tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

川上村の林業再生に向け「吉野かわかみ社中」を設立!

2015年07月08日 | 林業・割り箸
昨日(7/7)、奈良新聞に《吉野林業再生へ一つに「吉野かわかみ社中」設立 産地の川上で新体制 29日に祈念式典》という記事が載った。全文を紹介すると、

林業不振に打ち勝ち、吉野林業を守り抜こうと、川上村の林業関係者が結集し、6月28日付で、任意団体「吉野かわかみ社中」(下西昭昌代表)を設立した。今月29日に同村内で、設立記念式典を行う。

森林組合など村内にある四つの林業関係団体が連携し、吉野林業の産地としての情報発信や後継者育成、森林保全等を行う新体制をつくった。昨年2月から検討を始め、今年1月には、村行政とともに、同村迫の村林材会館内に「川上村林業再生準備室」を開設していた。

将来的には職員数6人規模の組織を計画。森林マネジメント部は、村内の人工林全体を把握・調整し、育林や出材等の効率を高めるための森林調査を実施。川上産吉野スギ・ヒノキの一貫供給体制構築を目指す。新規雇用など事業者らが行う後継者育成も支援する。販売マーケティング部は情報発信や販売力を強化し、消費者窓口の役割も果たす。川上産吉野スギ・ヒノキで、現代の消費者ニーズに合った商品開発にも取り組む。

組織運営は構成4団体の負担金のほか、村行政が全面的にバックアップ。すでに6月補正で、新組織の立ち上げを含めて予算6千万円を計上している。事務局は村林材会館内に置く。森口尚事務局長(村役場地域振興課)は「山づくりから販売まで、皆が1つになる体制をつくり上げ、吉野林業を次の世代につないでいきたい。構成団体などの連絡調整やサポートをしながら、体制を整えたい」と話している。

そのほかの役員は次の通り。(敬称略)
副代表=大辻昭夫(村森林組合)▽理事=栗山忠昭(村長)上田一仁(村参与)南本泰男(村森林組合長)上平守男(川上郷木材林産協同組合理事長)丸谷隆久(吉野木材協同組合連合会理事長)上嶌逸平(川上産吉野材販売促進協同組合理事長)


林業・木材関連産業は、かつては吉野郡のみならず奈良県最大の地場産業だった。林業不振が言われて久しいが、ここへきて「山づくりから販売まで、皆が1つになる体制」ができたことは、とても頼もしい。中でも供給面(入口)を担当する「森林マネジメント部」だけでなく、販売面(出口)を担当する「販売マーケティング部」ができることで、商品開発力や販売力を高めることの意義は大きい。

「吉野かわかみ社中」ご関係者の皆さん、大いに期待しています!
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吉野式林業が、林業遺産(日本森林学会)に認定されました!

2015年06月05日 | 林業・割り箸
昨日(6/4)の奈良新聞1面に「吉野林業を林業遺産に 森林学会が認定 景観や技術 複合的評価」という記事が出ていた。伝統ある吉野林業(吉野式の林業)が、2014年度の「林業遺産」に認定されたのだ。関係者の皆さん、おめでとうございます!奈良新聞の記事によると、
※写真はすべて、林業・木材産業モニターツアーで撮影(2012.1026)
トップ写真は、川上村白川渡(しらかわど)チゴロブチの人工美林

吉野林業が日本森林学会(東京都千代田区)から平成26年度の「林業遺産」として認定された。林業景観や技術体系、道具類、資料群などを含めた複合遺産。吉野地方で500年以上にわたって林業技術を伝承してきたことや、山守制度などの独自システムを構築してきたことが評価された。5月28日の総会で決定した…。

