(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

凪のあすから 第十七話 ビョーキなふたり

2014年02月12日 | 凪のあすから
あれ砂の音ですかね?

 そんな今回のお話は…
 冬眠から目覚めた要。あかりから報告を受けた光と美海が漁協に急ぐと、そこには光と同じく5年前と変わらぬ要の姿があった。
 また知らせを聞いたちさきと紡も漁協に駆けつけるが、要は2人一緒に現れたことに少し動揺してしまう。だが久しぶりの再会に笑顔を見せるのだった。
 その後、三橋から幾つか質問を受けることに。要自身ほとんど記憶はなかったが、砂が流れるような音がした気がすると答える。
 それを聞いた美海は、自分も今日、海に入った時その音を聞いたと言うのだが……。
 以上公式のあらすじ。

 お話は要が戻ってきて、そのおかげで海村に行く潮流が分かったので行く。という話。端的に言えば。
 サブタイ的なことを言えば、要が戻ってきての、ちさきと紡やさゆ、そして光と美海と言った所を見せてはいるのだが、個人的にはそっちよりも物語的なことの方が気になった。
 前回海に落ちた美海がどうもエナを纏ったようで、それは落ちた時にエナの欠片が張り付いたような描写があったので、そんなこったろうとは思ったものの、美海にエナが付いたことの意味は何か、ということですよね。
 本来陸の人と海の人の間の子はエナを纏わないはずなのですが、前回の美海のように、海に流れている白い欠片みたいなのを浴びるとエナが付いちゃうのであれば、海だ陸だ云々はあんまり関係無くなってくるよなぁ。ついでに言えば、エナが付いた美海は塩水浴びないと干涸びちゃうんですかね?
 干涸びるはともかく、要が戻ってきたことで、海村へいくルートが選定することが出来て、起きた直後の要が海の中で聞いた砂の流れるような音を辿っていけば、きっと海村に着くだろうという話になって、美海がその音を海に落ちた時にはっきりと聞いたとして3人で海村を目指すこととなるわけだが、それで冒頭書いたことに繋がるのです。私にはあの音が砂の流れる音には聞こえないんですよね。どちらかと言えば、サラサラというよりかはパリパリという感じで、何か殻がはがれているような音のような気がするんですが。
 そこで私の妄想としてはだ。それがエナだとすれば、それが美海に張り付いてエナを纏った、とすればけっこうつじつまが合うではないか。んじゃ何でエナがそんな海を漂っているのかという話になるのだが、う~ん。海神様が海村の人口減ったので、エナを海にバラまいてエナもってるヤツを増やすぜー的なことなのかしら?
 そもそもを言えば、美海にエナが後天的に付いたってことは、エナは生物学的に海の人たちが先天的にもってるものでなく、伝承通り海神様が与えているって事になるのか?なんカッコの物語はファンタジーなのかそうでないのか、境界が今ひとつあやふやでどう捉えていいものか迷ってしまうんですよねぇ。まぁ海に村があるという時点で、けっこうなファンタジーな物語として見ていいのであろうけど。
 ともかく、そういう物語としての部分の方が興味深く、むしろ今回メインであったろう「ビョーキなふたり」の方は、正直印象薄かったというのが今回のお話の印象ではある。

 とは言え、メイン所で何もなかったわけではなく、上手いこと見せているという部分はある。まずは前回美海にイチャイチャっぷりを見せつけられた前フリがあってのさゆ、という所で、彼女はいい子だなぁと思わせてくれる。
 要が戻ってきて嬉しいのだが、今更どうすればいいのかよく分からず、不意に邂逅して要がすぐに名前を思い出せなかったこともあって、5年も経って随分姿格好も変わってしまい、そもそも要が自分を気にしていたわけでもないので、あぁそういえば自分は彼にとってそんな程度であったと思い知らされてしまう。子供の頃に好きだった人を5年も想い続けているなんてビョーキだと自暴自棄になってしまうも、また要と再会し昔のように頭を撫でられて君は変わらないねと言われ、強がっていた彼女が涙ぐむ様はとても愛らしい。さゆはなんだかんだ言ってちょっと大人びたようなフリをしていますが、自分の気持ちにある意味素直で可愛らしい。まぁちょっとめんどくさそうではあるが(笑)。
 まぁそんな彼女の愛らしさもさることながら、この物語のテーマであろう、変わる変わらないという所でも、5年経って14歳になったさゆではあるが、冬眠痔邸て変わっていない要を変わらず好きでいる、という変わっているけど変わってない微妙なバランスを見せているのは上手い。
 さゆ以外の所でも、要が紡の家にやっかいになることになったようで、紡の家にて自分の家のように事を成すちさきを見る要は実におもしろいシーンである。
 家に帰ってきてお茶を入れようと台所へ行くちさきと紡。5年も一緒に暮らしていることもあって、実に自然にふたりが砂糖やらカップやらを戸棚から出す様子が描かれ、砂糖が無く紡が「あれ?」と呟くと、それだけでちさきは砂糖のストックを即座に出して「はい」と紡に渡すのだ。
 要が戻ってきてすぐ、漁協で光を気にするちさきを見て、5年冬眠していたけど、変わっていないものもあるとしていた所でのこの仕打ちはあまりに残酷だ。これはさゆの時と違って変わっていないようで変わった部分であり、ちさきに想いを寄せている要としては、これほど見ていてつらいものはないだろう。
 変わらないものもあれば変わるものも当然あって、時が流れている以上、むしろ変わって当然であろう。変わらないでいることが良いというわけではないし、変わってしまうことも必ずしも悪いわけでもない。そういう変化というものに対しての戸惑いをこの物語は見事に表していると言えるのではないでしょうか。

 とまぁ、割と見せ所がどこなのか今ひとつぼんやりしたふうではあったものの、基本的にメインキャラクターの想いは相変わらず常に一方通行で、こいつらの関係性は最終的にどう落ち着くのかなーと、ずーっと気にさせてついでに物語的なことも興味を引っぱってここまで来ているんだから上手いことやっている。
 しかし相変わらず着地点が全然見えてこないので、綺麗に収まってくれればいいのだがとつい思ってしまうのは老婆心か(笑)。

 どーでもいーけど、海村にいく件でちさきを連れていかなかったのは何故なんですかね?14歳のトリオだけより19歳のちさきも入れた方が尚安心、とかオレなら思っちゃうんですが。
 まぁ物語的に、その場にちさきがいなかった、ってのが後々のポイントになるんだと思いますが。


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