小学校の屋根である。まず材質は、石綿スレート板通称カラーベストと呼ばれる。通常の状態ではアスベストの飛散の可能性は少ないが、表面塗装が劣化し、かつ寒冷地などでは凍結により表面劣化が進み、飛散を始める。飛散防止対策は、表面塗材の管理を行う事が必要である。また、屋根に突き出たものは、ストーブ用煙突で、この中に石綿煙突管が存在していた。現在は使用されていないのであるが、温風による劣化が考えられるので、入口及び、出口の封鎖が望ましい。
給食調理場の調理ガマの断熱部分であるが(穴の中に白く見える部分)この窯が2005年以前に設置されたものであると5%の石綿を含む。加熱によりアスベストの飛散が起こり、調理員が石綿暴露をおこす。
日本の石綿検出方法は、国際的に問題視されている。JIS規格の検査方法では、5%未満の検出精度が著しく悪く、他国の方法で日本製品から石綿が検出されるケースが多いことが指摘されている。2009年韓国に生産拠点を移した、ニチアスの工場で生産されたタルクと呼ばれる蝋石の粉末から、石綿が検出され問題になった。日本の検査方法では検出されず、易易と日本に持ち込まれ、化粧品やベビーパウダーなどに使用されていた。韓国は国際条約の国際間の石綿移動禁止に関する取り決めに則り、検査したところこの事実を発見し、国際問題にまで発展したが、日本国は未だに検査方法を変更しようとはせず、信用をなくしている。ニチアスは、この事件後インドネシアに生産拠点を移し、タルクの生産をつずけているが、果たして石綿の含有されない製品か否かは判断できない状況にある。なぜならばJISによる検査方法ならば5%未満の検出が極めて困難であるからである。広島市役所本館非常階段室の上げ裏の吹付材は、蛭石であるが石綿が検出されないという。建設時期から推察するに、石綿が含有されていて可笑しくない状況であるが、JIS検査方法では幾度検査をしても検出されない。管理者の石綿に関する国際的動きに敏感な体質への変革を望む。ましてや市職員から既に中皮腫患者が発生し、犠牲者が生まれていることを謙虚に受け止めるべきであろう。
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