
今朝(4/20)の読売新聞に「まだまだ春満開」という見出しで、吉野山の桜が紹介されていた。中千本~上千本の空撮も添えられている。JR西日本の「桜だより」(4/19現在)によると、下千本は「散り始め」、中千本と上千本は「満開」である。記事によると《「1目千本」と言われる桜の名所・奈良県吉野町の吉野家まで、中腹の「中千本」から山頂周辺の「上千本」=写真、本社ヘリから=にかけての山肌を、シロヤマザクラが薄いピンク色に染めている》。
《町によると中千本、上千本は満開で、さらに標高の高い別の山の「奥千本」は近く開花し、25日頃に見頃になるという。下千本は散り始め。シーズン中は約30万人の人出が見込まれ、下千本から上千本にかけては午後6時30分~9時にライトアップされる。町観光交流室は「冬場の冷え込みで開花が例年より1週間遅れたが、今月末の連休頃まで楽しめそう」としている》。

4月14日(土)と15日(日)、私も吉野山を訪ねた。桜の時期の吉野山を訪ねるのは、約20年ぶりのことである。到着した14日は雨模様だったが、15日は晴れの予報が出ていた。下千本のロープウェイ「吉野山(山上)駅」近くの旅館歌藤に泊めていただき、早めに就寝。朝5時過ぎに飛び起き、カメラを持って玄関を出た。写真は旅館前から30秒~3分以内の場所で撮った下千本の景観である。
驚いた。こんなにきれいな雲海が出ていたのだ。よく霞がかかったような写真を見るが、あれは雲海の一部だったのだ。バシャバシャと撮っているうちに、どんどんカメラマンが増えてきた。皆さんそれぞれお気に入りの撮影スポットがあるようで、三脚をどっしりと据え、レンズを交換したり、ガラス板のフィルターをかざしながら、シャッターを切っていた。早朝はマイカーも入れるようで、大阪や兵庫など、遠方のナンバーをつけた車がそばを通り抜けていた。

冒頭の歌は、西行法師のあまりにも有名な歌である。
願はくは花の下にて春死なむ その如月(きさらぎ)の望月の頃(山家集)
西行は吉野山を愛し、庵を結んだ。下千本の満開の桜を見て思い出したのは、こんな歌である。
吉野山 谷へたなびく白雲は 峯の桜の散るにやあるらん(同)

全く、桜の花びらがぱあっと舞い散るような、見事な雲海であった。これは早朝しか見ることのできない風景である。西行はほかにも
吉野山 梢(こずえ)の花を見し日より 心は身にも添はずなりにき(同)
吉野山 やがて出(い)でじと思ふ身を 花散りなばと人や待つらむ(新古今集)
という歌を残している。「吉野山=桜」というイメージは、西行が植えつけたようである。この週末(21日と22日)は、曇から雨という予報だが、中千本と上千本の桜を求めて多くの人が訪ねそうだが、両日とも交通規制(パークアンドバスライド)が実施される。お薦めは近鉄電車であるが、特急はほぼ満席だろう。急行などは終日ラッシュアワー並の混雑が予想される。早朝など、時間をズラして訪ねるのが得策である。
それにしても、やはり吉野山の桜は日本一である。この桜を末代まで残さなければ…。
《町によると中千本、上千本は満開で、さらに標高の高い別の山の「奥千本」は近く開花し、25日頃に見頃になるという。下千本は散り始め。シーズン中は約30万人の人出が見込まれ、下千本から上千本にかけては午後6時30分~9時にライトアップされる。町観光交流室は「冬場の冷え込みで開花が例年より1週間遅れたが、今月末の連休頃まで楽しめそう」としている》。

4月14日(土)と15日(日)、私も吉野山を訪ねた。桜の時期の吉野山を訪ねるのは、約20年ぶりのことである。到着した14日は雨模様だったが、15日は晴れの予報が出ていた。下千本のロープウェイ「吉野山(山上)駅」近くの旅館歌藤に泊めていただき、早めに就寝。朝5時過ぎに飛び起き、カメラを持って玄関を出た。写真は旅館前から30秒~3分以内の場所で撮った下千本の景観である。
驚いた。こんなにきれいな雲海が出ていたのだ。よく霞がかかったような写真を見るが、あれは雲海の一部だったのだ。バシャバシャと撮っているうちに、どんどんカメラマンが増えてきた。皆さんそれぞれお気に入りの撮影スポットがあるようで、三脚をどっしりと据え、レンズを交換したり、ガラス板のフィルターをかざしながら、シャッターを切っていた。早朝はマイカーも入れるようで、大阪や兵庫など、遠方のナンバーをつけた車がそばを通り抜けていた。

冒頭の歌は、西行法師のあまりにも有名な歌である。
願はくは花の下にて春死なむ その如月(きさらぎ)の望月の頃(山家集)
西行は吉野山を愛し、庵を結んだ。下千本の満開の桜を見て思い出したのは、こんな歌である。
吉野山 谷へたなびく白雲は 峯の桜の散るにやあるらん(同)

