tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奈良のうまいものプラザ(JR奈良駅構内)

2014年04月25日 | 奈良にこだわる
4/23(水)、JR奈良駅構内の1階(もと「nara in the box」)に、「奈良のうまいものプラザ」がプレオープンした。奈良新聞(4/24付)「奈良のうまいもの発信 JR奈良駅にプラザオープン 販売やレストラン」によると、

県は23日、奈良市三条本町1丁目のJR奈良駅構内に、県の農と林と食の魅力を伝えるアンテナショップ「奈良のうまいものプラザ」をプレオープンした。3月中旬まで開業していたアンテナショップをリニューアル。県の特産品の販売スペースと、県の食材を使ったカフェ・レストランを設けた。


せんとくんがお出迎え

店舗面積は約109平方㍍。大和まななど野菜約30種類はすべて県産品。くずもちやジャムなどの加工品、県産米ヒノヒカリといった特産品も販売している。県内の飲食店や食材生産者らでつくる「奈良のうまいもの会」(78社)が運営受託。営業時間は午前7時から午後9時まで。5月7日のみ午後2時から営業する。


この日のお薦めは、アスパラガス

同会副会長で店長の堂土健一(どうど・けんいち)さん(44)は「奈良のうまいもの会としては第1号店舗。多くの人に利用してもらって、うまく軌道に乗せていきたい」と話した。グランドオープンは5月8日。先着300人に記念品のプレゼントがある。



2002年(平成14年)、県農林部は「奈良のうまいものづくり」事業を発足させた。「奈良のうまいもの」づくり部会を設け、創作料理の募集・販売や郷土・特産品料理の発掘などに取り組んできた。私も部会メンバーの一員だった。この事業を引き継いだ民間団体が「一般社団法人奈良のうまいもの会」である。同会のHPに、井上昇氏(代表理事会長)の挨拶文が掲載されている。


寿司やお菓子も勢揃い

一般社団法人奈良のうまいもの会は、平成23年に一般社団法人化して今年で3年目になります。本会は「奈良を食の力で盛り上げよう」の基本理念のもと、これまでにグルメコンテストや全会員参加の「スタンプラリー・味めぐるん奈良」の実施など、様々な活動を行ってまいりました。


スタイリッシュな瓶に入った5種類のお醤油(片上醤油)

そして今年は「奈良のうまいものガイドブック(A5版全32ページ)」を4万部発行し、奈良県ビジターズビューローの観光キャンペーンとも連携し、大変好評をいただいております。私たちの蒔いた小さなタネが、日本の心のふるさと奈良の地に根を生やし、会員の皆様の努力のおかげで、少しずつですが「奈良の食の素晴らしさを、もっと多くの人に知ってもらおう」という広がりとなって実を結ぼうとしています。


喉が渇いていたので、宇陀の黒豆を使った「黒豆茶」(140円)をいただいた。自然な甘みと香りがいい

当会は、旅館やホテル、レストラン、仕出し、加工製造販売といったジャンルの会員様が主力だったのですが、昨年度からは農業生産者、畜産関係者のご入会が相次ぎました。 会員社も80社を超え(平成26年4月現在)生産―加工―販売といった大きなネットワークが誕生したのです。生産者と飲食店が連携して「奈良の食を盛り上げよう」という趣旨に賛同してくださった結果です。


私の好物、「らほつ饅頭」(奈良祥樂)も

そして平成26年4月には、奈良の玄関口であるJR奈良駅の構内に、初めてのアンテナショップ「奈良のうまいものプラザ」をオープンさせることができました。このショップでは、生産者の方々の農畜産物を直接仕入れて販売、お土産物品や工芸品等も販売いたします。店内にはレストランスペースも併設しており、新鮮で安全な県産食材を用いた料理を提供いたします。

まさしくこのショップが「奈良の食の情報発信源」として、多くの皆様に愛されるように懸命に努力する覚悟でございます。各位におかれましては何卒、倍旧のご支援ご協力を賜りますよう心よりお願いを申し上げます。(株式会社イノウエ 代表取締役)平成26年4月