さらに日本森林学会のHPによると、

奈良県吉野地域では、室町時代より長年にわたり優れた林業技術が開発・伝承されてきた。実生苗による「密植」「多間伐」「高伐期」といった施業方法を中心に、「借地林業」や「山守制度」などの独自のシステムも構築され、多くの全国の有名林業地にも影響を与えてきた。古くは酒樽や桶などの樽丸が生産され、現在においても「通直」「完満」「無節」を特徴とする優れた構造材などの建築用材が生産され続けている。また、こうした林業発展を示す特徴的な景観、道具類、資料も数多く残されている。

原木市(吉野木材協同組合連合会)の様子

認定対象:
吉野林業地としての林業景観/吉野林業の技術体系/吉野林業の中心地としての林業記念地「歴史の証人―下多古の森」/川上村林業資料館道具類展示品/吉野林業関連の近代資料群(森庄一郎著・土倉庄三郎監修『吉野林業全書』明治31年初版、北村又左衞門著・佐藤弥太郎教授監修『吉野林業概要』大正3年初版・昭和29年改訂、北村太一謹写・石橋保男発行『吉野山林 写真帳』、その他写真)

所在:
林業景観:奈良県吉野郡黒滝村・川上村・東吉野村全域/技術体系:奈良県吉野郡黒滝村・川上村・東吉野村及びその周辺町村/歴史の証人―下多古の森:奈良県吉野郡川上村下多古586番地の4 川上村有林地内/川上村林業資料館:奈良県吉野郡川上村西河486/資料群:奈良県森林技術センター(奈良県高市郡高取町吉備1)、吉野林材振興協議会(奈良県吉野郡吉野町丹治)

 森と近代日本を動かした男~山林王・土倉庄三郎の生涯
 田中淳夫
 洋泉社

「吉野林業関連の近代資料群」に、森林ジャーナリスト・田中淳夫(あつお)さんの名著『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』(洋泉社)が入っていないのは残念だ。版元で品切れになっているが、それが理由なのだろうか(私は、やっとこさ古書店で入手したが) 。

当の田中さんは今回の認定について、ご自身のブログでこのように書かれている。


樽丸(たるまる=酒樽の材料)づくりの様子

昨年から始まった日本森林学会が選定する「林業遺産」。その第2弾、2014年度選定の林業遺産 が4件発表になった。次の4つ。

天然林施業実践の森「東京大学北海道演習林」/飫肥林業を代表する弁甲材生産の歴史/吉野林業/越前オウレンの栽培技術

覚えているだろうか。昨年の5月には本ブログでも最初に選ばれた林業遺産10件を紹介したが、その内容に対して、しょぼい!と腐した。いや、正確には「地味だ」だけど。(林業遺産に10件)



それに対して、今年は4件ではあるが、ある程度知られたところが入ったという印象だ。吉野林業に飫肥林業(弁甲材に絞っているが)、東大の北海道演習林はどろ亀さんこと高橋延清氏が手がけた森ということで有名だろう。福井のオウレン栽培は、ちょっと林業の本筋から外れるようではあるが、林床利用の栽培では歴史があり、もっとも重要なものだと思う。昨年の選定されたものを腐した人間としては、ようやく納得の遺産として目に止まるようになったことは喜ばしい。

この4つを眺めて感じるのは、いずれの林業地も、複層・多様性を重んじている森が入っていること。元から天然林施業を行った東大演習林はもちろん、飫肥林業も疎植ゆえに誕生した針広混交林(三ツ岩林木遺伝子保存林など)だし、吉野林業は逆に密植の末にたどりついた低層に広葉樹が広がる混交林。そして林床のオウレン栽培は、自然林の下で薬草を栽培する見事なアグロフォレストリーである。やはり林業の行き着くところは、効率優先の一斉林ではなく、多様な森ではないか。

ちなみに吉野林業の認定対象は(中略)なかなか幅広い。人工植林として約400年たつ「歴史の証人」や、『吉野林業全書』が入っている。また川上村の林業資料館の展示品も入っているが、ここ、昨年放火にあって閉館中なんだけどね(^^;)……資料は燃えていませんから。今後は、土倉庄三郎関係の吉野林業の登録に期待しよう。

ともあれ伝統ある吉野式林業が、東京の権威ある団体のお墨付きを得たことは、とても喜ばしいことです。吉野の林業地域の皆さん、おめでとうございます!県奈良の木ブランド課の皆さん、これを機に、吉野材をもっともっとPRしましょう!
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奈良の木づかいフェスタに参加しました!

