藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

「ヒュー‥‥ヒュー」

2019-10-30 04:22:35 | 日記・エッセイ・コラム

         金剛界曼荼羅

 午前三時、我が家の玄関先であろうか、「ヒュー‥‥ヒュー」と、鹿が鳴いた。 その声で目が覚めた。 冬が近づいてきて、山の食糧を食べつくしたのか、はたまた美味しい食べ物を探して玄関先までやって来たのか‥…そんな事を考えながら布団の中で西遊記を読み始めた。 玄奘が、太守から三蔵の号を与えられて、西に向かい旅立つところまで進んで来た。 観音菩薩から小乗の説破を非難されて、大乗の経文を取りに旅立つのだ。 小乗仏教と大乗仏教の違いは、高校時代講義で聞いたが、はるか昔の物語で、少しも覚えていない。 またまた、研鑽すべく課題が出てきた。 昔の講義を思い出して見ようと深呼吸をしてみたが、‥‥‥自分だけの幸せを祈るのが小乗で、同じ船に乗り合わした、全ての人のために祈るのが大乗くらいしか思い出せない。 それも正しいかどうか、判然としない。 またまた勉強のやり直しをしなければいけない様だ。 いかなる本を買ってくればいいか‥‥。 若き日に、広島の西にある三滝寺の、佐藤典俊和尚に親しくしていただいていた。 暇が有れば、出かけて行って、境内の中にある無縁被爆者の墓掃除をしたりしたが、そんな事を思いながら、和尚を懐かしむとともに、其のころもっと本を読んでおけばよかったと後悔している。 和尚は戦前、中国大陸を托鉢して歩き、ゴビ砂漠を放浪したと聞いている。 将に西遊記の中で生活されたのだろう。 そんな事を思い出しながら瞑想して居たら、再びもの悲しい声が、「ヒュー‥‥ヒュー」と聞こえてきた。 少し遠のいたところの様だ。

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