同日午後、私も「奈良のうまいものプラザ」を訪ねた。「nara in the box」当時とはレイアウトも商品もがらりと変わり、野菜などの農産品を前面に押し出した斬新な造りになっていた。ちょっとした「産直市場」だ。営業時間が7:00~21:00 ということは、朝食、ランチから夜の食事まで、すべて対応するということで、これは頼もしい。


農家直送レストラン「古都華」。グランドオープンは5/8(木)

メニューは「古都華かご農膳」(野菜バイキング1回つき 880円)、「旬の野菜バイキング」(自由 1,000円、1回のみ480円)、「ヤマトポークの炙りチャーシュー丼」(野菜スープつき 750円)、「奈良むす」(じゃこ、しゃけ、茶飯 各150円)など。


こちらは、2階の「もも太朗」さん

JR奈良駅構内の2階には、奈良の日本酒なら何でも揃う「もも太朗」さんが出店されているので、駅構内だけで奈良の「食」と「酒」のほぼ全てが網羅されるのである。

奈良のうまいもの会さん、ぜひこの勢いで「奈良はうまいものばかり」を全国にアピールしてください!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天理のいいとこ再発見!バスツアー(春)、締め切り迫る!(2014Topic)

2014年04月24日 | お知らせ
先日「奈良まほろばソムリエと行く!天理のいいとこ再発見!“春”のバスツアー」(天理市制60周年記念連携イベント)を紹介した。実施日は5月11日(日)および5月19日(月)の2回実施され、いずれも同じコースをバスで巡る。すでに申し込みの締め切り日である4月30日(水)まで、1週間を切った。まだ残席があるそうなので、ぜひお早めにお申し込みいただきたい。
※トップ写真は、黒塚古墳の墳丘の上

このツアーは天理市制60周年を記念するイベントなので、@1,800円(昼食代・資料代・保険料・入館料の実費)だけでツアーに参加できる(ただし高校生以上。「天理参考館」の無料招待券をお持ちの方は、@1,500円)。普段なかなかお参りする機会のない「天理教本部神殿」も、昇殿して拝観できる。黒塚古墳展示館・天理参考館・天理教本部神殿では、学芸員さんなどの解説が聞けるし、他の場所ではNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」のメンバーが詳しくガイドする。同市のニュースリリースなどによると、


景行天皇陵前で。景行天皇の皇子が、ヤマトタケルだ

◇日 時  5月11日(日)、5月19日(月)
  9:30天理駅前ロータリー集合、16:00頃解散
◇行 程  天理駅(9:45出発)・・大和(おおやまと)神社・・景行天皇陵・・崇神天皇陵・・黒塚古墳・・(昼食「天理観光農園 cafe わわ」)・・天理参考館・・天理教本部神殿・・天理駅(16:00頃)
◇参加費  昼食代・資料代として1,500円、天理参考館入館料300円 当日受付で集めます
◇定 員  各日 先着36名(高校生以上)
◇主 催  特定非営利活動法人 奈良まほろばソムリエの会
◇申込み・問合せ 4月30日(水)までに、参加希望日、住所・氏名・電話番号を明記し、FAX(0743-62-5016)またはEメールで総合政策課企画室(60th@city.tenri.nara.jp)へ。
※秋のバスツアーも、11月2日(日)、12月15日(月)に予定しています

お問い合わせ 天理市 総合政策課
〒632-8555 奈良県天理市川原城町605番地 天理市役所4階
電話 0743-63-1001(代表) ファックス 0743-62-5016



黒塚古墳展示館

前回のご案内では先に「天理教本部神殿」、最後に「天理参考館」としていたが、都合により順番が入れ替わったのでご注意を。なお通常、月曜日は「黒塚古墳展示館」の休館日であるが、5/19(月)は特別に開館していただける。秋のバスツアーは、石上神宮や在原神社など、山の辺の道の北部方面を予定している。

皆さん、ぜひお申し込みください!

[ P R ]
 奈良が分かる絶好の手引き書!

