皆さんは「紀の川じるし」という取り組みをご存じだろうか。川上村(奈良県吉野郡)のHPによると《2県をわたる1本の川による森・里・海のつながりを“見える化”し、流域ぐるみの地産地消を進めるため136km の川を一つの商店街に見立てました。「紀の川じるし」は、そんなこだわりの気質が詰まった流域の恵みたちです。楽しく流域をめぐるきっかけとしながら生産者や販売する側、消費者それぞれが紀の川による循環を意識することから始めるシールラリーを実施。またこの流域の第一産業と人を教材とした環境学習も進めていこうとしています》。
「紀の川じるしの見本市」というイベントも行われているので、ご存じの方も多いことだろう。この取り組みは、環境省の「第4回グッドライフアワード」(2016年)で、特別賞を受賞されている。そして今回「地域循環共生圏の創出による持続可能な地域づくり」をテーマとした『平成30年版環境白書』などに、この取り組みが紹介された。ご関係者のOさんからのメールには、
本日6月5日(火)に閣議決定され、国会に提出されました環境省より発行される平成30年版環境白書(等)において 川上村を源流とする紀の川・吉野川流域で展開する「紀の川じるし」の取り組みが事例として掲載されました。
「川上宣言」1番目の「下流にはいつもきれいな水を流します」のおもいを流域の人々と共有することをめざしてコツコツと取組んできた結果 ずっと遠い目標と思ってきた宣言の5番目にある「地球環境に対する人類の働きかけのすばらしい見本になるよう努めます」に近づけてきたことをうれしく思いました。
環境白書には《「紀の川じるし」で流域の産業を元気に(奈良県川上村、吉野川・紀の川流域14市町村)》として、以下の通り紹介されている。14市町村には、村おこしのお手伝いをしている川上村はもちろん、私の生まれ故郷の九度山町(和歌山県伊都郡)も、母の故郷の大淀町も、父方の祖母の故郷の五條市も入っている。
奈良県川上村を源流とする吉野川は、水道水や農業用水として奈良盆地に恵みを届けながら、和歌山県に入り「紀の川」と名前を変え、紀伊水道の海へと注ぐ一級河川です。この川は、古くから上流域の林業、中流域の農業、河口域の漁業と質の高い農林水産業や流域の景観・風土を育んでいます。
同村は「水源地の村」として、1996年に「川上宣言」を全国に発信し、最源流部の原生林約740haを「水源地の森」として購入して、森林の保全活動等を行ってきました。また、吉野川・紀の川流域の14市町村と連携した事業を実施し、流域の住民と共に水源地の村づくりを進めてきました。
さらに、吉野川・紀の川の流域をひとつの「商店街」に見立て、川の流れがもたらす地域の「恵み」をブランド化し、地域を元気にして、水源の森を守り、流域の環境を守る意識を広めるため、2015年に林業、農業、漁業のキーパーソンとともに「紀の川じるし」というブランドを立ち上げました。
川による森・里(大地)・海のつながりを「見える化」し、それぞれの場所や人のおもいと気質が詰まった産品を消費者に手に取ってもらうことで、流域ぐるみで各地域の課題解決を目指しています。また「水源地の森」や流域の自然、地域産業の「恵み」を教材とした「紀の川じるしのESD」にも取り組んでいます。
なおESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発を進めるのに必要な教育」という意味である。「川上宣言」は、以下の5項目だ。
1.私たち川上は、かけがえのない水がつくられる場に暮らす者として、下流にはいつもきれいな水を流します。
2.私たち川上は、自然と一体となった産業を育んで山と水を守り、都市にはない豊かな生活を築きます。
3.私たち川上は、都市や平野部の人たちにも、川上の豊かな自然の価値に触れ合ってもらえるような仕組みづくりに励みます。
4.私たち川上は、これから育つ子供たちが、自然の生命の躍動に素直に感動できるような場を作ります。
5.私たち川上は、川上における自然とのつきあいが、地球環境に対する人類の働きかけの、すばらしい見本になるよう努めます。
長年、一貫して吉野川・紀の川を守ってきた川上村を中心とした取り組みが、このように評価されるのは、とても嬉しい。これからも、吉野川・紀の川流域の暮らしを支えていただきたいと願う。
「紀の川じるしの見本市」というイベントも行われているので、ご存じの方も多いことだろう。この取り組みは、環境省の「第4回グッドライフアワード」(2016年)で、特別賞を受賞されている。そして今回「地域循環共生圏の創出による持続可能な地域づくり」をテーマとした『平成30年版環境白書』などに、この取り組みが紹介された。ご関係者のOさんからのメールには、
本日6月5日(火)に閣議決定され、国会に提出されました環境省より発行される平成30年版環境白書(等)において 川上村を源流とする紀の川・吉野川流域で展開する「紀の川じるし」の取り組みが事例として掲載されました。
「川上宣言」1番目の「下流にはいつもきれいな水を流します」のおもいを流域の人々と共有することをめざしてコツコツと取組んできた結果 ずっと遠い目標と思ってきた宣言の5番目にある「地球環境に対する人類の働きかけのすばらしい見本になるよう努めます」に近づけてきたことをうれしく思いました。
環境白書には《「紀の川じるし」で流域の産業を元気に(奈良県川上村、吉野川・紀の川流域14市町村)》として、以下の通り紹介されている。14市町村には、村おこしのお手伝いをしている川上村はもちろん、私の生まれ故郷の九度山町(和歌山県伊都郡)も、母の故郷の大淀町も、父方の祖母の故郷の五條市も入っている。
