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H23年度整備白書からの報告ー1.整備売上高は2年連続のプラスだが

2012年04月23日 | 業界動向

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、H23年度整備白書からの報告ー1.整備売上高は2年連続のプラスだが、です。

平成23年度の整備売上は、前年比2.1%増の5兆6,021億円となり、2年連続のプラス成長であった。
元になる値は、H22年6月に最も近い決算期の数字になる。したがって、実際のデータは平成21年の
実績が大半を占めていて、東日本大震災の影響が見られないものである。

さて、プラス2.1%の要因を探ると、単価アップが浮かび上がる。
業界平均の整備単価は、71,218円で前年と比べて、1,493円上がっている。

売上のもう一つの要素である入庫台数は、専業、兼業、ディーラーの工場当たり3業態平均データでは、1,642台
で前年と比べると-13台だ。整備売上アップの要因は、間違いなく単価アップによるものと言える。

工場当たり3業態平均の作業別入庫台数と整備単価を見てみると、
・車検整備:入庫台数360台(前年比ー17台、ー6.0%)・・・・・・整備単価  64,189円(同+3,869円、+6.4%)
・点検整備:入庫台数200台(同ー4台、ー2.2%)・・・・・・・・・  整備単価  17,514円(同+953円、+5.8%)
・事故整備:入庫台数106台(同+4台、+4.0%)・・・・・・・・・・整備単価 128,208円(同ー17円、±0.0%)
・一般整備:入庫台数975台(同+3台、+0.3%)・・・・・・・・・・整備単価   21,228円(同+83円、+0.4%)
となている。

これを、専業工場とディーラーと比べると、専業工場の入庫台数は、1年および6カ月点検と事故整備の3作業が前年プラスだ。
一方のディーラーは、1年車検、1年および6カ月点検、事故整備の4作業がプラスになっている。

専業工場の入庫台数で気になるのは、2年車検-10.3%、1年車検-0.9%、一般整備-0.9%とマイナス幅が大きいことだ。
これは、エコカー減税・補助金(スクラップインセンティブ)などの制度代替によるものと推測する。

これは何を意味するかと言えば、顧客の流出である。
ディーラーなどで代替してしまうと、基本的には客は戻ってこない。というか、戻りたくてもメンテパックや、
車両営業マンとサービスの連携による顧客関係構築の強化により、囲い込みがされてしまうことだ。

また、売上においても結構な金額になる。車検は、前年と比べてマイナス23台である。
この分の車検整備売上は実に1,393,869円(23台×60,603円※H23年度専業工場車検単価)となる。

車検の整備粗利率70%とすれば、975,708円(1,393,869円×0.7)となり、
整備要員の約3.3カ月分(975,708円÷専業工場整備要員1か月の給与293,500円)の賃金に相当する大きな金額になる。

月にしたら1台足らずの台数だとか、じっと我慢をしていれば、台数も売り上げも戻ってくると、
思っていると大きな怪我をすることになる。
今のうちに、強力な対策が必要である。

強力と言っても、大げさな事や派手なことではない。
足元の出来ていない事や、中途半端なことを、徹底して実行することが必要だ。

例えば、車検のDMを変えるだけでも、プラスの効果がある。
要は、手間と暇を惜しんではならないということだ。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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