tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

吉野かわかみ社中と南都銀行が、包括連携!

2016年02月06日 | 林業・割り箸
昨日(2/5)、吉野郡川上村の林業・木材業の団体・吉野かわかみ社中と株式会社南都銀行は川上村役場で、包括連携協定を締結した。今朝(2/6付)の奈良新聞には《県林業活性化へタッグ 南都銀行 かわかみ社中 ビジネス面支援 海外販路開拓も 取り組み賛同「起爆剤に」》という見出しが躍った。南都銀行のニュースリリースによると、
※写真向かって左から栗山村長、下西代表、橋本頭取、中南部長(南都銀行公務・地域活力創造部)

「吉野かわかみ社中」と包括連携協定を締結!
~林材業関係団体と初めて連携協定を締結~

南都銀行(頭取 橋本隆史)は、本日2月5日「吉野かわかみ社中※」(吉野郡川上村代表下西昭昌 氏)と林業活性化にかかる包括連携協定を締結しました。

※「吉野かわかみ社中」 川上村の基幹産業である林業の伝統と技術を承継しつつ、新しい取組みと時代に即した事業を展開するため、川上村ならびに同村内の林業関係4団体が連携し、平成27年6月28日発足した団体。【構成団体】川上村、川上村森林組合、川上郷木材林産協同組合、吉野木材協同組合連合会、川上産吉野材販売促進協同組合



会見中の写真は、役場の佐藤充さん(川上村コンシェルジュ)に撮っていただいた

当行は、中期経営計画(「活力創造プラン」〔平成26年4月~29年3月〕)において、地域活性化を図る施策の一つとして奈良県の主要産業である「林業活性化への取組み」を掲げており、本件もその一環として取組むものです。


私は司会・進行を担当

当行にとって林材業関係団体との包括連携協定は今回が初めてであり、また、吉野かわかみ社中にとっても金融機関との連携は初めてとなります。当行は、本協定を機にこれまで以上に関係団体等と連携・協力を進めることにより、地域の活性化に一層取組んでまいります。連携事業の概要は次のとおりです。



(1)吉野林業技術の継承による持続可能な森林づくり
(2)川上産吉野材の一貫供給による六次産業化の実現
(3)川上産吉野材にかかる情報拠点の整備

当行は、金融機関としての知見をもって、これらの事業に積極的に連携・協力してまいります。具体的には、吉野材を使った魅力ある商品づくり(六次産業化)や情報発信、またそのための他業態とのマッチング、国内市場縮小への対策として海外販路の開拓支援等を検討しています。



奈良新聞には関係者のコメントが紹介されている。《橋本頭取は「危機感を持ち、一致団結して取り組む吉野かわかみ社中を応援したい。奈良県林業のブランド化目指し、一緒に取り組みたい、下西代表は「国内外のマーケットに詳しい南都銀行の力を借りて、500年の歴史を持つ吉野林業の次の500年に向かっていきたい」と述べた。吉野かわかみ社中に参画する栗山忠昭村長も立ち会い、包括連携に期待。「木の文化、一級品の素材をもう一度世に出したい」と話した》。



木材は「出口政策が肝心」といわれる。木材の供給(入口)をいくら頑張っても、消費者に受け入れられないと(需要=出口)、元も子もない。木の家の良さ、無垢材(天然木)の温かさ、吉野材の素晴らしさを知ってもらい、使ってもらうことが肝心だ。地方銀行はそのお手伝いができる。今回の連携協定を機に、日本中・世界中に吉野材をアピールしていただきたい。
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林業・木材関連産業座談会(第2回) in イムラ(奈良新聞12/17付)

2015年12月24日 | 林業・割り箸
11/30(月)、「第2回 林業・木材関連産業座談会」が株式会社イムラ「平城山(ならやま)パルク」(奈良市三条大路)で開かれ、奈良新聞(12/17付)に掲載された。昨年の第1回に続く企画である。見出しとリード文は、

