前回同様、割と抽象的。
そんな今回のお話は…
喜翆荘の螺旋階段では、緒花と菜子に追い詰められ進退窮まった結名の姿があった。
喜翆荘を舞台にして、さらに現地の人も積極的にキャスティングすることとなった映画製作。特撮用の機材も運び込まれ、カメラテストが行なわれていた。それを嬉しそうに眺める縁。
喜翆荘の庭にある池が映画の為に掃除され、元のプールの姿を取り戻すと、縁はそこに過去の幻影を見る。
一方、東京に戻った皐月からスイへ一本の電話が……。
以上公式のあらすじ。
前回怪しい怪しいと言っていた通り、やっぱり詐欺であった映画の件。まぁ分かってはいたことだったので驚きもしないのですが、お話的にも何がどうなったとかもなく、端的に言えば詐欺に引っ掛かって喜翆荘の資金が減った、というだけである。
ちょっと引いて物語を見れば、前回と今回のお話は縁と崇子の話ではあったが、正直な所、何を伝えたかったのかよく分からなかった。別に縁達に感情移入する何かがあったわけでもなく、詐欺をひっくり返すドラマチックな展開があったわけでもなし、湯乃鷺も喜翆荘も特に変わりなく、変わったと言えば上記した資金が減ったということと、縁と崇子の関係が変わったんだろうということくらいである。
そんななか印象に残ったのは子供達で、映画がなくなったとか詐欺だったとかで何ら変わることはなく(詐欺の件は敢えて緒花達には伝えなかったようではあるが)、彼女たちはいつも通り青春を謳歌している。
映画撮るんだって、楽しみだねー。なくなっちゃったんだって、残念だねー。も、長年使っていなかったプールを使えるようにするのも、彼女らにはいちイベントなのだ。
大人のように経営云々とか、なんだかんだのしがらみも子供達にあるはずもなく、毎日あるたくさんのイベントの中のひとつを楽しんでいる。詐欺だなんだとはもっとも縁遠く、それ故もっとも冷静にこの話の中で動いていて、大人たちにとってのこの苦い失敗は、彼女らにとっては夏の思い出のひとつなのだ。巴さんじゃないが、若いってのはそれだけで特権よねー(しみじみ)。
もひとつ、印象に残ったと言うか、意外であったのはスイだ。緒花の母でありスイの娘、そして縁の姉である皐月から映画の話はヤヴァイと聞いても、敢えて縁を止めることもなく、逆転の一手を打つわけでもなし、やったことと言えば縁の替わりに湯乃鷺温泉街の女将たちに詫びを入れにいったことくらいだ。
経営者としては、断然縁より皐月の方が向いているのは劇中通りで、胡散臭いプロデューサーの裏を取れるんだから崇子なんかよりよっぽど優秀であり抜け目がない。スイもそれは十分を理解しており、詐欺の口車に乗ってしまう縁を見てつい、跡を継ぐ気はないか?と口走ってしまう。皐月にそんな気がさらさらないのを知っているのに。
女将としてはきっと一流のスイも、人の親としては人並みなのかもしれない。騙されかけているのなら、なんとかするのが親心。でも今回の件で放ったらかしであったということは、縁がこれで何かを得てくれれば、という想いがあったのかもしれない。結局の所、彼女は仕事人なのだ。
しかしスイが全く親らしいことをしてこなかったわけではないし、才覚のある皐月ばかりを見ていたわけでもないのは事後の縁との会話でも分かる。あの夏のプールでもきっとちゃんと縁も見ていたに違いない。
まぁ結局、随分と印象的に見せていたジェット戦闘機の飛行機雲の言わんとすることはさっぱり分からなかったし、冒頭にも書いたが抽象的で何がテーマかよく分からんかった。
そう考えるとらしくない二編であったが、割とまっすぐゴーな緒花がメインでない話として、上手く出来ているのかもしれない。
そんな今回のお話は…
喜翆荘の螺旋階段では、緒花と菜子に追い詰められ進退窮まった結名の姿があった。
喜翆荘を舞台にして、さらに現地の人も積極的にキャスティングすることとなった映画製作。特撮用の機材も運び込まれ、カメラテストが行なわれていた。それを嬉しそうに眺める縁。
喜翆荘の庭にある池が映画の為に掃除され、元のプールの姿を取り戻すと、縁はそこに過去の幻影を見る。
一方、東京に戻った皐月からスイへ一本の電話が……。
以上公式のあらすじ。
前回怪しい怪しいと言っていた通り、やっぱり詐欺であった映画の件。まぁ分かってはいたことだったので驚きもしないのですが、お話的にも何がどうなったとかもなく、端的に言えば詐欺に引っ掛かって喜翆荘の資金が減った、というだけである。
ちょっと引いて物語を見れば、前回と今回のお話は縁と崇子の話ではあったが、正直な所、何を伝えたかったのかよく分からなかった。別に縁達に感情移入する何かがあったわけでもなく、詐欺をひっくり返すドラマチックな展開があったわけでもなし、湯乃鷺も喜翆荘も特に変わりなく、変わったと言えば上記した資金が減ったということと、縁と崇子の関係が変わったんだろうということくらいである。
そんななか印象に残ったのは子供達で、映画がなくなったとか詐欺だったとかで何ら変わることはなく(詐欺の件は敢えて緒花達には伝えなかったようではあるが)、彼女たちはいつも通り青春を謳歌している。
映画撮るんだって、楽しみだねー。なくなっちゃったんだって、残念だねー。も、長年使っていなかったプールを使えるようにするのも、彼女らにはいちイベントなのだ。
大人のように経営云々とか、なんだかんだのしがらみも子供達にあるはずもなく、毎日あるたくさんのイベントの中のひとつを楽しんでいる。詐欺だなんだとはもっとも縁遠く、それ故もっとも冷静にこの話の中で動いていて、大人たちにとってのこの苦い失敗は、彼女らにとっては夏の思い出のひとつなのだ。巴さんじゃないが、若いってのはそれだけで特権よねー(しみじみ)。
もひとつ、印象に残ったと言うか、意外であったのはスイだ。緒花の母でありスイの娘、そして縁の姉である皐月から映画の話はヤヴァイと聞いても、敢えて縁を止めることもなく、逆転の一手を打つわけでもなし、やったことと言えば縁の替わりに湯乃鷺温泉街の女将たちに詫びを入れにいったことくらいだ。
経営者としては、断然縁より皐月の方が向いているのは劇中通りで、胡散臭いプロデューサーの裏を取れるんだから崇子なんかよりよっぽど優秀であり抜け目がない。スイもそれは十分を理解しており、詐欺の口車に乗ってしまう縁を見てつい、跡を継ぐ気はないか?と口走ってしまう。皐月にそんな気がさらさらないのを知っているのに。
女将としてはきっと一流のスイも、人の親としては人並みなのかもしれない。騙されかけているのなら、なんとかするのが親心。でも今回の件で放ったらかしであったということは、縁がこれで何かを得てくれれば、という想いがあったのかもしれない。結局の所、彼女は仕事人なのだ。
しかしスイが全く親らしいことをしてこなかったわけではないし、才覚のある皐月ばかりを見ていたわけでもないのは事後の縁との会話でも分かる。あの夏のプールでもきっとちゃんと縁も見ていたに違いない。
まぁ結局、随分と印象的に見せていたジェット戦闘機の飛行機雲の言わんとすることはさっぱり分からなかったし、冒頭にも書いたが抽象的で何がテーマかよく分からんかった。
そう考えるとらしくない二編であったが、割とまっすぐゴーな緒花がメインでない話として、上手く出来ているのかもしれない。