よむよま

よむ・よまない、それから。

舞台「アルカディア」

2016-04-28 21:22:52 | 見る
トム・ストッパード作「アルカディア」コクーン 見ました。
おもしろかった!おもしろかった!

イギリスの伯爵邸の一部屋が舞台、部屋の向こうにはご自慢の庭が広がっている。
(ちょっと桜の園みたい)
この同じ部屋に、現代と19世紀と、二つのシーンが交互に現れる。
俳優陣も、現代組と19世紀組と2グループに分かれていて、
一人だけ、「ガス」と呼ばれている青年を演じている俳優だけが両方に出ている。
2幕の後半からは両方がいっぺんに現れるが、混乱するようなことはない。
交錯する瞬間を見せる演出が見事だった。

井上芳雄が重要な役。井上芳雄と浦井健治が出ているが、ミュージカルではない。
井上芳雄のストレートプレイを見たのは初めてかもしれない、とてもよかった。

現代組で、詩人のバイロンの研究をしている堤真一と、
この伯爵邸の「隠遁者」と呼ばれた人物の研究をしている寺島しのぶ。
この二人が屋敷に残された史料を研究し、19世紀の「そのとき、何が起こったか」を解いていく、
謎解きの興味もある。

伯爵家の娘が天才的な頭脳なの。数学的な科学的な。
「ライスプディングにジャムを入れてかき混ぜると赤い尾を引くでしょう?
でも、逆にかき混ぜても、ジャムは元に戻らないの!」
うわ、すごい!と思ったけど、これは熱力学第二法則という理論なんだって。
こういうことを自分で考える少女という設定なの。
彼女はお芝居が進むうちに、ニュートンの理論は不完全だと発見します。
この少女が、庭園の新しい設計図に「隠遁者」をなにげなく描き込んだ、そのことが物語を現代までつなげていく。

フェルマーの最終定理、アルゴリズム、カオス理論、
いろんな学術用語が飛び交う大量のセリフだけど、
とってもおもしろくて、テンポがよくて、引き込まれます。
(役者さんは大変そうだけど)(堤真一、だいぶ噛んでた)
約3時間(休憩15分)ですが、長いとは感じませんでした。

伯爵夫人の神野三鈴がすばらしかった。

ラストシーンは、遠くの部屋から聞こえてくるピアノのワルツが切なく耳に残る。

あと、真田丸の三十郎、迫田孝也さんが出てました。
お父さんの沼田城に行くとか言ってたのに、ここで人妻に手出してたのよ。
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