南都銀行 第2回林業・木材関連産業座談会
林業再生で活力創造

昨年創立80周年を迎え、90周年までの今後10年間の経営ビジョンを「活力創造銀行」として地元の活力創造をめざす南都銀行(本店奈良市)。昨年4月に「公務・地域活力創造部」が発足、また今年6月には新頭取に橋本隆史氏が就任し、新体制で一層力強く、経営理念の一つである「地域の発展に尽くす」歩みを進めている。とりわけ、銘木「吉野杉」また、吉野林業に代表される県の主要産業、林業・木材関連産業の振興への思いは強く、各方面で支援を続けている。今回は、吉野材をふんだんに使った株式会社イムラの平城山(ならやま)パルク展示場(奈良市三条大路)に、林業関係者、有識者に集まっていただき、橋本頭取をホスト役に「林業再生」への熱い思いを語ってもらった。(コーディネーターは、南都銀行公務・地域活力創造部の鉄田憲男氏)


全文は南都銀行のHP(PDF)でお読みいただくとして、私の印象に残った部分をピックアップして紹介する。



岩井洋氏(帝塚山大学学長)
「実学の帝塚山」として、地域の企業・団体との産学官金連携に力を入れています。十津川高校と連携協定を結んでおり、吉野杉の活用も模索しています。
(全国の事例として)高知県のNPO法人「土佐の森・救援隊」による、自伐型林業とバイオマスの利用を合わせた方法などは参考になります。

井村義嗣氏(株式会社イムラ社長)
1986年に木造住宅事業を開始し、特に「吉野杉」にこだわった住宅販売に力を入れてきました。「産地直送で木材の流通革命を起こそう」という川上さぷり(川上産吉野材販売促進協同組合)と連携して、吉野杉をふんだんに使用した住宅を供給。その数は15年間で700棟。
あえて申し上げれば、木材産業は「あぐらをかいていた」のです。木を使うことへのPRが足りない。
国交省が2年前にアンケートしたところ、約80%の人が「家を木造で建てたい」と答えました。それも「できるなら地元の木で建てたい」と。国産材は高いと思われていますが、実は、リーズナブルな価格でご提供できます。
「吉野かわかみ社中」が生産から加工、流通、販売に至る一貫体制の安定供給支援を開始し、その材をイムラが上質な住まいづくりに使う。こうした官民一体の取り組みが評価され、2015年度グッドデザイン賞を受賞しました。

室垣内清明氏(奈良県農林部 奈良の木ブランド課主幹)
昨年一年かけて県の木材産業の現状を見直し、6月の県議会で林業振興プランの承認を得ました。毎年100万立方メートルの森林成長量があるのに15万立方メートルしか使われていません。吉野材は基本的にはヘリコプター出材で、マグロで言えば「トロの部分」だけを使っている。並材の注文があっても対応できないのです。建物用材として、材をまるごと使い切る施策が必要で、新しいプランにはそれを盛り込んでいます。
現在核となる県産材のホームページがないので、ポータルサイトの立ち上げを検討しています。



森口尚氏(吉野かわかみ社中 事務局長)
高度成長期は「木を出したら売れる」状態でした。そのあと木材不況がきて、阪神・淡路大震災で木造家屋が多く倒れたということで木材離れが起きた。実際は、木材だから強度が弱いのではなく、基礎部分の不具合や強度を保つための「筋交(すじか)い」がないなど、戦後の木材住宅の建設ラッシュで、工法に問題のある建物が多かったのです。その一方、マンションなど、非木造住宅が増えてきた。
ストーリー性を伝え、木はどんな使い方ができるのかをもっと提案していく「林業維新」をしたい。幕末の坂本竜馬がつくった「亀山社中」にあやかって「吉野かわかみ社中」と名付けています。

鳥居由佳氏(川上村地域おこし協力隊)
昨年は、自分で買った杉の丸太に抱きついた写真をフェイスブックに投稿したり(2万件のシェア)、テレビのバラエティ番組に出たり、吉野林業のPR活動をさせてもらっています。
林業イコール「ネガティブ」にしか聞こえないことが現状で、それは「山側」の思いこみです。それが消費者に伝わってしまっている。「しんどい」と聞けば「ああしんどいのね」と言われるだけ。人は、前向きに頑張っている人を応援したいのです。
林業、木材産業全体の県警ができていなくて「自分の村のことだけ」では、林業振興は望めません。
もっとたくさん、ポジティブな情報を発信できればと思っています。



