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ふたりはプリキュア 第33話 『 Vゲット! 心でつなげ光のパスライン!!』

2013年09月14日 | ふたりはプリキュア
気持ちの良い話であった。

 そんな今回のお話は…
 最近、志穂の様子がおかしい。ラクロスの練習が終わってもなぎさや莉奈と一緒に帰らず、たったひとりで居残り練習をしているという。
 どうやら原因は前回の試合で負けたこと。ゲームメーカーの役割を担っていた志穂は、なぎさたちに有効なパスを回すことでチームの柱となっていたのだが、たった一度のパスミスで得点を許してしまい、それを自分の責任だと思っているようなのだ。
 しかも追い討ちをかけるように、後輩の「先輩ヤバいよね」というヒソヒソ話を聞いてしまいショックを受けてしまう。
  自分を責めるあまり親友の莉奈に対してもキツくあたってしまう志穂。そのせいで口論になり、思わず莉奈は「そんなに自信がないなら、もうやめちゃいな!」と言い放ってしまう。
 心にもないことを言ったことで落ち込む莉奈。また志穂もラクロスを辞めようと考えていることをなぎさに打ち明ける。
 しかし莉奈から相談されていたほのか、そして志穂に打ち明けられていたなぎさは、かつて自分たちがした大ゲンカのことを思い出し、それぞれ莉奈と志穂を慰めようとした。だが今の志穂になぎさの助言を受け入れられる余裕はない。
 ラクロスの試合当日、志穂は会場に来ていたもののスランプから立ち直れず依然落込んだままだった。
 そんな時、なぎさは相手校の選手から「一緒に写真撮ってください」とお願いされる。だがその選手はなぎさを罠にかけようとしたレギーネの変装で、なぎさは猛攻撃に晒されてしまった。
 そこへ駆けつけるほのか。ふたりはプリキュアに変身すると、遅れて登場したジュネとコンビ攻撃を仕掛けてくるレギーネと交戦状態に入る。
 その頃、試合会場ではなぎさを欠いたベローネ学園チームがいよいよ試合に挑もうとしていた。
 以上公式のあらすじより抜粋。

 お話はあらすじにあるように、なぎさの友達シホリーナこと志穂と莉奈のケンカ話。まぁなぎほののときのように雨降って地固まる話なのは分かっていることだが、ストレートで気持ちの良い話になっている。
 主役であるなぎさたちの出番と言えばいつもに比べてかなり割合が少なく、メインとしてはシホリーナのふたりに張っているんだけど、莉奈がほのかに、志保がなぎさに相談したりして、彼女らが目立たないと言うふうにはなっていないのは上手く、なぎさとほのかの日常メインの話として良く出来ているのではないだろうか。その辺はさすがシリーズ構成の川崎良の脚本といった所か。

