下僕には正月は無し・・・・・

　元旦早々、奥様に正月のご挨拶をしたら、一つだけお願いがあると言われた。　昨年12月の中ごろ、スチィールの本箱を購入した隣に、別の部屋の本箱を移して、・・・・・・。　聞いている内に、元日早々大仕事を仰せつかった。　先ずは、二つのサンルームを仕切っていたドアーを撤去。　その穴から隣室の本箱二つを移動。

　出来た空間に、洋服ダンスをはめ込む為、三つの本箱を移動。　その移動させた本箱が、地震で倒れないように金具で固定。

　幅は狭いが、五間半のサンルームの大改造である。　本日も朝食後からその続きで、やっと昼食が済んだのは一時半である。　「労働基準法違反」と叫びたいが、それは許されない。　私は下僕だった。　奥様はご機嫌である。　好きな本が思い道理に整理できてご満足・・・・、否、整理途中である。　それでも、機嫌よく数百冊の本の整理を一人でなさっておられる。　草臥れ果てた私は、今やっと二階の部屋に逃げ込んだところである。　部屋に逃げ込んだとたんに、曇っていた空から明るい光が差し込み始めた。　「ご苦労ご苦労」と慰労してくれているようである。　七つの本箱が奥様のお気に入りになって行く様は、この家が占領されていく感じである。　段々に私の居場所が無くなりつつある。　まあ・・・、人間、「起きて半畳、寝て一畳」だそうだから、二階の洋間１２畳を頂いているだけ幸せだと・・・・・。　余り愚痴をここに書くと、後で叱られそうなので・・・・・。