2016年のお正月に放送された歴史エンターテイメント「大江戸炎上」BSプレミアム
いまごろ録画を見た。
明暦の大火のあと、江戸を復興させた話を、ドラマだけど、解説を入れながら作ってる。
いわばぜいたくな配役の再現ドラマみたいになってた。
主人公は保科正之、演じているのは高橋一生。いいね!
政敵は松平信綱(柄本明)、知恵伊豆と呼ばれた人。
浅井了意という仮名草子の作者を狂言回しにして、この人の本「むさしあぶみ」をもとに進めていく。
了意は相武紗季がやっていて、現代との橋渡しもする。
明暦の大火は本妙寺が火元となっているが、違う説もあるんだって。
老中の一人の阿部忠秋の屋敷から火が出たのを隠蔽した説や、松平信綱の放火説!
信綱は都市計画を進めるために、火事で焼けてしまえばと考えたのではないかというの。
そりゃすごい。
なんでそんな説が出てきたかというと、信綱は効率重視の冷徹なリアリストだったから。
ひたすら「民のため、民を救え」と言う保科正之とは衝突してばかり。
このときの老中はこの三人のほかには、酒井忠勝、井伊直孝。
酒井忠勝、井伊直孝って戦国時代の人ですよね。四代将軍のときまで生きてたのね。
強風に火勢衰えず、江戸城まで火が迫ってきたとき、
将軍にはやく避難していただこう、上野寛永寺へお移りいただこうと信綱が提案すると、
保科正之はそれをとどめて言うの、
「将軍が城を離れて逃げ出すなど、あってはならないこと」
そんなことをしたら幕府の威信は地に堕ちると。
そんなことをした人がいたんですよ、保科さま。
さっさと城を明け渡して寛永寺へ逃げ込んだ将軍が。
そこで徳川幕府は終わったの。
保科正之は自分の屋敷にも火が迫っているのもかまわず、お城に詰めて指揮を取って、
長男をこの火事が原因で亡くしている。
米蔵に火がかかりそうだというので、町民に米は取り放題とお触れを出して、
米ほしさに必死で火を消そうとする努力も引き出し、かつ、
焼けてしまうはずの米を与えることで、幕府に対する感謝も引き出す。
火事のあとも、焼け出された町民にお粥を提供するタイプの事業から、
火避け地や橋を作るなど災害対策としての都市計画事業から、
米価を安定させるために江戸から大名たちを国元に帰してしまおうと、参勤交代を中止したりと、
出来得る政策をどんどんやっていく。
老中間で反対もあるけど、このときの政治家たちは自分の私利私欲で動いてなくて、
反対の立場である場合もみんな、よりよいまつりごとをと考えている。
というところがいまとは全然違うの。
町民は武士を支えるためのものという考え方に対抗する保科正之の、
「政道とは民のためのもの」という持論。
途中途中で現代に保科さまが来るの。
扮装のままの高橋一生が洋室のソファで紅茶飲んでる。
そこに歴史学者の磯田道史や脳科学者の中野信子、いとうせいこうが出てきて、
「あなたの考え方はまちがってないと思いますよ」なんて言ったりする。
二代将軍秀忠の子でありながら、正室(お江ですね)に殺されそうになって、
からくも信州高遠藩に逃がされて育って、
のちに兄・家光に見出されて会津藩の藩主になった経歴も出て、
「十五箇条の御家訓」も出されました。
「えこひいきするべからず」
「法を侵す者は許すべからず」などの条々、
そして第一条「将軍家を大切にして絶対に忠誠を尽くすべし」
ナレーションが、
「この教えは幕末まで受け継がれ、九代当主松平容保は江戸幕府を守ろうと最後まで戦い、滅びの道を歩みました」
泣くわ!