 お話としては、前の試合でミスした志穂がそのミスを引きずっていて~という所から始まるのだが、志穂はこういうヤツだったのかとちょっと意外で新鮮でしたよ。一応このお話がどんな話かは朧げに覚えてはいたのだが、いつも明るくてあっけらかんとしている印象の志穂が、ひとつのミスを引きずって、後輩に陰口叩かれていることを目撃してしまった所為もあるが、私がいると勝てないとかラクロス部を辞めるとか言い出すウジウジした所を見せていたとは思っていなかった。
 まぁしかし、志穂の気持ちは分からんでもなく、あかねさんがなぎさに「みんながアンタみたいに図太くない」と茶化したように、なぎさみたいに精神的にタフな人間ばかりではないし、そもそも大抵の人がそうだろうと言うもの。
 それと同時に、試合に負けてしまったとは言え、そんなたったひとつのミスをいつまでも引きずるのだから、志穂の責任感の強さも同時に垣間見るではないか。これまでさして何か彼女の人となりが見えるお話はなく、ただ主役なぎさの友人という立ち位置のキャラクターであったが、志穂というキャラクターがどういう人間なのかが見えてきて良い。
 また莉奈の方としても同様で、志穂に気持ちが伝わらなくて、ついカッとなって思ってもいないことを言ってしまい、なぎさから志穂が部を辞めると聞いて「私の所為だ」と気に病むし、それほど仲良くはないだろうほのかに相談したりして、親友の志穂を大切に想っていることを窺わせ、彼女が情に厚い人だということが分かる。
 と、このようにシホリーナがただのキャラクターとしてだけでなく、人間らしい部分を見せることをメインにしつつ、なぎほのが相談を受ける形で絡んで、なぎさ達が送る日常の風景を良く描いていたと思います。
 個人的に、莉奈がほのかに相談するシーンが印象的と言いますか、なんでなぎさじゃないんだろうと意外に思いつつも、ほのかに相談したのはなんとなく分かる気がして興味深かった。
 なぎさとほのかがプリキュアとなって随分と仲良くなり、シホリーナもほのかを接する機会が増えたのは、いつだったかの話で一緒に下校していたり、夏祭りに行ったりしていたことでもわかる。まぁそういうことがあったので、唐突にほのかに相談したわけではないわけだ。
 なぎさとシホリーナはクラスも同じだし部活も一緒で、知った仲な分なぎさには言い辛かったのだろう。むしろ関わりが少し薄い分、ほのかの方が話しやすかったのではないか。全く接点のない人に相談なんぞはしないし、なぎさは関わりが深過ぎて志穂に「だったらやめちゃえば」などと言ってしまった事をあんまり知られたくもないだろう。そこでほのかである。全く知らない仲ではないし、なぎさや志穂ほど深い付き合いな訳でもない、ぽっと悩み事を打ち明けるのにちょうどいい距離感だったと考える事が出来る。まぁほのかが学内一の優等生である事も起因しているとは思うが、近しいなぎさでなくほのかをチョイスする辺りの、なんとなく分かる感がちゃんと女子中学生している感じがして良いのだ。
 対して志穂の方を考えると、なぎさの家にわざわざ訪問して話をするのがなんとなく分かるのだ。
 志穂としてはりなとは当然話せないし、部を辞めるとまで思い詰めているので、むしろ近しい人間に聞いてもらいたかったのではないか。わざわざなぎさの家にまで来て話をするのだから、この時点で志穂はかなり迷っていたのではなかろうか。しかしなぎさはスポーツ万能(ウインタースポーツ以外だが)で、そうも1年の頃からレギュラーになっていたようだし、心臓に毛の生えたような図太いなぎさ(褒め言葉です/笑)のようには志穂は考えられなかったのではなかろうか。まぁそれも分からん話ではなく、そんな1年でレギュラーになっちゃうようなある意味才能のある人と、なんとかかんとか追いついてる人とでは、当然見ている所が違うものなぁ。

 とまぁ、プリキュアとか光と闇とか関係のない一般人メインという所で、なんとなく分かるような話っていうのは親近感があって良いわけです。そういう中で、プリキュアと言えど中学2年生のなぎさとほのかは、こういう学園生活こそが根底にあって、普通の女の子なのである事を示しているのだろう。
 今回の戦闘は、そこまでシホリーナの悩み事をメインに見せ、そこに絡んでくるなぎほのがあるので、正にお邪魔虫のような格好になっている点も上手く、戦闘中に何度もなぎさが「こんな事やっている場合じゃない」と言っている通り、試合で何とかがんばって志穂に元通りになってもらいたい事の方がよっぽど重要なのだ。なぎほのにとってプリキュア活動も大事である事には違いないけれど、それはもっと大事な日常を守る為なのである事を示していると考えて良いだろう。

 日常の中の非日常である変身スーパーヒロインものとして、やはり日常あってこそだろうという部分を感じさせるいい話だったと思います。特に捻りのない話ではあるんですけど、むしろそのストレートさが素直に入ってくる良い日常系の話でした。
 番組的には変身して戦ってなんぼではあるんですけど、戦ってばかりなのもおかしいし、戦わないのもおかしいしで、けっこう難しいバランスをとる必要がありますよねぇ。ちゃんと日常見せておかないと、最後でスマイルプリキュア!みたいく説得力なくなっちゃうからなー。


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