2014年10月17日 | 林業・割り箸
10月は、「奈良の木づかい運動推進月間」である。これにちなんで様々な取り組みが行われており、今月4日(土)と5日(日)には「奈良の木づかいフェスタ」が開催された。
※トップ写真は、奈良県木材協同組合連合会の甲村侑男会長。「奈良の木の家コンテスト」表彰式で

奈良県は県土の約77%が森林である。木は放っておいても年々育つので、森林蓄積は毎年増加している。森林では、植林→枝打ち・草刈り→間伐→主伐→植林という健全な「森林サイクル」を回さなければならない。それを怠ると花粉が飛び散って花粉症の原因を作ったり、貧弱な森になって崖崩れなどの災害の原因になる。


木を伐るためには、その木が使われないと(売れないと)いけない。つまり「木づかい」が最も大切なのである。そのために、奈良の木の家を建てよう、奈良の間伐材チップで紙を作ろう、端材を有効利用した「割り箸」をもっと使おう、と県民に呼びかけているのである。県のHPには、

奈良県では、今年度(平成26年度)から、毎年10月を「奈良の木づかい運動推進月間」と定めました。期間中は、県内市町村、「奈良の木」マーケティング協議会、林業及び木材関係団体、協定締結ハウスメーカー等、木材に関わる方々と連携し、イベント等を通して、奈良県産材の特長や魅力についてのPR活動を行います。皆様、この機会にぜひ、奈良の木と触れ合ってみませんか。


折りたたみ式のベンチ。これら3点の写真は、10/4にサンシャインコートで撮影


玉を転がすと木に当たり、音楽が流れる


子供は積木が大好きだ

○「奈良の木づかい運動推進月間」キックオフイベント
『奈良の木づかいフェスタ』 
日時 10月4日(土)~5日(日)両日とも10時~17時
場所 イオンモール橿原(イオンホール及びサンシャインコート)
内容
4日(土)奈良の木の家コンテスト投票、奈良の木のウクレレ演奏会、木の良さ体感装置展示、奈良の木の輪投げ、せんとくん撮影会など(サンシャインコート)
5日(日)奈良の木シンポジウム(13時~15時半)、奈良県立ジュニアオーケストラ演奏会(イオンホール)、奈良の木の家コンテスト投票・表彰式、木の良さ体感装置展示、奈良の木の輪投げ、せんとくん撮影会など(サンシャインコート)



県立ジュニアオーケストラ演奏会の冒頭で、知事が挨拶(10/5)

私は両日、イベントを拝見してきた。また5日(日)の「奈良の木シンポジウム」には、パネラーの1人として参加させていただいた。奈良新聞(10/6付)では《10月は「奈良の木づかい運動推進月間」 県産材使用など取り組み 橿原でフェスタ 団体関係者ら報告》の見出しで、シンポジウムの内容が紹介された。


見事な演奏。指揮は音楽監督の梅沢和人氏(もと大阪フィルハーモニー交響楽団コンサートマスター) 

県は10月を「奈良の木づかい運動推進月間」に定め、4、5の両日、橿原市曲川町のイオンモール橿原でキックオフイベント「奈良の木づかいフェスタ」(奈良の木づかい運動実行委員会主催)を開いた。5日には、タレントの松尾貴史氏や同運動に取り組む団体の担当者や行政関係者がシンポジウムを行い、取り組み状況などを報告した。