 奈良「地理・地名・地図」の謎
 NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」監修
 実業之日本社(じっぴコンパクト新書) 762円
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奈良「地理・地名・地図」の謎(実業之日本社)、大好評発売中!

2014年04月23日 | 奈良にこだわる
奈良新聞(4/21付)のコラム「國原譜(くにはらふ)」が、NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が監修した『奈良「地理・地名・地図」の謎』(実業之日本社刊)のことを紹介してくれた。

「聖徳太子建立の世界遺産・法隆寺に伝わる『七不思議』とは? 」「なぜ、平城京には大極殿の跡がふたつもある? 」など、奈良にまつわる謎を面白く解説した本が誕生した。実業之日本社の「奈良『地理・地名・地図』の謎」。奈良検定の最上級の資格を取得したメンバーが中心になって発足した奈良まほろぼソムリエの会が監修している。

地元出身で30年間奈良新聞に勤務する小生だが、日ごろの不勉強のせいで、本にある78の謎のうち5分の1程度しか知識がなかった。ただ、そのような県民がほとんどでは。貴重な歴史遺産を有する本県だが、それを十分に生かしきれていない。同じ古都なのに京都ブランドを確立し、プロデュース上手の京都と比べてると歯がゆい気がする。

奈良の持つ大きな潜在力に気づいていない、田舎と自覚し郷土に今一つ自信を持てない、自己主張の少ない県民性など多くの理由が考えられる。歴史好きの女性、いわゆる「レキジョ」が増えてきているのは、歴史の奥深さ、魅力が浸透してきたから。県民は地元の魅力を再認識すべきだろう。(栄)


 奈良が分かる絶好の手引き書!

 奈良「地理・地名・地図」の謎
 NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」監修
 実業之日本社(じっぴコンパクト新書) 762円

「聖徳太子建立の世界遺産・法隆寺に伝わる『七不思議』とは?」という「謎」を出したのは私なので、とても嬉しい。法隆寺七不思議には怪しいものもあるが、本書で紹介した「五重塔の上部の九輪に鎌が刺さっている」は本当で、言い伝えも残っている。

おかげさまで本書は初版1万部を売り切り、増刷した3千部もよく売れている。監修者としては、ぜひこの勢いで再度の増刷に持っていきたいところである。

今朝(4/23)の奈良新聞1面トップ記事は「リニア 奈良ルートに追い風 関経連など支持 同時開業にらみ」だった。「焦点は県内中間駅」「京都の横やりに強まる批判」などの小見出しが躍る。

『奈良「地理・地名・地図」の謎』にも「リニア中央新幹線中間駅の誘致合戦に、京都が横やり」という項目を設け、3ページにわたってきちんとした経緯を書いた。本書をリニア誘致に取り組む関係者に贈呈したところ、感謝のお便りをいただいた。「謎」は、決して古代史に限らないのである。

まだお読みになっていない皆さん、ぜひ本書をお読みになり、「奈良通」になってください!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生駒駅前100円商店街(第23回)、4月26日(土)開催!(2014Topic)

2014年04月22日 | お知らせ
勤務先の機構改革により、4月から生駒市東生駒の「公務・地域活力創造部」で勤務している。生駒市に通勤するのは初めての経験だ。そうなると、自然と生駒の情報に目が行くようになる。

4/20(日)、近鉄生駒駅北口に「ベルテラスいこま」がオープンした。奈良新聞(4/21付)《食事や買い物楽しく 「ベルテラスいこま」オープン 和太鼓などで門出祝う》によると、

生駒市などが近鉄生駒駅北口の第二地区(0・8ヘクタール)に整備していた複合商業施設「ベルテラスいこま」が20日、グランドオープンした。関係者によるテープカットのほか、県や市などのマスコットキャラクター、みこしが登場。地元和太鼓グループも演奏を披露するなど、にぎやかに門出を祝った。同施設は、鉄骨造り地上5階、地下1階建て。延べ床面積は約1万3500平方メートル。飲食店や市のアンテショップ、医療施設、市の図書室などが入っている。