奈良県川上村を源流とする吉野川は、水道水や農業用水として奈良盆地に恵みを届けながら、和歌山県に入り「紀の川」と名前を変え、紀伊水道の海へと注ぐ一級河川です。この川は、古くから上流域の林業、中流域の農業、河口域の漁業と質の高い農林水産業や流域の景観・風土を育んでいます。
同村は「水源地の村」として、1996年に「川上宣言」を全国に発信し、最源流部の原生林約740haを「水源地の森」として購入して、森林の保全活動等を行ってきました。また、吉野川・紀の川流域の14市町村と連携した事業を実施し、流域の住民と共に水源地の村づくりを進めてきました。
さらに、吉野川・紀の川の流域をひとつの「商店街」に見立て、川の流れがもたらす地域の「恵み」をブランド化し、地域を元気にして、水源の森を守り、流域の環境を守る意識を広めるため、2015年に林業、農業、漁業のキーパーソンとともに「紀の川じるし」というブランドを立ち上げました。
川による森・里(大地)・海のつながりを「見える化」し、それぞれの場所や人のおもいと気質が詰まった産品を消費者に手に取ってもらうことで、流域ぐるみで各地域の課題解決を目指しています。また「水源地の森」や流域の自然、地域産業の「恵み」を教材とした「紀の川じるしのESD」にも取り組んでいます。
なおESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発を進めるのに必要な教育」という意味である。「川上宣言」は、以下の5項目だ。
1.私たち川上は、かけがえのない水がつくられる場に暮らす者として、下流にはいつもきれいな水を流します。
2.私たち川上は、自然と一体となった産業を育んで山と水を守り、都市にはない豊かな生活を築きます。
3.私たち川上は、都市や平野部の人たちにも、川上の豊かな自然の価値に触れ合ってもらえるような仕組みづくりに励みます。
4.私たち川上は、これから育つ子供たちが、自然の生命の躍動に素直に感動できるような場を作ります。
5.私たち川上は、川上における自然とのつきあいが、地球環境に対する人類の働きかけの、すばらしい見本になるよう努めます。
長年、一貫して吉野川・紀の川を守ってきた川上村を中心とした取り組みが、このように評価されるのは、とても嬉しい。これからも、吉野川・紀の川流域の暮らしを支えていただきたいと願う。
さっそくのご紹介、ありがとうございます。
紀の川沿いの地域だけでなく
水道水や吉野川分水でつながる大和平野の地域も
いっしょに活動していくことを想定しています。
鉄田さんには、いつも川上村を応援いただき
平野部の活動でもご協力をいただいています。
これからもいっしょに
「流域圏」を盛り上げていきましょう!!
どうぞ、よろしくお願いします。
> 鉄田さんには、いつも川上村を応援いただき平野部の活動でもご協力をいただ
> いています。これからもいっしょに「流域圏」を盛り上げていきましょう!!
はい、吉野川の水の恩恵は、奈良盆地の隅々にまで行き渡っていてます。これからも、どうぞよろしく!
数多くのダム工事を経て、吉野川分水で大和平野に吉野川の水が回ってきたのは昭和の半ばを過ぎたころです
長女がお世話になっている青森県の田代地区は目屋ダム建設のため2度も移転した山の民たちの集落です
ここには「津軽平野の米一握り運動」という有名な話があります
移転した人たちに感謝して
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranB/TPage.cgi?id=343
水は河口の人は水上を思い、水上の人は川下の人を思うことで本当の豊かさを享受できます
吉野川・紀ノ川が行政の枠を超えて共有意識が高まっていることは素晴らしいことです
> 奈良県南部の川は源を奈良県に発しながらすべてを三重・和歌山に注ぎ、
> 人的な障害を多々生じてきたのも川で、紀の川もその例にもれず、紀州の
> 御三家の威光は昭和になっても続いていたのはいなめない事実でした
なるほど、そうだったのですか。紀州徳川家の威光で、奈良県側は遠慮させられていたのですね。
> 「津軽平野の米一握り運動」という有名な話があります 移転した人たちに感謝して
> 水は河口の人は水上を思い、水上の人は川下の人を思うことで本当の豊かさを享受できます
「米一握り運動」は存じませんでした。ダムで移転を余儀なくされる砂子瀬の人々に、下流の人々(津軽平野に住む全住民)が乏しい米を一握りずつ持ち寄り、砂子瀬に差し出したのですね。
> 吉野川・紀の川が行政の枠を超えて共有意識が高まっていることは素晴らしいことです
はい。水の恵みを受けているすべての人々が、「米一握り運動」の感謝の心でつながることが大切ですね。
水源地へ向けての感謝の気持ちを表現した「おかげ米」の贈呈ということがありました。
いま、川上村ではそれからも「水のつながりプロジェクト」と題して、水源地域と平野部の子どもの交流や農家さんとの交流を続けています。
http://www.vill.kawakami.nara.jp/source/docs/2017020700054/
《平成23年11月26日、大和平野土地改良区より川上村に「おかげ米」が贈呈されました。これは水源地域で育まれた吉野川の水が、吉野川分水として大和平野に導水され、その安定的に供給される農業用水で営農できていることに感謝し、その気持ちを形に表そうと企画されたものです。》
とありました。おかげ米の贈呈を契機に、翌年から「水のつながりプロジェクト」がスタートしたとも。素晴らしい活動です、頑張ってください!