県森林管理事務所の小森久喜氏は治山事業で県産の間伐材を有効利用している事例を紹介したほか、南都銀行公務・地域活力創造部の鉄田憲男氏は平成20年から銀行業界でいち早く林野庁の木づかい運動に参加し、割り箸の利用促進などを行ってきた経過や、新装開店した高田支店の内装に県産材を使ったことも報告した。



川上村地域おこし協力隊の鳥居由佳さんは「海が好きだが、サンゴやマングローブも森がきれいでないと育たないので、林業に関わっている」などと訴えていた。同月間中は県内各地で木と触れ合えるイベントが行われる。



南都銀行堺支店は内装に吉野材を使い、昨年の「奈良の木のお店・宿デザインコンペ」(県主催)で、準グランプリを受賞した。イベント会場では、吉野の割り箸や、間伐材で作った木のブックマーク(しおり)なども配布した。

シンポジウムの中で私は「吉野や川上は、記紀万葉にも登場する歴史のある土地であり、神仏の聖地。そんな特別な場所で育てた特別な木だ、ということをもっと訴えなければいけない」とも申し上げた。「それが奈良の木のブランド的価値です」とも。単に香りが良い、木目が稠密、色がきれいだけではなく、この「奈良の木のブランド的価値」をアピールしなければならない。


プレゼンターは和田悟さん(南都銀行公務・地域活力創造部長)

シンポジウムのあとは、奈良の木の家コンテスト投票・表彰式が行われた。2日間の会期中、参加者が「奈良の木の家」(新築および改築)の写真パネルを見て、良いと思ったものに投票した。それを集計して、表彰が行われたのである。一般市民の「こんな家に住んでみたい」という素直な気持ちが、票に現れた。



高度経済成長のなかで、木はプラスチックや金属などに代替され、これを戻すのは簡単ではない。住宅についても、大手ハウスメーカーはほとんど内地材を使わないので、「奈良の木の家を」と呼びかけても、すぐに反応してもらえないのが現状である。しかし、これは粘り強く訴え続けなければならない。

奈良県には、県産材を使った住宅等への助成制度がある。国の木材利用ポイントを取得した住宅で、県の地域認証材や県産材を構造材や内装材に一定量以上使用した場合に対して県が助成する、という制度だ。このようなメリットをアピールしつつ、奈良の木の家を広くPRしていきたい。
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林業・木材産業座談会 in 吉野町(奈良新聞7/2付)

2014年07月07日 | 林業・割り箸
奈良新聞(7/2付)最終ページの全面を使って「林業・木材産業座談会」の模様が紹介された。見出しは《地域活性化へ「木の文化」発信 公務・地域活力創造部 南都銀行で4月発足》だ。座談会のメンバーは中神木材代表で吉野の町議会議員の中井章太(あきもと)さん、株式会社櫻井代表取締役の櫻井信孝さん、吉野中央木材株式会社専務取締役の石橋輝一さん、「吉野スタイル」代表の磯崎典央さん、地域おこし協力隊の野口あすかさん。コーディネーター(司会・進行)は南都銀行公務・地域活力創造部長の和田悟さんだった。リード文には



南都銀行はことし4月1日、3年間の中期経営計画「活力創造プラン」をスタートさせるとともに、「公務・地域活力創造部」を発足。これは従来の「公務部」と「観光企画室」(バリュー開発部)が合体したもので、「林業関連産業の振興」や「観光の振興」を図ることにより、地域の活性化をより一層推進する。

6月1日に創立80周年を迎え、ますます地域とともに歩む姿勢を鮮明にする同行。今回、ことし3月に「吉野貯木のまち」を紹介するフリー冊子を発行して反響を呼ぶなど、吉野の林業関連産業に積極的に取り組み、実績を上げている吉野町の方々に集まってもらい、これからの林業・木材産業や地域の発展について語ってもらった。


