歴史ある町には、歴史ある食堂が残っているのだ。先月(2021.6.21)重要伝統的建造物群保存地区・五條新町を訪ねた。地元にお住まいのYさんから、山直(五條市新町1-11-9 大和二見駅から625m)という美味しいレトロ食堂があると伺っていたからだ。
五條新町には祖母の実家があるので、子どもの頃からよく訪ねていた。保存状態が良いので、町の景観は昔とそんなに変わっていない。新町通りを大和二見方面へ西に下っていくと「新町松倉公園」がある。お店はその並び(西側)だ。
そこで看板を発見。おお、明治15年の創業とは!明治15年(1882年)は、板垣退助が暴漢に襲われた年。五條代官所で起きた天誅組(天忠組)の襲撃事件(1863年)の記憶も、まだ新しい頃だ。それから139年も続いているとは、すごい。すると明治生まれの私の祖母も、ここで食事したかも知れない。もちろん建物は建て替えられているのだろうが、瀟洒でレトロ感あふれる古民家だ。
ご夫婦で営んでおられるようで、奥さんがお茶を運んでこられた。「何がよく出ていますか?」とお聞きすると「特に何がとはありませんが、関東の方などは木の葉丼が珍しい、とおっしゃいます。カマボコの他にキノコもたくさん入っています」。
Wikipedia「木の葉丼(このはどん、このはどんぶり)」には、〈薄く切った蒲鉾と青ねぎを鶏卵で綴じた丼物である。蒲鉾とねぎ以外には、椎茸や三つ葉、筍などを入れることもある。名前の由来は、具材を舞い散る木の葉に見立てたもので、近畿地方の発祥である〉とある。確かにこのような明治レトロなお店では、カツ丼(税込み750円)やカレーライス(同550円)より、ノスタルジックな木の葉丼(同600円)の方が似つかわしい。麺類も試したかったので、かけうどん(同350円)も注文した。てっきり厨房のご主人が作るのかと思いきや、奥さんが料理を作り始めたのには驚いた。先のお客さんにはご主人が作っておられたので、これは分担されているということか。
カマボコと青ネギのほか、シイタケやシメジが入っていて、とても美味しい
麺は関西ではおなじみの柔らか麺。ツユは上品な昆布ダシの薄味
出てきたのが写真の料理である。木の葉丼には思ったよりたくさんの具材が入っている。味付けは薄味のやや甘めで、昔懐かしい味だ。うどんは「なにわの腰抜けうどん」風の昔ながらの柔らか麺、透明なツユはやはりあっさり味。先日当ブログで紹介した水沢のかけうどんと比較すると、グッと薄色。これらは、関東人にはカルチャーショックだったかも知れない。
水沢うどん「本舗丹次亭」のかけうどん(並)693円。ツユは決して
辛くはなく、全て飲み干した。濃口醤油と薄口醤油の違いだ(7/4撮影)
こちらは超辛口で有名な「岩本町スタンドそば秋葉原店」の
うどん530円。辛すぎて、到底ツユは飲み干せなかった(7/5撮影)
明治レトロで感じのいいお店である。周辺も静かで、ゆったりと時が流れる。五條新町探索のおりに、ぜひお訪ねください!
五條新町には祖母の実家があるので、子どもの頃からよく訪ねていた。保存状態が良いので、町の景観は昔とそんなに変わっていない。新町通りを大和二見方面へ西に下っていくと「新町松倉公園」がある。お店はその並び(西側)だ。
そこで看板を発見。おお、明治15年の創業とは!明治15年(1882年)は、板垣退助が暴漢に襲われた年。五條代官所で起きた天誅組(天忠組)の襲撃事件(1863年)の記憶も、まだ新しい頃だ。それから139年も続いているとは、すごい。すると明治生まれの私の祖母も、ここで食事したかも知れない。もちろん建物は建て替えられているのだろうが、瀟洒でレトロ感あふれる古民家だ。
ご夫婦で営んでおられるようで、奥さんがお茶を運んでこられた。「何がよく出ていますか?」とお聞きすると「特に何がとはありませんが、関東の方などは木の葉丼が珍しい、とおっしゃいます。カマボコの他にキノコもたくさん入っています」。
Wikipedia「木の葉丼(このはどん、このはどんぶり)」には、〈薄く切った蒲鉾と青ねぎを鶏卵で綴じた丼物である。蒲鉾とねぎ以外には、椎茸や三つ葉、筍などを入れることもある。名前の由来は、具材を舞い散る木の葉に見立てたもので、近畿地方の発祥である〉とある。確かにこのような明治レトロなお店では、カツ丼(税込み750円)やカレーライス(同550円)より、ノスタルジックな木の葉丼(同600円)の方が似つかわしい。麺類も試したかったので、かけうどん(同350円)も注文した。てっきり厨房のご主人が作るのかと思いきや、奥さんが料理を作り始めたのには驚いた。先のお客さんにはご主人が作っておられたので、これは分担されているということか。
カマボコと青ネギのほか、シイタケやシメジが入っていて、とても美味しい
麺は関西ではおなじみの柔らか麺。ツユは上品な昆布ダシの薄味
出てきたのが写真の料理である。木の葉丼には思ったよりたくさんの具材が入っている。味付けは薄味のやや甘めで、昔懐かしい味だ。うどんは「なにわの腰抜けうどん」風の昔ながらの柔らか麺、透明なツユはやはりあっさり味。先日当ブログで紹介した水沢のかけうどんと比較すると、グッと薄色。これらは、関東人にはカルチャーショックだったかも知れない。
水沢うどん「本舗丹次亭」のかけうどん(並)693円。ツユは決して
辛くはなく、全て飲み干した。濃口醤油と薄口醤油の違いだ(7/4撮影)
こちらは超辛口で有名な「岩本町スタンドそば秋葉原店」の
うどん530円。辛すぎて、到底ツユは飲み干せなかった(7/5撮影)
明治レトロで感じのいいお店である。周辺も静かで、ゆったりと時が流れる。五條新町探索のおりに、ぜひお訪ねください!