
以前(06.9.7)当ブログで、東京でそうめんといえば「三輪そうめん」ではなく「揖保乃糸」だ、という話を書いた。奈良県人である私は、この話に少なからずショックを受けた。生産量でも、No1.は揖保乃糸だ。グルテンの多い良質の小麦粉、揖保川など播磨地方の清流(鉄分が少なく麺の色を良くする)、そこに赤穂の塩が加わってできた逸品である。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/60ced935e4f620e69158c2922606d537

揖保乃糸
ところが先日(8/7)、揖保郡(兵庫県)出身・在住のMさんから、面白いことを教わった。「揖保乃糸は、江戸時代に三輪から製造技術が伝えられて生まれたものです。地元には今も“三輪”という姓の方が多く、“斑鳩寺”や“大神(おおみわ)神社”“稗田(ひえだ)神社”という名前の社寺もありますよ」。
これは驚きだ、私が小躍りしたことは申すまでもない。早速ネットで検索してみたが、あまり情報が出てこない。その話を知人にしたところ、記事検索サービスを使っていろいろと調べてくれた。それによると…。
《播磨地方でそうめん生産が本格化したのは、19世紀初頭に、奈良県・三輪そうめんの製造技術が揖東郡神岡郷に伝えられたのがきっかけという》(96.9.19付 朝日新聞兵庫版)。
素麺神社の別名をもつ「大神神社」(たつの市神岡町)については《1869(明治2)年、素麺業者有志が奈良県の三輪明神から札を授かり祠(ほこら)を建てた。その後、現在の兵庫県手延素麺協同組合の前身である同業組合が本殿を建立。1974(昭和49)年からは宗教法人になり、素麺製造業者の守り神として親しまれている》(04.4.16 神戸新聞)。

大神神社(素麺神社)。「神戸観光壁紙写真集」より
素晴らしいのは製品管理だ。大小の業者が混在し、産地偽装(長崎・島原産を三輪産として出荷)や賞味期限改竄などで騒がれた三輪そうめんと違い、小規模な業者が中心の揖保乃糸は、兵庫県手延素麺協同組合が一括して管理している。《製品はすべて検査指導員が検査し等級を決め、組合専用の倉庫で保管。組合責任で徹底した管理が行われている》(01.8.8 交通新聞)。
《帯を解いて裏側を見ると、数字が刻まれている。生産者の登録番号だ。消費者のクレームなどがあれば、誰が生産したか直ちに調べられる。一束一束の品質に責任を持つ。そんなシステムを確立したのが、揖保乃糸の生産者の集団「兵庫県手延素麺協同組合」。組合員は組合が一括調達した原料・同じ製法で作り、全量を組合に納める。組合が認めたそうめんだけが「揖保乃糸」ブランドを名乗ることができる。組合員約500人。今年、設立120周年を迎える》(07.8.14 朝日新聞夕刊)。
一方の三輪そうめんは、06年の商標法改正で、奈良県三輪素麺工業協同組合に「三輪そうめん」という商標の使用が認められ、これを機に名誉挽回に躍起になっている。

長岳寺(天理市)の三輪そうめん
今夏の暑さで、そうめんの売れ行きは好調だそうだ。高度な技術で糸のような細さが自慢の三輪そうめん、透けるような白さとなめらかな舌触りが特徴の揖保乃糸。上記のようなウンチクを語りながら、ぜひこの夏はそうめんを食べて乗り切っていただきたい。
※冒頭の写真は、ふる里(奈良市東向商店街)の冷やしそうめん(860円+大盛り250円 8/12撮影)。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/60ced935e4f620e69158c2922606d537

揖保乃糸
ところが先日(8/7)、揖保郡(兵庫県)出身・在住のMさんから、面白いことを教わった。「揖保乃糸は、江戸時代に三輪から製造技術が伝えられて生まれたものです。地元には今も“三輪”という姓の方が多く、“斑鳩寺”や“大神(おおみわ)神社”“稗田(ひえだ)神社”という名前の社寺もありますよ」。
これは驚きだ、私が小躍りしたことは申すまでもない。早速ネットで検索してみたが、あまり情報が出てこない。その話を知人にしたところ、記事検索サービスを使っていろいろと調べてくれた。それによると…。
《播磨地方でそうめん生産が本格化したのは、19世紀初頭に、奈良県・三輪そうめんの製造技術が揖東郡神岡郷に伝えられたのがきっかけという》(96.9.19付 朝日新聞兵庫版)。
素麺神社の別名をもつ「大神神社」(たつの市神岡町)については《1869(明治2)年、素麺業者有志が奈良県の三輪明神から札を授かり祠(ほこら)を建てた。その後、現在の兵庫県手延素麺協同組合の前身である同業組合が本殿を建立。1974(昭和49)年からは宗教法人になり、素麺製造業者の守り神として親しまれている》(04.4.16 神戸新聞)。

