映画「クソ野郎と美しき世界」
とてもおもしろい映画だった。最初に見たときと２回目では、かなり受け取り方が違った。
３人それぞれの主演があって、４話目でそれがつながる構成。
４話は華麗なるミュージカル、香取慎吾の歌がすばらしいのだが、映画はその盛り上がりのままでは終わらないのだ。
１話はゴローちゃんが天才ピアニストのゴロー役、「ピアニストを撃つな！」
パブリックイメージを利用してるのもひっくるめて、オレって色男なんだよという演技も、
ゴローちゃんのコメディアンぶりが見事。
いままでやってきたことは何も無駄になってない。
運命の女フジコ（馬場ふみか）が走る！彼女を追ってやくざの大門たちが走る！
やくざの浅野忠信、手下の満島真之介が怪演！
ゴローちゃんも走る！
ゴローちゃんの走り、おもしろかったのは、途中でクルッとターンしたの。無意味に。アイドルの性（さが）か？
ともかく暴力的に疾走する映画で、この１話の疾走感がそのまま４話まで引っ張っていく感じ。
２話は「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」
慎吾くんがやっているのは「香取慎吾」役、以前はスター歌手、いまは画家という設定で、
最初見たときは、ドキュメンタリーみたいねと思った。
持ち歌たくさんあるんでしょ、歌ったら？と言われたときの慎吾くんの表情（ドアップになる）などは、まさに。
でも、２回目では、イヤ、これはしっかり役を演じているんだと思った。
こういう役ですと与えられた条件に、自分の持っている条件をうまく使って演じている。
歌おうとすると歌喰いに喰われて歌えなくなるシーンで、
「何歌おうかな、アレにしよう」と、ア～と歌いだして喰われてしまい、次にキ～と歌い出して喰われて、
「じゃあ、一番のアレにしよう、一番のアレ」と「せ～」と歌い出すあたりとかも、そういうことだと思う。
一番のアレで「せ」とくれば、ファンでなくてもわかる。
この場面は台本では、ただ歌えなくなると書かれていたそうだ。だから、慎吾くんのアドリブだって。
それにしても、歌喰いの少女との会話のシーンは、ほかの人ではなかなかこうはできまい。
慎吾くんらしさが存分に発揮されてて、魅力。
歌を喰われてしまう有名歌手の女性マネージャー、香取慎吾に意見する女性警察官が、
ちょっとおもしろいリアリティで、印象に残る人たち。
３話は「光へ、航る」（ひかりへわたる）
題名に、内容を表す意味が込められている。
女房につつもたせをやらせてるやくざ男のつよぽんが安定の演技。
激しく言い争いながらも、亡くなった息子の右腕を一緒に探す女房が尾野真千子で、予想どおりのいい組み合わせだ。
つよぽんは、もうコワイ役はいいと言ってたけど、任侠ヘルパーのやくざ役はつよぽんの財産だと私は思っている。
この役は、あの当時よりもう一つ、自由になってる感じがする。
この話だけが悲しい設定なんだけど、それでも随所に笑いの箇所があって、
私は１話から３話までずっとクスクス、ニヤリと笑ってばかりいた。
各話の短さがちょうどいいの。つなぎ目（終わり方、始まり方）もいい。
４話はミュージカル仕立ての「新しい詩」
これまでの出演者が全員そろうオールスター編。
クラブの支配人が池田成志、白塗りのどぎついメイクで歌って、怪しさと非日常の世界へ。
ミュージカル「キャバレー」の司会者を思わせる。
このシーンは最初に見たときは、
ともかく香取慎吾の圧倒的なミュージカルスターぶりに有頂天になって、
ホラねホラね、すごいでしょ！だから、この人にミュージカルやらせろってずっと言ってたのよ！と、
キャーキャー見てしまった。
慎吾くんは「オーシャンズ１１」で出会ったミュージカル歌唱を手放してない。
この場の大パーティーの振付は、宝塚の桜木涼介。
慎吾くんの伸びやかな歌、華やかなスター性があふれるように画面を覆いつくしてて気づかなかったのだが、
２回目に見ると、このシーンはきらびやかな美しき世界というより、むしろ猥雑でグロテスクだ。
そして、明るい歌声で盛り上がって終わるのかというと、そうではない。
パーティーなど跡形もなく、まるで「祭りのあと」のようにものさびしい最終章があるのだ。
そこにかぶさって歌われる歌が「地球最後の日」
ゴローちゃんとつよぽん（プラス尾野真千子も一節）が切なく歌う、
遊星が衝突する地球最後の日なのか？という歌詞。
最初はこの流れは何なんだろう？と思ったが、これぞショータイムというものなんじゃないか。
幕が上がっている間は夢の世界、
でも、幕が下りればそれはまぼろし。
歌喰いの少女が古びたビルの屋上に立っている。
彼女の頭上に近づく、燃える遊星は？
「慎吾ちゃん」が描いている真っ赤な背景の絵は？
