よむよま

よむ・よまない、それから。

レインボー・パパ 勘ちゃん

2013-05-22 18:45:37 | 見る
二児の父のことを「レインボー・パパ」と言う。
かもしれない。

今日、明治座の昼の部を見に行ったら、
二番目の「切られ与三」の前段、木更津の見染めの場で、
与三郎の染五郎と、江戸から来た鳶のかしら・勘ちゃんが歩いて行くところで、
客席の通路を通る演出になってたの。
それだけでも客席が大盛り上がりになったところへ、染さまが
「江戸の花形役者・中村勘九郎に、今日、二人目の男の子が生まれたんだって!」
と勝手に発表したもんだから、場内わーっと大歓声、大拍手となりました!
私も2階席から「おめでとうッ!」と言っちゃいました。(^O^)

染五郎の与三郎は、木更津の場はとってもいいけど、
肝心の玄冶店(げんやだな)の場はちょっと声が細いのねえ。甲高くなる。
ただ、染さまの与三郎は、傷だらけのやさぐれ男に成り下がっても、
いかにも育ちがいいのが残ってるのがいいと思ったわ。

お富の旦那(実は兄)をらぶりんがやってて、とってもいい。
やわらかい貫録がぴったりね。
こうもり安をやった人がうまかった。中村亀鶴。

一番目の演目、勘九郎の「実盛物語」は、
これってとってもヘンな話なのよねー。
なにしろいきなり「斬られた片腕」が登場する。
ごろんと出るんだよね、源氏の白旗を握りしめた女の片腕が。
しかも、老親(育ての親)や子供が、白旗を離させようとその腕をあれこれいじるという。
猟奇殺人事件ですよ。

そして、後から運ばれてきた女の遺体にこの腕をつけてやると、
腕(と握っていた白旗)にこめられていた一念によって、
一瞬だけ生き返って話すんですよ。

最後には、その女の老父(実の親)が、子供の手を取って、自分の首を斬らせるのよ。
もちろん子供の手では無理なので、
このおじいさんは実際には自分の手で自分の首を斬るんです。
この役をやるひとはスゴクて、首を斬る瞬間に、エイヤッと前転するのよ。

歌舞伎とはいえ、いろいろヘンな物語なんですが、
でも、勘ちゃんの実盛は非常にカッコよかったので、それでいいです。
声の使い方とかはお父さんそっくりなんだけど、
あの鋭角的な凛々しさはお父さんが持ってなかったものだよね。

見せ場の「物語り」であたりを見回して声をひそめるところとか、
(斎藤実盛は平氏でありながら、源氏に味方している)
ちょっとリアルな演技かなぁ。
でも、きっとこのリアルさも勘ちゃん世代の持ち味になっていくのかもしれない。

子役がたくさん仕事をしなきゃいけない芝居で、
今日の子役くんもとてもじょうずでした。
それを見る勘ちゃんの目がほころんでたのは、二児パパになったせいもあるかな。(*^^*)
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