橋本隆史氏(南都銀行頭取)
林業家・山守ほか数ある県下の木材協同組合と同じ歩調で「奈良ブランド確立」という目標に向け方向性を一つにして、「小異を捨てて大同につく」、オール奈良県的な動きができると、銀行としても協力しやすい。明治時代に土倉庄三郎氏(「吉野林業の父」と言われる川上村出身の偉人)は、林業家を説き伏せて、五社峠(川上村・吉野町)に道をつけたり、東熊野街道を整備などをされた。大きな目標に向かい、協力して動き出すことができれば良い。
きょうのお話の中でも、林業の今後に向けたヒントがたくさん出ていると思います。今後も皆様方と意見交換しながら、地元金融機関として林業振興へのお手伝いを一生懸命やっていきたいと思います。


それぞれの立場からホンネが飛び出し、有意義な座談会だった。ブログやFacebookなどで拡散されているので、良いPRになっている。ゲストの中では、鳥居由佳さんの発言がユニークだった。内に閉じこもって「しんどい」と言っていても、現状は何も変わらない。業界や地域の内外での「連携」ができれば、良い知恵も出てくるし、何より姿勢が「ポジティブ」になってくる。そのためには情報の発信と共有が必要だ。

この座談会を企画・運営し、1本の記事としてまとめるのは大変だったが、何とか「ブレークスルー」する方向性が見えてきた。来年(2016年)は、土倉庄三郎氏の百回忌。あらゆる機会をとらえて、吉野林業に光を当てたいものである。

ご参加・ご協力いただいた皆さん、有難うございました!

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イムラ創立30周年&奈良新社屋・展示場竣工祝賀会、盛大に開催!

2015年10月13日 | 林業・割り箸
10月9日(金)、「銘木吉野杉で建てる“本物の”木の家」づくりがモットーの地元工務店・株式会社イムラが、創立30周年および奈良新社屋・展示場竣工を祝う会が奈良ホテルで開かれた。
※トップ写真は井村義嗣社長。写真は4枚を除き10/9の撮影

ホテルでのパーティの前には、奈良の新社屋と展示場でお披露目があり、それぞれ担当の社員さんがコンセプトなどを分かりやすく説明して下さった。そのあと、バスで奈良ホテルへ移動し、盛大なパーティが開かれた。井村真輝さん(同社南大阪支店)が、早速翌日(10/10)のFacebookで紹介しておられた。


展示場では2階もご案内いただいた

昨日、奈良ホテルにて(株)イムラの創立30週年並びに新本社建設記念パーティを執り行わせていただきました。普段からお世話になっている多くの関係者の皆様にお越しいただき、激励の言葉をいただきました。弊社も色々な方々に支えていただき、30周年を迎えることができました。吉野の林業や地元の活性化のために、次の30年も精進させていただきます。これからもご指導ご鞭撻よろしくお願いします。

祝賀会では同社のこれまでを紹介するVTRのあと、川上村村長の栗山忠昭氏が挨拶に立った。栗山村長は昨年(2014年)、時事通信社のトップインタビューに答えて、このように語っておられた。


川上村の栗山村長

村再建の鍵となる林業の再生。かつて大阪・北浜の相場を動かした「吉野林業」は、輸入材の増大と木材価格の低迷で30年来の長いトンネルの中にある。しかし村長は、全てを国や外材のせいにするのではなく、自ら改革する必要があると強調する。「山守制度」と呼ばれる管理制度や森林組合など古い組織の上にあぐらをかいて「山を循環させる」努力を怠ってきたのではないか。関係者らと向き合い、時に批判もいとわない。目指すのは「吉野材の持続可能な一貫供給体制」の構築だ。



ひと足先にこの「吉野材の持続可能な一貫供給体制」を構築したのが、イムラと川上さぷり(川上産吉野材販売促進協同組合 理事長:上嶌逸平氏)だった。15年前の2000年(平成12年)、それまで高級品とされていた吉野杉をリーズナブルに供給できる合理的な流通の仕組みを構築したのである。いわゆる「産直住宅」の提供だ。

その後今年度に入って、川上村と林業4団体(川上村森林組合・川上郷吉野林産協同組合、吉野木材協同組合連合会・川上産吉野材販売促進協同組合)は「吉野かわかみ社中」を立ち上げ、日本の林業再生・森林環境保全にもつながる官民一体の事業システムが完成した。