これをこのまま拡大して大河ドラマにしたらよかった。
天守閣の再建にかかる金は町の復興のためにという、
政治は民のためにあるのだという理想の政治家、
真っ正直すぎるぐらいのまっすぐな人物、
その上その人が会津の藩主なんだから、まさに今年、これやったらよかったのに。
いまごろ録画を見た。
明暦の大火のあと、江戸を復興させた話を、ドラマだけど、解説を入れながら作ってる。
いわばぜいたくな配役の再現ドラマみたいになってた。
主人公は保科正之、演じているのは高橋一生。いいね!
政敵は松平信綱(柄本明)、知恵伊豆と呼ばれた人。
浅井了意という仮名草子の作者を狂言回しにして、この人の本「むさしあぶみ」をもとに進めていく。
了意は相武紗季がやっていて、現代との橋渡しもする。
明暦の大火は本妙寺が火元となっているが、違う説もあるんだって。
老中の一人の阿部忠秋の屋敷から火が出たのを隠蔽した説や、松平信綱の放火説!
信綱は都市計画を進めるために、火事で焼けてしまえばと考えたのではないかというの。
そりゃすごい。
なんでそんな説が出てきたかというと、信綱は効率重視の冷徹なリアリストだったから。
ひたすら「民のため、民を救え」と言う保科正之とは衝突してばかり。
このときの老中はこの三人のほかには、酒井忠勝、井伊直孝。
酒井忠勝、井伊直孝って戦国時代の人ですよね。四代将軍のときまで生きてたのね。
強風に火勢衰えず、江戸城まで火が迫ってきたとき、
将軍にはやく避難していただこう、上野寛永寺へお移りいただこうと信綱が提案すると、
保科正之はそれをとどめて言うの、
「将軍が城を離れて逃げ出すなど、あってはならないこと」
そんなことをしたら幕府の威信は地に堕ちると。
そんなことをした人がいたんですよ、保科さま。
さっさと城を明け渡して寛永寺へ逃げ込んだ将軍が。
そこで徳川幕府は終わったの。
保科正之は自分の屋敷にも火が迫っているのもかまわず、お城に詰めて指揮を取って、
長男をこの火事が原因で亡くしている。
米蔵に火がかかりそうだというので、町民に米は取り放題とお触れを出して、
米ほしさに必死で火を消そうとする努力も引き出し、かつ、
焼けてしまうはずの米を与えることで、幕府に対する感謝も引き出す。
火事のあとも、焼け出された町民にお粥を提供するタイプの事業から、
火避け地や橋を作るなど災害対策としての都市計画事業から、
米価を安定させるために江戸から大名たちを国元に帰してしまおうと、参勤交代を中止したりと、
出来得る政策をどんどんやっていく。
老中間で反対もあるけど、このときの政治家たちは自分の私利私欲で動いてなくて、
反対の立場である場合もみんな、よりよいまつりごとをと考えている。
というところがいまとは全然違うの。
町民は武士を支えるためのものという考え方に対抗する保科正之の、
「政道とは民のためのもの」という持論。
途中途中で現代に保科さまが来るの。
扮装のままの高橋一生が洋室のソファで紅茶飲んでる。
そこに歴史学者の磯田道史や脳科学者の中野信子、いとうせいこうが出てきて、
「あなたの考え方はまちがってないと思いますよ」なんて言ったりする。
二代将軍秀忠の子でありながら、正室(お江ですね)に殺されそうになって、
からくも信州高遠藩に逃がされて育って、
のちに兄・家光に見出されて会津藩の藩主になった経歴も出て、
「十五箇条の御家訓」も出されました。
「えこひいきするべからず」
「法を侵す者は許すべからず」などの条々、
そして第一条「将軍家を大切にして絶対に忠誠を尽くすべし」
ナレーションが、
「この教えは幕末まで受け継がれ、九代当主松平容保は江戸幕府を守ろうと最後まで戦い、滅びの道を歩みました」
泣くわ!
これをこのまま拡大して大河ドラマにしたらよかった。
天守閣の再建にかかる金は町の復興のためにという、
政治は民のためにあるのだという理想の政治家、
真っ正直すぎるぐらいのまっすぐな人物、
その上その人が会津の藩主なんだから、まさに今年、これやったらよかったのに。