大変興味深い話が飛び出している。記事の全貌はこちら(PDF)に掲載されているので、ぜひお読みいただきたい。以下、私の印象に残った部分だけを抜粋してみる。


中井章太さん
吉野山から大峯(天川村)にかけて、修験道の仙境の地とも言えます。それがあって森林が守られてきた。
人口が減少するなかで、今のうちに方向性を明確にしないといけないと思います。そのためにも、川上村や東吉野村といった吉野郡の山間部と連携して考えていかないと。そして若い世代が歴史に学び、新たな発想と行動力で、今一度この吉野の地に多くの人と情報が集まるような活動を展開してほしいですね。

櫻井信孝さん
集成材のよいところは、乾燥や強度がしっかりしていて、狂いが少ないところですが、もちろん無垢(むく=自然素材)には無垢のよさがあり、一番大事なのは、それぞれのよいところを合わせて「見える材」としてアピールしていくことだと思います。
若い人が関心をもってくれるのはありがたいし、木を全国に売っていきたい。いいものを作っている自信はあるのだけれど、アピールもしないといけない。外国の人が日本に来たとき、和室で応対するという和の文化をもっと伝えたい。

石橋輝一さん
(ハラオシさんとは)製材所で「木取り」をする職人です。昔は回転するのこぎりに向かって、原木を腹に当てて押していたので名残でそのように呼びます。今は送材車に載せて動かします。製材所はハラオシがいないと始まらない。
子どもたち1人1人が地域産業を学びながら、小学校の6年間で中学校で使う学習机を作ることができないか、というアイデアもあります。

磯崎典央さん
(吉野は)木の恵みを余すところなく使う、本当の先進地です。樽丸(酒樽用の木材)の端材を割り箸にし、原木の皮を和紙の材料にした。1本の木にできるだけの付加価値をつけた。それは誇りではないかと思います。
今年は野口さんを中心に「空き工場」を利用した事業ができないかと考えています。本当の意味で「木のまち・吉野」になってほしい。吉野町は櫻井さんのように特徴のある製材所が多い。銘木、大径木をひく工場。スギ・ヒノキの柱を別の工場でひくところがあったり、寺社専門、能舞台、掛け軸の軸をつくるところなどもある。

野口あすかさん
(貯木まちあるきの)「言いだしっぺ」です。2年前に来たとき南都銀行さんにも協力していただいた「吉野材を使った“暮らしの道具デザインコンペ”」で吉野町に多くの人が来る機会があり、「せっかく来てもらうんなら、まちを歩いてもらって、貯木のまちを体感してもらおう」ということで第1回が始まりました。好評で、山のこと、ハラオシさんなど製材所や集成材の技術のすごさ、奥深さについて、私自身がいいなと思うことをいいなと感じてくれる人がたくさんいるんだということを実感しました。
貯木のまちを紹介する「ちょぼくブック」を作った3回目(今年3月)のときは、「まちあるきマップ」に38の製材所の人の顔写真を掲載しました。

和田悟さん
吉野は単なる林業地にとどまらず、神仏に抱かれた聖地であり、そのイメージが吉野材に投影されていること。「ハラオシさん」や樽丸に代表されるような職人の技術が受け継がれていること。一方で集成材のような新しい技術を導入し、販路を開拓されていることが印象に残りました。
これからも南都銀行は地元の皆さまと手を携えて、地域の活性化に取り組んでまいります。


吉野の林業・木材産業界では、このような若い人材が育っているのである。かつては奈良県のトップ産業だった林業・木材産業。ぜひ若いパワーでかつての活気を取り戻し、素晴らしい吉野の「木の文化」を全国に発信していただきたいものである。皆さん、吉野町の皆さん、有難うございました!

コメント (2)
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WOOD JOB!(ウッジョブ)は、青春林業エンタメ映画!