地球最後の日なのか？
とてもおもしろい映画だった。最初に見たときと２回目では、かなり受け取り方が違った。
３人それぞれの主演があって、４話目でそれがつながる構成。
４話は華麗なるミュージカル、香取慎吾の歌がすばらしいのだが、映画はその盛り上がりのままでは終わらないのだ。
１話はゴローちゃんが天才ピアニストのゴロー役、「ピアニストを撃つな！」
パブリックイメージを利用してるのもひっくるめて、オレって色男なんだよという演技も、
ゴローちゃんのコメディアンぶりが見事。
いままでやってきたことは何も無駄になってない。
運命の女フジコ（馬場ふみか）が走る！彼女を追ってやくざの大門たちが走る！
やくざの浅野忠信、手下の満島真之介が怪演！
ゴローちゃんも走る！
ゴローちゃんの走り、おもしろかったのは、途中でクルッとターンしたの。無意味に。アイドルの性（さが）か？
ともかく暴力的に疾走する映画で、この１話の疾走感がそのまま４話まで引っ張っていく感じ。
２話は「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」
慎吾くんがやっているのは「香取慎吾」役、以前はスター歌手、いまは画家という設定で、
最初見たときは、ドキュメンタリーみたいねと思った。
持ち歌たくさんあるんでしょ、歌ったら？と言われたときの慎吾くんの表情（ドアップになる）などは、まさに。
でも、２回目では、イヤ、これはしっかり役を演じているんだと思った。
こういう役ですと与えられた条件に、自分の持っている条件をうまく使って演じている。
歌おうとすると歌喰いに喰われて歌えなくなるシーンで、
「何歌おうかな、アレにしよう」と、ア～と歌いだして喰われてしまい、次にキ～と歌い出して喰われて、
「じゃあ、一番のアレにしよう、一番のアレ」と「せ～」と歌い出すあたりとかも、そういうことだと思う。
一番のアレで「せ」とくれば、ファンでなくてもわかる。
この場面は台本では、ただ歌えなくなると書かれていたそうだ。だから、慎吾くんのアドリブだって。
それにしても、歌喰いの少女との会話のシーンは、ほかの人ではなかなかこうはできまい。
慎吾くんらしさが存分に発揮されてて、魅力。
歌を喰われてしまう有名歌手の女性マネージャー、香取慎吾に意見する女性警察官が、
ちょっとおもしろいリアリティで、印象に残る人たち。
３話は「光へ、航る」（ひかりへわたる）
題名に、内容を表す意味が込められている。
女房につつもたせをやらせてるやくざ男のつよぽんが安定の演技。
激しく言い争いながらも、亡くなった息子の右腕を一緒に探す女房が尾野真千子で、予想どおりのいい組み合わせだ。
つよぽんは、もうコワイ役はいいと言ってたけど、任侠ヘルパーのやくざ役はつよぽんの財産だと私は思っている。
この役は、あの当時よりもう一つ、自由になってる感じがする。
この話だけが悲しい設定なんだけど、それでも随所に笑いの箇所があって、
私は１話から３話までずっとクスクス、ニヤリと笑ってばかりいた。
各話の短さがちょうどいいの。つなぎ目（終わり方、始まり方）もいい。
４話はミュージカル仕立ての「新しい詩」
これまでの出演者が全員そろうオールスター編。
クラブの支配人が池田成志、白塗りのどぎついメイクで歌って、怪しさと非日常の世界へ。
ミュージカル「キャバレー」の司会者を思わせる。
このシーンは最初に見たときは、
ともかく香取慎吾の圧倒的なミュージカルスターぶりに有頂天になって、
ホラねホラね、すごいでしょ！だから、この人にミュージカルやらせろってずっと言ってたのよ！と、
キャーキャー見てしまった。
慎吾くんは「オーシャンズ１１」で出会ったミュージカル歌唱を手放してない。
この場の大パーティーの振付は、宝塚の桜木涼介。
慎吾くんの伸びやかな歌、華やかなスター性があふれるように画面を覆いつくしてて気づかなかったのだが、
２回目に見ると、このシーンはきらびやかな美しき世界というより、むしろ猥雑でグロテスクだ。
そして、明るい歌声で盛り上がって終わるのかというと、そうではない。
パーティーなど跡形もなく、まるで「祭りのあと」のようにものさびしい最終章があるのだ。
そこにかぶさって歌われる歌が「地球最後の日」
ゴローちゃんとつよぽん（プラス尾野真千子も一節）が切なく歌う、
遊星が衝突する地球最後の日なのか？という歌詞。
最初はこの流れは何なんだろう？と思ったが、これぞショータイムというものなんじゃないか。
幕が上がっている間は夢の世界、
でも、幕が下りればそれはまぼろし。
歌喰いの少女が古びたビルの屋上に立っている。
彼女の頭上に近づく、燃える遊星は？
「慎吾ちゃん」が描いている真っ赤な背景の絵は？
地球最後の日なのか？