全く、桜の花びらがぱあっと舞い散るような、見事な雲海であった。これは早朝しか見ることのできない風景である。西行はほかにも
吉野山 梢(こずえ)の花を見し日より 心は身にも添はずなりにき(同)
吉野山 やがて出(い)でじと思ふ身を 花散りなばと人や待つらむ(新古今集)
という歌を残している。「吉野山=桜」というイメージは、西行が植えつけたようである。この週末(21日と22日)は、曇から雨という予報だが、中千本と上千本の桜を求めて多くの人が訪ねそうだが、両日とも交通規制(パークアンドバスライド)が実施される。お薦めは近鉄電車であるが、特急はほぼ満席だろう。急行などは終日ラッシュアワー並の混雑が予想される。早朝など、時間をズラして訪ねるのが得策である。
それにしても、やはり吉野山の桜は日本一である。この桜を末代まで残さなければ…。
ところで吉野の桜の中にソメイヨシノはどの位でしょうか?
ヤマザクラも結構多いと聞いていますが。。
綺麗な吉野山の写真ありがとうございます。本当に綺麗な桜だったと、千葉県の地から思いを馳せております。
ブログ楽しみにしております。いつも貴重な情報をありがとうございます。
懐かしく読ませていただきました
当時は臨時列車の大増発も含めて、すべての列車が超満員で、まさに春の大輸送、それは見事なものでした
吉野の桜は遠く、役の行者、蔵王権現に由来するご神木を植えていくことから始まったもので今も引き続き桜の保護をされているので吉野山には桜が多く、当然(ソメイヨシノは江戸時代に生まれた新種)シロヤマザクラを中心に約200種3万本の桜が密集しています。
世界遺産の吉野は春の桜から幕を開けましたね
ありがとうございます!そうでしたか
安心しました
ソメイヨシノは日本人の有数の発明だと思っていますが
吉野山に有ったら後醍醐天皇の怒りに触れるに違い有りません
小林秀雄を経由して本居宣長そして古事記という連想ですので
どうしてもヤマザクラにロマンを感じてしまいますが
少し濃いピンクのしだれ桜が一番好きです
近くの公園に有るので毎日のように見に行きます
ピンク色は人の気持ちを癒す効果が有ると分かって来ましたので日本人の大和心にも影響を与えているように考えております
しかし夜桜を電灯で照らす光景は新庄村の凱旋ザクラでは有りませんが
どうしても所謂大和魂の方を感じます
本来は大和魂も大和心もおなじですが明治以降おそらく八紘一宇など漢字四文字を単位としたアドレナリン政策に影響されていると感じております
> やっぱり一眼レフですか?
そうです。デジタル一眼にズームレンズを2本用意しました。うっかりコンパクトデジカメを家に置き忘れ、アセりました。
> ソメイヨシノはどの位でしょうか?ヤマザクラも結構多いと聞いていますが。。
若林さんがお書きのとおりで、ほとんどがシロヤマザクラで、老齢化と寄生茸菌による被害に苦しんでいます。オオヤマザクラ、ソメイヨシノ、イトザクラ(シダレザクラ)などは、庭園木として、ごくわずか植えられています。
> 本当に綺麗な桜だったと、千葉県の地から思いを馳せております。
よくあんな人混みのなかで私を見つけていただいたものだと、驚いています。首都圏からわざわざお出ましいただき、深謝です。うっかりしていて、名刺をお渡しするのを忘れていました。
首都圏からの観光客は、奈良のことをよく勉強して来られますし、奈良に泊まってくださいますので、一番有り難いお客さまです。これからも、ぜひ奈良県にお越しください。
> 「記紀・万葉」「天誅組(平成25年)」「高野山開創1200年(平成27年)」
> 等とともに、中南和地域がいっそう盛り上がることを期待しています。
同感です。私も「奈良はミナミが面白い」とPRしています。
> 近鉄に入社して初めての現場応援が吉野の桜輸送に
> 関わることでした 懐かしく読ませていただきました
「桜輸送」とは、言い得て妙ですね。当日は近鉄と奈良交通がタッグを組んで、大量のお客をさばいておられました。バスだと中千本に着きますので、金峯山寺へは下って行けます。そういえば、今井には花がないのが寂しいですね。
> ピンク色は人の気持ちを癒す効果が有ると分かって来ましたので
> 日本人の大和心にも影響を与えているように考えております
ピンク色はいいですね。奈良県の花は「ナラノヤエザクラ」で、そのせいか、県下各地に八重桜があります。
ソメイヨシノは全てクローンなので、一斉に咲いて一斉に散りますが、八重桜は遅くに咲き始めて、なかなか散りません。私は八重桜が一番好きです。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/c86382d59457dbd475f863454c9ee0bc
私が小さい頃は「そんぼの桜」今井の入口の飛鳥川畔の桜は見事で奈良県中南部では有名な桜の名所でした
それが河川工事や並行して流れる率川の河川上に不法占拠の家屋が立ち始めたころからなくなって行きました
不法占拠の家屋は率川を犠牲にしたのは残念ですが無くなったので、ロータリークラブからの寄贈などで2月24日の植樹祭をきっかけに桜の名所復活が始まりました
時間はかかりますが、ひとつ前へ進みました
> 私が小さい頃は「そんぼの桜」今井の入口の飛鳥川畔
> の桜は見事で奈良県中南部では有名な桜の名所でした
これは存じませんでした。
> ロータリークラブからの寄贈などで2月24日の植樹祭をきっかけに桜の名所
> 復活が始まりました時間はかかりますが、ひとつ前へ進みました
それは良かったです。「今井de花見」を楽しめる日も近いですね。