石原慎太郎が、「パンドラの箱」を開けてしまった。どの様な事が有ろうとも、口にしてはいけない言葉「核兵器所有」を天下に公言してしまった。
佐藤栄作総理の時代、当時の西ドイツと秘密裏に協議したのが「核兵器保有」である。
今日では隠れもない事実として認識されている。その時の結論は、「両国とも核兵器を持った時点で、アメリカおよびソビエト(現ロシア)から、敵対国として扱われ、経済基盤が崩壊させられるであろう」という結果に終わった。今日では、ドイツと日本は、三ヶ月あれば広島型原爆を持つことが出来る国家だという世界的認識だそうである。それだけに、言っては為らない言葉であったのだ。
この言葉で、少なくとも広島、長崎、沖縄、福島の人々は、「維新の会」はこの選挙の選択肢から除かれた。
「語るに落ちる。」「墓穴を掘る。」これで助かったのが「自民党」なのか「民主党」なのか。選挙情勢は大きく転換したようだ。
それと共に、アメリカ、ロシア、だけでなく中国もまた、日本は戦前のような「覇権主義国家」に里帰りしようとしていると思われても反論の場を失った事になる。
一政治家の発言は、その人間の一言ではなくなる事を肝に銘じて欲しい。嘗て佐藤栄作は、「核兵器保有」研究の後、「非核三原則」を打ち出し、ノーベル平和賞を受賞した。
ドイツは、「核兵器」を保有せずEUの中心的国家とし、国際的発言権をましている。「陸続き国家」として、軍事力よりも経済力のほうが、影響力が大きい事が体感できるからである。
今後インドが経済成長し、国際的影響力を持った時、中国はロシア、日本、インド、アメリカの四カ国で四方からの圧力を受ける事になる。
その時の為に、国境が本土から少しでも遠い方が、国防上有利に働くからこそ、東南アジア諸国や、日本と領土問題を起こしているし、チベットの併合だと認識すべきである。
天下の小説家上がりの政治家が、最低でも認識すべき国際感覚であろうと思うが、橋下大阪市長や、石原慎太郎にはその様な認識が無い。
私は断言したい。二人とも国政に参加できる認識など無い人間だと。
二人とも「百害あって、一利無し」。スタンドプレーで政治など出来ない。してはいけない。