藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

深山 霞の「霞的心」

2013-01-12 00:03:41 | インポート

高校教育現場の荒廃を「憂う」

大阪市立桜宮高校事件は、起こるべくして起きた事件であることが見えてきた。

といっても、私的にである。昨日早朝から、病院に出かけた。どうも奥様の「風邪」が私に取り付いたようである。下痢、頭痛、嚔、インフルエンザではなかったが、診察を待つ間、新聞や週刊誌を片っ端から読んでみた。

大阪市立桜宮高校事件の部分だけ拾い読みしたのだ。この事件は18年前まで遡らなければならないことに気がついた。

戦後の第二次ベビーブームがもたらした、教育の荒廃の一部である事に気付いた。当時の文部省は、高校入試浪人問題を解決するために、公立高校の大増設を行った。その結果、ベビーブームの去った後、国内の経済情勢の悪化と、経済の空洞化が起こり、「より高学歴の者だけが職にありつける」という現象を引き起こし、そうした中で発生したのが、高等学校専科制度である。元来専科は、大学教育の場で行われてきたものを、高等学校にも適用したのだ。その結果、体育学部や、美術学部等の学部を持つ高等学校が出現した。これ自体に問題があるわけではない。「広島商業高等学校」の様に戦前から存在していたし、むしろそのことにより、学業中心主義から、全人主義と呼べば良いかは別として、全ての子供に、より専門的高等教育を受ける機会均等をもたらしたことは事実である。

問題は、体育系の学校にだけ発生する特殊な問題があるのだ。あなたの子供が、春、夏と連続して甲子園へ出場することになったら、父兄の一員として、どれくらいの寄付金を集めなければならないかご存知であろうか。あなたのお子さんの学校が近畿一円であれば、少額で済むが、仮に広島であるとすると3000万円の寄付金を集めねばならない。一二回戦で敗北すればのことで、勝ち進めば進む程、大きな金額になる。それはどこから集めるのか。同窓会やPTAが総出でかき集める。私立は楽である。学校経営上、常にそうした事態を予測して、同窓会やPTAの規約の中に普段から積み立てておくようにしている。公立高校のPTAでは、そのようなことはできない。ただしOB会や同窓会はできる。ここに問題が発生するのだ。

今回、392人の事件説明会に出席した人間の発言が、TVや新聞で報道されるのを見ると、OBは体罰に対し許容する傾向が強い。中には「自分たちの時代はもっと厳しかった。一時的批判で今のやり方を変えるべきでない。」と、発言する人間まで存在することが判明した。何故にこのような発言が飛び出すのか、普通の人間では考えられない発言であることを、本人が気付いていないのである。一人の人間の命が失われたのに。

実はこの発言は、個人的発言ではなくOBとして、このバスケット部の遠征費や全国大会出場時に、寄付金集めに奔走したから出てくるのだ。つまり、これまでの方針を否定されることは、自分を否定されることに成るからである。また得てしてこういう人物は、世話好きでお人好しで、町内会などの世話も良くする人が多い。そうなると地元市議会議員などと親しくなり、学校現場の人事までをもそうした議員を使い介入するようになる。だから一人の指導者が18年もの長きにわたり、同じ学校に存在し続けたのだ。

こうしたことは、議員と親しく接している私などは、手に取るように見えてくる。私が最も自戒している部分である。

大阪橋元市長が「考えられない人事だ、18年間も同じ人間が同じ学校にいたことは考えられない。学校の人事権も市長が持てる議案を提出する。」と息巻いていたがこれ又、的外れな発想である。市長が人事権を持てば解決できる問題ではない事に気付いていない。問題なのは、全国大会に出ることが、如何に「お金」が必要であるのかなのだ。

バブル華やかりし時期、それまで禁止されていた中学校の、全国大会が解禁された。今度は同じような事件が、中学校で発生すると予言しておく。その根拠は、広島市内の一部の学校で、既にOB会が作られ、全国大会出場時のための積立金や、PTAに対する協力要請に、困惑しているとの話が私の耳に入ってきているからである。

そのシステムについては、近々皆さんに詳しくご説明したい。これは広島だけのことではないのです。

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