大神神社(素麺神社)。「神戸観光壁紙写真集」より
素晴らしいのは製品管理だ。大小の業者が混在し、産地偽装(長崎・島原産を三輪産として出荷)や賞味期限改竄などで騒がれた三輪そうめんと違い、小規模な業者が中心の揖保乃糸は、兵庫県手延素麺協同組合が一括して管理している。《製品はすべて検査指導員が検査し等級を決め、組合専用の倉庫で保管。組合責任で徹底した管理が行われている》(01.8.8 交通新聞)。
《帯を解いて裏側を見ると、数字が刻まれている。生産者の登録番号だ。消費者のクレームなどがあれば、誰が生産したか直ちに調べられる。一束一束の品質に責任を持つ。そんなシステムを確立したのが、揖保乃糸の生産者の集団「兵庫県手延素麺協同組合」。組合員は組合が一括調達した原料・同じ製法で作り、全量を組合に納める。組合が認めたそうめんだけが「揖保乃糸」ブランドを名乗ることができる。組合員約500人。今年、設立120周年を迎える》(07.8.14 朝日新聞夕刊)。
一方の三輪そうめんは、06年の商標法改正で、奈良県三輪素麺工業協同組合に「三輪そうめん」という商標の使用が認められ、これを機に名誉挽回に躍起になっている。

長岳寺(天理市)の三輪そうめん
今夏の暑さで、そうめんの売れ行きは好調だそうだ。高度な技術で糸のような細さが自慢の三輪そうめん、透けるような白さとなめらかな舌触りが特徴の揖保乃糸。上記のようなウンチクを語りながら、ぜひこの夏はそうめんを食べて乗り切っていただきたい。
※冒頭の写真は、ふる里(奈良市東向商店街)の冷やしそうめん(860円+大盛り250円 8/12撮影)。
いきなりすみません。
私は神戸に住むものなんですが、
明日始めて、奈良の燈花会に参加しようと思っています。
が 奈良に行くのが初めてで、
道もあまり分からないんです。
出来れば おすすめのラーメンやサンを教えてもらえないでしょうか??JR奈良駅から行く予定なのですが。
燈花会が終わってからならで食べようかと思っているのですが…。
お手すきの時に またコメントでもいただけたら
嬉しいです♪
毎回楽しく拝見させて戴いております。
この夏も随分と暑いですねぇ。
クーラーのない私宅は本当に大変で、毎日をようやっと送っております。
さて、夏の食べ物と言えば「そうめん」ですね。
ヤキナス、冷や奴、冷やしそうめん…〓
私は大の奈良好き。
しかし…そんな私ですが、そうめんだけはどうしても「揖保の糸」を選んでしまいますし、お中元で戴くのもやはり「揖保の糸」です。
兵庫県で生まれ育ったからなのでしょうか…
大阪に嫁いできてから、嫁ぎ先に届いたお中元の中に三輪そうめんがあり「どんなのかしら」と、作ってみましたが…
「うぅ~ん…滑らかな喉越しがな~~い!!」と感じてからは、やはり食べ慣れた「揖保の糸」に戻りました。
今日の記事を見て、元は三輪から伝授されたものだったと知り驚きました。
それならば、三輪そうめんもきっと美味しいはずですよね?!
どこか「これぞ、三輪そうめんだ!!」と言う美味しい三輪そうめんが食せる所がありますでしょうか?是非教えて下さい。
私の「そうめんは揖保の糸!!」信仰?!(笑)を覆してくれるような美味しい三輪そうめんを出してくださるお店…知りたいです。
> おすすめのラーメンやサンを教えてもらえないでしょうか??
今日まで旅行していましたので、返信が遅れて大変失礼しました。もう燈花会に行かれたのですね。
JR奈良駅に近いところでは「旭川ラーメン」のスタミナラーメンか「どんたく」でしょうか。
※旭川ラーメンhttp://tmat.exblog.jp/4223822/
※どんたくhttp://www.dontaku18.com/
> 「これぞ、三輪そうめんだ!!」と言う美味しい三輪そうめんが
> 食せる所がありますでしょうか?是非教えて下さい。
三輪そうめん山本の「三輪茶屋」と、池利の「千寿亭」は美味しいですし、巷の評判も良いです。
※三輪そうめん山本http://www.miwayama.co.jp/
※千寿亭http://www.ikeri.co.jp/senjutei/index.html
細さが自慢でキレのある三輪そうめんは、グルテンが多くてモチモチ感のある揖保乃糸とは、味わい方が違います。その双方の特長を併せ持った麺が「三輪山勝製麺」の葛入りそうめんです(私のイチ押し)。
http://www.miwayamakatsu.com/
最近は、桜井市内に店舗も出店されたそうですが、まずは通販でお試し下さい。
http://www.shimanohikari.or.jp/
小麦粉の味のうまみを楽しむなら揖保の糸もいいのですが、のどごしのスピード感では「島の光」がダントツだと思います。さぬきうどんが大阪のうどんとは異質なように、そうめんもやはり「ジャンルが違う」という感じです。
「島の光」は揖保の糸と同じく小規模業者の集まった組合のブランドで、品質が安定しています。ぜひ一度お試しください。
> 不便なことのひとつは、小豆島そうめん「島の光」が入手しにくいことです。
> のどごしのスピード感では「島の光」がダントツだと思います。
なるほど。小豆島の素麺は、酸化しにくい「ごま油」を使っているそうですね。昨日、大阪へ出たついでに高島屋で「島の光」を探しましたが見つからず、「手延小豆島素麺“古”」というそうめんを買いました。(株)甚助(香川県小豆島土庄町)というメーカーです。いちど食べてみます。
> さぬきうどんが大阪のうどんとは異質なように、そうめんも
> やはり「ジャンルが違う」という感じです。
吉野さくらさんに三輪そうめんを紹介しましたが、確かに三輪そうめんと揖保乃糸では、ジャンルが違います。島の光も違うでしょう。今庄そば、出石そば、出雲そばが、それぞれ違うようなものです。好みに応じていただくのがよろしいようで…。