2014年05月13日 | 林業・割り箸
今年(2014年)5月10日(土)に封切りされたばかりの映画「WOOD JOB(ウッジョブ)! 神去(かむさり)なあなあ日常」を、イオンシネマ高の原で見た。これは大学受験に失敗して「林業研修プログラム」に参加した都会の青年を描いた、涙と笑いの「青春エンタメ映画」である。主役は何といっても美しい林業の村(旧・美杉村=現・津市美杉町)であり、林業に従事する村人たちだ。この映画の公式HPの「映画情報」によると、

「ウォーターボーイズ」(01)「スウィングガールズ」(04)「ハッピーフライト」(08)「ロボジー」(12)と数々のヒット作を世に送り出してきた、日本で最も注目を集める矢口史靖監督、待望の最新作!

2009年に発売され、2010年度本屋大賞第4位を獲得! あのスタジオジブリの宮崎駿監督も絶賛! シリーズ累計発行部数35万部を超える、三浦しをんのベストセラー小説『神去なあなあ日常』を原作に、矢口監督が丹念な取材の成果を加味して脚本を起こした、アクションあり、ラブあり、感動あり、ちょっぴりエッチもあり、もちろん、笑いはテンコ盛り!! 完全無欠の“青春エンタテインメント超大作”です。


「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」予告


主人公は、明日の自分のゆくえも決めきれない高卒ホヤホヤの18歳男子・勇気。ひょんなことから生まれ育った都会から遠く離れ、携帯も繋がらない、コンビニも無い、若者もあんまりいない、山奥の村で林業に従事することに。危険と隣り合わせの超重労働に心は一瞬で折れ、すぐにでも逃げ出すつもりだったのだが…。気の強い美人に恋したり、変わり者だらけの村の住人たちを好きになったり、山で不思議な体験をしたり、自然の絶大なる存在にかけがえのなさを感じてしまったり。

そして、なんといっても、今切り倒した木は自分達の祖先が植えたものであり、今植えた木を切り倒すのは自分達の子孫であるという、100年先を見据えた、気の長い“未来を作る”仕事――【林業】の魅力に、勇気は次第に気付いていく――。

都会育ちの少年がひょんなことから、ケータイも圏外でコンビ二もない、“森”で働くことになり…。まったくの未知なる世界に飛び込んでしまった、一人の若者の成長を軸に繰り広げられる爆笑と感動の物語。スクリューボールな展開に笑い、ダイナミックなクライマックスに手に汗握り、人間と自然がおりなす温かなエンディングに胸がアツくなる!!



矢口ワールド全開! 現代の閉塞感をぶっ飛ばし、“なあなあ”(ゆっくりのんびり行こう)と生きていく勇気がふつふつと湧いてくる!! 100年先を見据える【林業】の世界を舞台に、100年愛されるエンタテインメント超大作が誕生します!!!

冒頭で、平野勇気青年(染谷将太)のちゃらんぽらんでお気楽な都会生活が紹介される。偶然、街で目にした「緑の研修生」募集チラシに写っていた美女(長澤まさみ)の写真と、「森であなたと、働きたい」というキャッチコピーに心を奪われ、現地へ。夜逃げしたくなるような厳しい研修と格闘するうちに…。

とにかく、ハラハラ・ドキドキのエンタメ映画である。お説教やお勉強ではなく、いかにも頼りない都会の青年が、林業と格闘しながら自分を発見していく映画である。林業の天才・飯田ヨキ(伊藤英明)は、とてもカッコいい。彼の姿を見て林業を志す若者が増えたり、「こんな人と結婚したい」と思う女性も多いのではないだろうか。子供が神隠しにあうシーンや、千年杉を伐り出す祭りの場面は、とても迫力がある。

奈良県の県土の77%は森林だ。しかし林業従事者は減少の一方だし、高齢化も進んでいる。この映画で、林業に関心を持つ若者が少しでも増えれば良いな、と思う。まずは県下の林業関係者の皆さん、ぜひこの映画をご覧ください!

[ P R ]
 奈良が分かる絶好の手引き書!

 奈良「地理・地名・地図」の謎
 NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」監修
 実業之日本社(じっぴコンパクト新書) 762円

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