風向きの関係だろうか、鳥の声も国道の騒音も聞こえて来ない。 そんなお昼前なのに不思議な感じだ。 長く土木工事に携わっていると、不思議な講習会に出会う事が有る。 土木工事は常に自然との格闘なのだが、出来るだけ自然を壊さぬように作業しなくてならないのは常識だ。 しかしそんな意識を持って作業してくれる土方は少ない。 現場監督もまた然りである。 いかに安全に効率よく作業するか。 会社ではそれによって監督業は評価される。 ところが、発注先の県や国は、見る目を変えてきました。 30年前頃からですが、自然保護にいかに取り組むかが、裏の評価として出てきました。そんな事は知らない私は、有る河川改修の現場で、海老根蘭の群落が工事範囲にある事に気付きました。 黙って取って、我が家の庭に植えて置こうかと思いましたが、一応担当官に知らせておきました。 翌日、県の担当官と町の方が御出でになり、町の植物園で栽培される事に成りましたが、その後にまたまた、・・・。 「オオサンショウウオ」が住みかとしている場所が、工事範囲にある事が判明。 有名な学者先生迄御出でに成り、先ずは保護。 その後、工事は設計変更して、「井側」を使って、人工の住処を作る事に成りました。 工事完了後、「オオサンショウウオ」はその住処に放たれて、定住しています。 その護岸工事は、300mの両岸に、合計三か所、「オオサンショウウオ」用のマンションが作られましたが、三年以内に満室になりました。 今でも観察会が時々開かれています。 その後、入札のご指名が数段増えた記憶が有ります。 同業者からは、難解事業の監督さんと言われ始めたのが此の頃からだ。
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知っている人がいなければ、いないのと同じ事になるのですね。昔、植物や虫などの観察会に何度か参加した時、よく思いました。
私が直感的に「木炭墓」と思い、県の文化財課と土木化に電話してやりました。 直感は大当たり、墓碑銘まで出てくる大発見となりました。彼は連日TVの取材を受けていましたが、「不思議な事は人に聞け」と私がいつも言っていたことがきっかけだったと言っています。