山下市長は「土・日曜日、祝日には、この広場でさまざまなイベントを予定しているので、買い物や食事もしながら盛り上げてほしい」と述べた。


ベルテラスいこまのニュースリリース(PDF)を読むと、確かに近鉄(奈良線100周年記念)のイベントや生駒駅前図書室のイベント、吉本のイベントなどがずらずらと出ている。そこに「生駒駅前100円商店街」のお知らせが出ていた。

「第22回生駒駅前100円商店街」の様子。生駒駅前商店街のサイトから拝借

今回(第23回)は4月26日(土)10:00~17:00、生駒駅前商店街で開催されるとのこと(前回の様子は、こちら)。2008年に始まった100円商店街もはや23回目を迎えたのだ。

(4/23追記)「グリーンヒルいこま」の澤村章男さんから情報をいただきました。
4月26日(土曜日)、生駒駅前100円商店街を開催します。《グリーンヒルいこま》では●【こんな商品(下記のチラシ参照)】●を準備しています。また、★自衛隊広報コーナー★では、【記念品や資料の配布】を行います。&「ミニ制服で自衛官に変身」コーナーも人気ですよ!!

なお、5月16日(金)と17日(土)には、「第3回いまこいバル」も開催されるそうだ、同バルのサイトによると、

チケット価格は据え置きで、前売り1冊5枚つづり3000円、当日売り1冊3500円で販売します。しかし、クオリティはアップしています。4月25日からチケット販売しますので、是非第3回いまこいバルにご参加いただき生駒のまちを楽しんでくださいね。

奈良県は、人口当たりの飲食店数が全国で最も少ない。県内で最も人口当たり飲食店数の少ない市町村が、生駒市だ。そんな生駒市に「ベルテラスいこま」がオープンし、100円商店街が回を重ね、バルが3回目を迎える。生駒の新たな鼓動が感じられて、これは頼もしいことだ。

皆さん、ぜひ100円商店街とバルに、足をお運びください!

[ P R ]
 奈良が分かる絶好の手引き書!

 奈良「地理・地名・地図」の謎
 NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」監修
 実業之日本社(じっぴコンパクト新書) 762円


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

豊臣秀長と郡山城(産経新聞「なら再発見」第73回)

2014年04月21日 | なら再発見(産経新聞)
産経新聞奈良版、三重版ほかに好評連載中の「なら再発見」、今回(4/19付)のテーマは《「秀長さん」 郡山城と城下町づくりに尽力》、執筆されたのはNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の石田一雄さんである。石田さんは、このコーナーでは最も登板回数が多い。有り難いことだ。では全文を紹介する。
※トップ写真は、秀長の位牌を預かる菩提寺・春岳院

 大和郡山市民が親しみを込めて「秀長さん」と呼ぶ豊臣秀長。郡山城の築城と城下町づくりを行い、現在の大和郡山市の基盤を築いた。
 秀長は豊臣秀吉の弟で、ナンバー2だった。兄・秀吉を外交・内政両面で支え、決して兄より前に出ようとはせず、補佐役に徹した。秀長自身、「内々(うちうち)の儀は宗易(そうえき)(千利休)、公儀のことは宰相(秀長)存じ候(そうろう)」と言ったという。
 郡山城の築城は、織田信長から大和国守護に任じられた筒井順慶が筒井から郡山に移り、始まった。



 天正13(1585)年、順慶の子・定次(さだつぐ)が伊賀へ国替えになり、その後に秀長が入った。兄・秀吉とともに5千人の兵を率い、興福寺の僧侶たちに出迎えられ、堂々と入城したという。
 大阪城の秀吉とともに畿内を固めるため、大和・和泉・紀伊の3国をあわせて百万石の居城とし、本格的な城づくりを急いだ。紀州根来寺(ねごろじ)の大門を運んで城門とし、石材不足のため、平城京羅城門(らじょうもん)の礎石や各地の寺の礎石や石仏、五輪塔までも石垣に転用した。
      ※   ※   ※
 当時、大和国は興福寺を頂点とする寺社勢力が権勢を誇っていた。秀長はその基盤となる財政力や軍事力の弱体化を図る政策を次々と打ち出し、その力をそいだ。
 経済面では、門前町として栄えていた奈良の弱体化をはかり、新しい拠点である郡山の町づくりを進めた。例えば、味噌や酒といった日常食料品の売買を郡山のみで許可し、奈良では禁止した。
 さらに同業者による町づくりを行い、営業上の独占権を与え、税金を免除した。
 この町々を「箱本十三町(はこもとじゅうさんちょう)」と呼ぶ。運営は十三町の自治で、月当番の町は会所(かいしょ)に特許状の入った朱印箱を置き、「箱本(はこもと)」と染めぬいた小旗を立て、町全体の治安や消火、伝馬(てんま)などの世話をした。