功労者のお1人、川上さぷりの上嶌理事長。これら4枚の
写真は、イムラの「伐採体験ツアー」(2009.2.8)で撮影

イムラはこれらの取り組みにより、本年9月「林業再生事業システム (500年の吉野林業を住まいづくりで守る!川上村との取り組み)」として、2015年度の「グッドデザイン賞」を受賞された(受賞対象事業の主体者名はイムラ、川上村、川上さぷりの三者)。同賞の「審査員の評価」には、このように書かれている。



工務店と地域の林業組合と行政が力を合わせる事により、流通の徹底的な合理化を行いつつ、消費者ニーズに合わせた技術供給を含めた販売方法へと転換し、需要に繋がり森林の活性化をもたらした。林業関係者だけではこのような革命的な取り組みは不可能であった。守る意識が強い日本の林業に攻めて変革するひとつの突破口を見せてくれた。


川上さぷりで製材された木材を見学

さらにイムラのHPには、このように書かれている。

流通改革に加え、元材木商の知識と経験を活かした合理的な木取りの提案と材料の有効活用で、さらなる吉野杉のコストダウンを実行。その上で、生活者ニーズを意識して洋風空間にも吉野杉を活かし、構造から内装まで一棟丸ごと使用した住宅を企画しました。また一方では、川上村との協働で「伐採体験ツアー」や「川上村PRイベント」などを催し、吉野杉の価値を広く訴求する活動も行っています。 こうした取り組みの結果、15年間で約700棟(樹齢100年ものに換算し約4万本)もの吉野杉の需要を創造しました。


イムラの大工さん匠の技・やりがんな(16世紀末に現在のかんなが出現するまで使用)

この「伐採体験ツアー」には、私も参加させていただいた。森林に原木が成長していて、それを伐採する場面に立ち会い、そのあとは製材された現場を見に行く。最後はイムラの大工さんたちが作業を行う「高田クラフト」を訪ね、匠の技をご披露いただく。ランチタイムには山菜釜飯とあつあつの豚汁をいただき、食後は餅つきも体験できるという楽しいツアーだった。吉野杉の原木を見て「ああ、こんなに丁寧に育てられた吉野杉が我が家の一部になるのだ」と感動された方も多かったに違いない。


南都銀行の橋本頭取(吉野町出身)

閑話休題。栗山氏の次には株式会社南都銀行頭取の橋本隆史氏が登壇、これまでのイムラの経営努力を讃え、同行も引き続き協力していく旨を力強く表明。乾杯の音頭は前奈良県知事の柿本善也氏で、これはサプライズだった。何でも、引退後の柿本氏のお住まいは、イムラが建てた川上産吉野杉のお家とのこと。




柿本前奈良県知事



豪華な食事、雅楽の演奏と舞のアトラクションとパーティは続き、締めにイムラの井村義嗣社長が登壇した。社長は常々、同社のHPでこのように述べておられる。


住まいは地元の木材や素材を使い、気候風土や風習に合わせて地元の職人がつくることが一番だと考えております。私たちが特に“吉野杉”にこだわるのは、単に良材を使うと言うことだけではありません。地元で育った木を使うことにより、地元の山や環境を守りたいという思いがあるからです。


このような思いは、創業80年の材木商の3代目として従事して地元林業の現状を直接感じたからです。また、本物の木を使った家づくりを行うためには熟知した大工や職人が必要です。私たちは、伝統技術を持った職人を育成し、長く受け継がれてきた匠の技を生かした本物の手づくり住宅を一棟一棟丹念に仕上げてまいります。




登壇した社長の言葉で印象に残ったのは「本物の吉野杉の家を作ろう、と思い立ったものの、本当にそんなことができるのかと、最初は不安で一杯でした」というくだり。やはり社長も相当悩まれたのだ。しかし、そのご努力が実を結び、約700棟の建築という素晴らしい実績につながったのである。



井村社長、および株式会社イムラの全役職員の皆さん、このたびは本当におめでとうございます。良いタイミングで「グッドデザイン賞」も受賞され、お喜びもひとしおのことと存じます。引き続き、本物の吉野杉の家を求めるユーザーのために、また川上村、吉野の林業、そして日本の林業のために貢献していただきますよう、よろしくお願いいたします!
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吉野杉の家・イムラの平城山展示場が、10月3日(土) オープン!(2015 Topic)

