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古来の技法で作られる法華寺のお守り犬/毎日新聞「やまと百寺参り」第37回

2020年01月15日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。新年第1弾は、同会理事の久門(くもん)たつおさんの「8世紀の製法 お守り犬/法華寺(奈良市)」だった。古来そのままの技法で手作りされていることを、この記事で初めて知った。では全文を紹介する。
※トップ写真は、丹念に手作りされたお守り犬(大)と木箱

境内で歴史感をたたえる本堂、鐘楼、南門はいずれも重要文化財に指定されています。淀君の支援で1601(慶長6)年から数年をかけて建築されたものです。1951(昭和26)年、本堂の解体修理に伴う発掘調査で、礎石の間から発見され、関係者を驚かせたのが1点のお守り犬でした。

お守り犬作りには奈良時代、父藤原不比等の邸宅地に総国分尼寺の法華寺を開いた光明皇后が関わったとされます。境内の清浄な土と護摩供養から生じた灰を混ぜて作られ、皇后も自ら制作し、厄除けと安産育児を願って縁のある人たちに授けたと伝わっています。

現在も同じ製法で尼僧がお勤めの合間に手作りしています。2種類あり、大きさは大が約4㌢、小がその半分ほどです。乾燥させた後、胡粉(ご・ふん)(貝殻を原料にした白い粉)で着色、雲母粉で磨き、仕上げは墨や朱で目、鼻などを入れ、大は胴の部分に緑鮮やかな松を描いています。完成後、本尊の国宝、十一面観音立像にお供えし、祈願しています。諸願成就を祈るお守り犬の授与は本堂で手渡しのみで、郵送等は行っていません。要電話予約、大は木箱入りで3300円、小は2000円です。(奈良まほろばソムリエの会理事 久門たつお)

(宗派)光明宗
(住所)奈良市法華寺町882
(電話)0742・33・2261
(交通)近鉄大和西大寺駅からバス「法華寺前」下車、徒歩約5分
(拝観)9時~17時(受付は16時半まで)、500円(特別公開時は別途)
(駐車場)有(無料)


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