秀長の官位にちなんで名付けられた「大納言塚」

 秀長は天正19(1591)年、郡山城で没した。秀吉はその死を深く悼み、戒名「大光院殿前亜相春岳紹栄大居士(たいこういんでんぜんあしょうしゅんがくしょうえいだいこじ)」(「亜相」は大納言の中国風呼び名)にちなんで、菩提(ぼだい)寺・大光院を建立した。
 秀長の官位が大納言であったことから、大和郡山市箕山町の墓地は「大納言塚」と呼ばれるようになった。
 葬儀は20万人の人出を記録。地元町衆は墓所の祭礼を欠かさず、その徳を慕った。
 秀吉が全幅の信頼を置いていた秀長がもう少し長生きしていれば、秀吉の暴走ともいわれる朝鮮出兵、豊臣秀次の追放、千利休の切腹などをいさめ、止めたのではないかとされる。
豊臣家の滅亡後、秀長の家臣だった藤堂(とうどう)高虎(たかとら)は、大光院を京都の大徳寺に移した。墓地の管理は、位牌(いはい)を預かる菩提寺として東光寺(現在の春岳院、大和郡山市新中町)に託した。


 豊臣秀長―ある補佐役の生涯〈上〉 (文春文庫)
 堺屋太一
 文藝春秋

 その後、墓地は荒廃したが、江戸時代に春岳院の住僧栄隆(えいりゅう)、訓祥(ぐんしょう)、郡山町民の尽力で整備され、五輪塔が建てられた。毎年4月22日には市民の手によって大納言祭が開かれている。
 春岳院(拝観は要予約)には現在、「豊臣秀長画像」と「箱本十三町御朱印箱及同文書」が残る。
      ※   ※   ※
 秀長は郡山だけでなく、県内にさまざまな足跡を残している。
 長谷寺(桜井市)本堂の再建を支援し、秀吉に滅ぼされた紀州根来寺から専誉(せんよ)僧正を招いた。僧正はその後、長谷寺を本山とする真言宗豊山(ぶざん)派の基盤を築いている。
 また、春日若宮おん祭を実質的に主催し、大宿所(おおしゅくしょ)(奈良市餅飯殿(もちいどの)町)を興福寺遍照(へんじょう)院跡に建てている。残念ながら秀長時代の建物は失われているが、秀長を慕う地元民の思いは今も脈々と受け継がれている。(NPO法人奈良まほろばソムリエの会 石田一雄)


なるほど秀長は、郡山で様々な改革を行ったのだ。そんな秀長への愛情を込めて、御所市出身の作家・堺屋太一は『豊臣秀長 ― ある補佐役の生涯(上・下)』(文春文庫)を書いた。「BOOK」データベースによると《豊臣秀吉の三歳違いの弟・秀長は史上類を見ない膨張を続けるその組織のなかで、経歴からいっても実績からいっても、万人が認めるナンバー2でありながら、自らの働きを誇ることなく、常に脇役に徹したまれにみる有能な補佐役であった。激動の戦国時代にあって天下人にのし上がる秀吉を支えた男の生涯を描いた異色の歴史長篇》とある。これはぜひ、春岳院(拝観は要予約)と大納言塚にお参りしなければ…。

石田さん、興味深いお話を、有難うございました!

[ P R ]
 奈良が分かる絶好の手引き書!

 奈良「地理・地名・地図」の謎
 NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」監修
 実業之日本社(じっぴコンパクト新書) 762円


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする