平均     19.0     17.1     10.4     22.6    17.6      8.2      3.3      1.8

経営的には、残業は限りなく「0」に近づけることになるが、メカニックに言わせると、残業代が
ないと生活できないなど、残業代が生活給になっているため、無理してでも残業を作っている。

終業の時間に、「工場長、ブレーキフルードの交換が残っているので、今日残って仕上げます。」
と、残業の申請が口頭でなされる。工場長は、「そうか、ご苦労だけどそうしてくれ」と言って
残業を認める。

あるいは、「工場に電気が点いているが、誰か残業しているのか?」
と、申請や許可なく残業をしているケースも見受けらる。
このケースは、どの整備工場に見られる。

これで残業になるのは、いいのだろうか?
組織的にもこうした形で残業を許しているのは、問題である。

工場長など現場の上司たちは、自らも残業して生活を維持してきた経験があり、
無下に残業することを断り切れない現状がある。

とは言え、残業は基本的に下からの申告で許可すべきない。
上司たる者から、残業を「指示する」ことが本来の姿だ。

では誰が指示するのかと言えば、フロントである。
フロントが工程管理を行って納期を管理しているからだ。

フロントは、お客さまに約束した納車日時と作業の進行状況や、翌日の入庫量を睨んで、
どうしても残業が必要と判断した時に、「〇〇さん、今日〇時間の残業をお願いします」と、
業務命令を発するのだ。

これ以外は無許可残業として、認めてはならない。
これを組織のルールとして厳守すること。そうしないと、残業は減らないしなくならない。

生活給として残業が必要で、嫌でも残業しなければならない事情は、十分理解できるが、
それと組織のルールは別問題である。

このことを、会社全体で確認しておくことだ。


株式会社ティオ
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