2015年09月25日 | 林業・割り箸
川上産吉野杉を使った家づくりで知られる株式会社イムラが、平城宮跡朱雀門の南側に「平城山(ならやま)展示場」を10月3日(土)にオープンすると昨日(9/24)、奈良県政・経済記者クラブで発表した。イムラの井村社長と同社広報担当・岡橋さんのほか、川上産吉野材販売促進協同組合(川上さぷり)の上嶌理事長、吉野かわかみ社中の森口事務局長が、川上村から駆けつけた。すでに今朝の奈良新聞などで詳しく報じられている。同社のニュースリリースによると、

10月3日(土)朱雀門南に平城山展示場をOPEN!
~川上村などとタイアップ。吉野杉をふんだんに使った住宅展示場~

株式会社イムラ(本社:奈良市三条大路三丁目2-7-1 代表取締役社長:井村義嗣(いむらよしつぐ))は、「銘木吉野杉で建てる“本物の”木の家」づくりをモットーに、吉野郡川上村産の吉野杉を使った家づくりに取り組む木造住宅メーカーです。本年7月31日、本社を橿原市木原町から、平城宮跡・朱雀門の南側の新社屋(奈良市三条大路三丁目2-7-1)に移転・オープンしました。



本社移転に続き本年10月3日、本社の隣地に「平城山(ならやま)展示場」(延床面積:232.48㎡)を新たに開設いたします。一歩入ると、大きな吹き抜けのある開放的な空間で、銘木・吉野杉の香りやぬくもりに包まれた心地良さを体感していただけます。
(同展示場では、天井や柱・梁、建具、和室など、見渡す限り吉野杉を利用しています)。

弊社の吉野杉を用いた家づくりは、15年前にスタートしました。「住宅において生活者のニーズに合った木材の使い方を創造し、林業地と生活者の橋渡しができるのは工務店だ」と考え、流通改革などにより、吉野杉の住宅需要を創造してまいりました。




弊社はこれまで、室町時代以来約500年続く「吉野林業」(吉野式の林業施業方式)の再生に取り組み、約700棟の「吉野杉の家」を供給してまいりました。そしてこのたび、この実績を踏まえ、川上村および林業4団体(川上村森林組合・川上郷木材林産協同組合・吉野木材協同組合連合会・川上産吉野材販売促進協同組合)で構成される「吉野かわかみ社中」が弊社への安定供給支援と連携強化を表明されることにより、官民一体の取り組みへと発展しました。

川上村では現在、林業従事者の減少や高齢化、山林の手入れ不足が深刻化し、過疎化の問題などを抱えています。今回の官民一体の取り組みにより、伝統手法で木を強く美しく育てる「吉野林業」を健全な状態で後世に引継ぎ、地域を活性化させるため、「吉野杉をもっと使うこと」に取り組んでまいります。



弊社は「吉野林業」を再生させ、お客さまへ上質な住まいをお届けするという役割を担い、奈良県の人口の半数を占める奈良市・生駒市をはじめ、人口が増加している京都府南部にもアクセスしやすい場所として新しい展示場をオープンいたします。

平城宮跡・朱雀門の南側という好立地にあり、県外や県下各地から来られるお客さまや、既存のオーナーさまもお迎えするサロンを備えたこの展示場には、川上村の「アンテナショップ」スペースも設置いたします。



井村社長は、「こうした官民一体の取り組みを全国に広げ、日本全体の林業と森林を守ることにつなげたい」と考えています。ぜひお取り上げいただき、また展示場にも足をお運びいただきたく、よろしくお願いいたします。


今夏発足した「吉野かわかみ社中」が、他団体などと連携協定を結ぶのは、イムラが初めてだという。同展示場では川上村の協力により、村の特産品(木工芸品など。食品を除く)を展示する(即売ではなく注文はネットや電話で行う)。まさにオール川上村の支援を受けて展示場を開設するのである。

会見で井村社長は「新たな展示場の開設を機に、これまでの約2倍の年間100棟の吉野杉の家の販売をめざす」と語った。この展示場には、私も何度か足を運んだ。1歩、足を踏み入れると、吉野杉のよい香りが漂い、何とも言えないリラックスした気分になれる。社長は「展示場で多くの人に吉野杉の良さを見て、感じていただきたい」と語った。

展示場には駐車場も完備している(場所は、コーナン三条大路店のすぐ西側)。皆さん、ぜひいちど足をお運びください!



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吉野杉の家・株式会社イムラが 本社移転・ギャラリー開設!

