tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

史跡 頭塔(ずとう)/生駒ケーブル&遊園地 飛行塔/毎日新聞奈良版に一挙掲載!(2021.10.6)

2021年10月13日 | 奈良にこだわる
毎日新聞奈良版(2021.10.6付)に興味深い記事が並んで載っていた。1つめは〈奈良にピラミッド!?高畑・国史跡「頭塔」隣接ホテル取り壊し“出現”で話題〉。奈良交通「破石町(わりいしちょう)」バス停前(西側)に、「ホテルウェルネス飛鳥路」(奈良市高畑町778-1)が建っていた。

(近くにある元興寺は、もとは飛鳥寺だったので、この辺りに「飛鳥」の地名が残っている。)このホテルが今夏に撤退して建物が取り壊されたことから、奥(西側)にあった国史跡・頭塔が丸見えになり、多くの拝観者を引きつけているという。記事全文を引用すると、

これまで建物の陰に隠れていた奈良市高畑町の国史跡「頭塔(ずとう)」(奈良時代)が、隣接するホテルの取り壊しで周辺の道路から見られるようになり、話題を集めている。階段状の独特の構造から「奈良のピラミッド」の異名を持つ頭塔。突如、住宅地に出現したその姿を一目見ようと、現場には連日観光客が訪れ、写真撮影などを楽しんでいる。【加藤佑輔】

頭塔は、一辺32メートルの正方形の基壇上に、土や石で7段の方形段を積み上げた高さ10メートルの塔。767(神護景雲元)年に、東大寺の僧で修二会(しゅにえ)(お水取り)を創始した実忠が、東大寺別当・良弁の命で築いたとされる。政界にも権力を振るい、大宰府に左遷された僧・玄昉(げんぼう)の頭を埋めたとの伝承が、名称の由来とされる。

東大寺南大門から南に約1キロの住宅地にあり、これまでは東隣にホテルが建っていたため、近づかないと見ることができなかった。県文化財保存課によると、今夏ホテルが取り壊されて更地になり、離れた場所からでも望めるようになったという。

9月下旬、実際に現地を訪ねてみると、平日にもかかわらず数人の観光客が集まって頭塔を眺めており、関心の高さをうかがわせた。撮影しやすいと感じたのは、県道80号沿いの奈良交通バス「破石町」バス停付近で、ほぼ全景を捉えることができる。

頭塔をカメラに収めていた大和郡山市の大学生、伊藤優梨菜さん(20)は「エジプトのピラミッドみたい、というのが第一印象。普通の住宅街の中にこんな不思議な塔が建っているというシチュエーションに興味をそそられる」。王寺町の自営業、山田滝夫さん(55)は「魅力的なスポットなのに、さほど知名度が高くないのを残念に思っていた。史跡ファンとしては、こうして注目が集まっていることがうれしい」と話した。

県は春と秋に特別公開を実施している他、前日までに現地管理人(0742・26・3171)に予約し、協力金300円を支払えば、午前9時~午後5時の間で見学できる。




史跡頭塔は、以前から何度も当ブログで紹介させていただいた。また南都銀行OBからなる「ナント・なら応援団」が2010年から最近まで、県観光局の「祈りの回廊 秘宝秘仏特別開帳」事業に伴う特別公開のガイドを務めていたので、思い出深いところである。

もう1つの記事は、〈国内初ケーブルカー生駒ケーブル/生駒山上遊園地飛行塔 土木遺産に認定 土木学会 21年度選奨〉。国内初のケーブルカーである「生駒ケーブル」と、生駒山上遊園地の「飛行塔」が、揃って「選奨土木遺産」に認定されたという。記事全文を紹介すると、



近鉄が生駒市で運行する国内初のケーブルカー「生駒ケーブル」と、同社が1929(昭和4)年に開業した生駒山上遊園地の大型遊具「飛行塔」が、公益社団法人土木学会の2021年度「選奨土木遺産」に認定された。私鉄の観光施策を語る最古の施設であることが評価された。

生駒ケーブルは、日本初のケーブルカーとして1918(大正7)年に開業。宝山寺への利便性を高めるため、鳥居前―宝山寺間の宝山寺線(約0・9キロ)が開通し、29年には遊園地の開園に合わせて、宝山寺―生駒山上間の山上線(約1・1キロ)が営業を始めた。戦時中は生駒山上に海軍基地が置かれて一時営業休止となったが、開業から100年以上たった今も市民や観光客の足として利用されている。

一方、遊園地の「飛行塔」(高さ約30メートル)は、ゴンドラに乗って「空中散歩」が楽しめる開園時からの人気アトラクション。「日本の大型遊戯機械の父」といわれた土井万蔵の代表作とされ、現存する日本最古の大型遊具といわれている。戦時中は軍の防空監視所として使われ、金属回収を免れた歴史を持つ。近鉄は今回の認定を受け、「今後も愛されるよう、維持管理していきたい」と話している。21年度の選奨土木遺産には、他に県内から十津川村の「谷瀬の吊り橋」も選ばれた。【塩路佳子】


国内初のケーブルカー「生駒ケーブル」、生駒山上遊園地の大型遊具「飛行塔」、十津川村の「谷瀬の吊り橋」が揃って公益社団法人「土木学会」の2021年度「選奨土木遺産」に認定されたとは、めでたいことだ。

いずれ、奈良まほろばソムリエ検定の試験問題として出題されると思われるので、受験生は気が抜けないが、古代の遺産だけでなく、奈良が近代化遺産にもこんなに恵まれていることは、もっと知られて良い(他にも、JR奈良駅旧駅舎、信貴山の開運橋、吉野ロープウェイなどがある)。皆さん、ぜひ足をお運びくだい!

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