2015年08月10日 | 林業・割り箸
「銘木吉野杉で建てる本物の木の家」で知られる株式会社イムラ(井村義嗣社長)が、本年(2015年)7月31日(金)に、本社を橿原市から奈良市(三条大路3丁目2番7-1号)に移転するとともに、ギャラリー(モデルハウス)を開設した(営業開始は10月4日)。



私はひと足早く7月23日(木)にお邪魔し、見学させていただいた。奈良新聞(8/4付)の記事「イムラ本社 顧客の近くへと移転 各部門の機能集約 業績拡大へ連携強化」によると、
※写真は7/23に撮影(ただし5点は同社のHPから拝借)


まずはギャラリー(平城山パルク)。玄関を上がると早速、吉野杉の床がお出迎え


この格子(扉)も吉野杉

吉野杉を用いた家づくりに取り組む、木造住宅メーカー「イムラ」(井村義嗣社長)は7月31日、三条大路3丁目の新社屋に移転オープンした。分散していた各部門の機能を集約し、社員間の情報共有能力を引き上げる。併設のギャラリーも10月4日にオープンする。



昭和2年に大和高田市で創業。平成6年に橿原市木原町に移転した。今回、事業拡大を狙い、県の人口の半数を占める奈良、生駒の両市のほか、優良住宅地として人口増を続ける精華町、木津川市など京都府南部にもアクセスしやすい場所へ進出。さらに既存顧客の6割を占める大阪府にも近くなった。


これら5点の写真は、同社スタッフブログ(7/31付)から拝借。中央が井村社長





新築された社屋は延床面積約430平方メートル(敷地面積約2,700平方メートル)で、旧本社の約2.5倍に拡大したことに伴い、大阪府豊中、堺両市の展示場勤務のインテリアコーディネーター課の社員も本社に移動。約50人が収容可能な会議室も設け、毎週月曜日には全社員による朝礼を実施し、各部門間の連携を強化する。井村社長は「社員同士のコミュニケーションを強化することで、より的確な対応がとれる」と効果を強調する。





本社隣にオープンするギャラリーには、同社が連携してきた川上村のアンテナショップのスペースも設置。住宅の購入者をもてなす場として、奈良まほろばソムリエの会の協力で、奈良を紹介する企画も計画している。井村社長は「年間60棟ペースだが、100棟に拡大したい」と事業拡大に意欲を見せていた。問い合わせは同社、電話0742-36-5515。


茶室のお洒落な電灯


茶室

吉野杉の香りが漂う、素晴らしいギャラリーだ。赤味(あかみ)と呼ばれる杉の芯の部分、白太(しらた)と呼ばれる周辺部分、源平(または赤白材)と呼ばれる赤味と白太のツートンカラーの部分をうまく組み合わせ、何ともいい感じに仕上がっている。誰しも「こんな家に住んでみたいなぁ」と思うことだろう。

同社からは早くに、「奈良本社・ギャラリー(平城山[ならやま]パルク)オープンのご案内」もいただいていた。抜粋すると、


キッチンの後方部分


テレビ台。台にするにはもったいない…

弊社の『銘木吉野杉で建てる本物の家』も発売以来15年余が経過し お陰様で700組のオーナー様にお住まい頂くなど 皆様方からご好評を得ております
この度 木造住宅事業を開始してから30年となる節目の年に かねてより念願でありました奈良市内に奈良本社とギャラリー(平城山パルク)が完成し、業務開始の運びとなりました
これを機に社員一同より一層の精進に努めて参りたいと存じますので 何卒倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます



2階


天井の梁にも立派な吉野杉が…

同社が「川上村産の吉野杉」を使っているご縁で、同村の「アンテナショップ」も誘致されるのだろう。NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」にも協力のご依頼をいただいており、今月中にも打ち合わせにお伺いする予定である。


これら3点は本社の写真




さすが、本社は屋上緑化

本社・ギャラリーの場所は平城宮跡朱雀門の南方向だ(大宮通のザ・めしやの南、コーナンの西、三条通の松屋の北)。おそらく古代の朱雀大路の一部にあたる場所だろう(朱雀大路は幅約75m、長さ約3.7km)。10月のギャラリー運営開始後には、ぜひ足を運んでいただき、「吉野杉の家」の醍醐味を味わっていただきたい。



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